チュー・ハオ氏事件から見る:党の規律は厳しく明確で公平でなければならない
2018年11月15日付 VietnamPlus 紙
ベトナム共産党中央検査委員会の会合の光景
ベトナム共産党中央検査委員会の会合の光景

 11月15日午後、ベトナム共産党中央検査委員会は、元科学技術省次官・知識出版社社長兼総編集長のチュー・ハオ氏が、党条例に非常に重大な違反を犯し社会思想に悪影響を与えたことにより、同氏に対し党除名処分の決定を公表した。
 チュー・ハオ氏の違反は、政治思想に関する劣化、理想が薄らいでいく「自己演変」「自己転化」において表われている。
 この決定は党の規律が常に厳しく明確で公平であることを再度確認した。違反したものは、高級幹部の党員であれ、普通の党員であれ、現役であれ退職した人であれ区別なく、誰でも規律を受けなければならない。

   宗旨・目的通りに実行していない

 党中央検査委員会の通報によれば、知識出版社社長兼総編集長の地位にあるチュー・ハオ氏は、同出版社が党・国家の観点・方針・路線に反する内容の書籍を出版し、出版法に違反し、所掌機関により処理・回収・破棄されたことに関して主たる責任を負っている。
 本来であれば「党・国家の観点・方針・政策や生産・生活・教育の各分野で適用された科学技術の成果を宣伝・普及し、民智向上や国の工業化・近代化に貢献する」という宗旨・目的に沿うべきであるが、知識出版社トップの地位にあるチュー・ハオ氏は、わが党・国家の観点・方針・路線に逆行する政治思想的内容の書籍を多数出版させた。
 具体的には、『奴隷への道(Đường về nô lệ)』は社会主義の限界面を誇張し、社会主義の哲学・政治・経済・文化体系のすべてを拒否し、マルクス主義を否定した。
 『同調するために討論する(Tranh luận để đồng thuận)』は、経済・社会の発展に関する党の方針と逆行する論点を体現している幾つかの文章がある。
 『変化と幸福のベトナム(Việt Nam thay đổi và hạnh phúc)』は、党の観点・方針・路線と反した誤って歪んだ観点・認識・評価を有している。
 チュー・ハオ氏のそれらの違反・欠点は、厳格に規律を受けなければならない。しかしながら、彼の功績や貢献に鑑み、チュー・ハオ氏はこれまで処分を免じられてきた。指導・管理機関は再三、チュー・ハオ氏に反省し、落ち度や欠点から十分に教訓をくみ取り、改め、出版社の宗旨・目的通りに実行するよう要請してきた。
 しかしその後、2009年から2018年まで、チュー・ハオ氏は違反する内容の書籍を出版し続け、合計で24冊が処分を受けなければならなかった。そのうち、2冊は政治思想に関して重大な違反をしており、発行が禁止された。誤りがあった17冊は、発行前に詳細に修正し再納本しなければならなかった。5冊は再版が許可されなかった。内容に科学的根拠に欠く認識・評価があり、論争を引き起こし思想工作にとって有益ではない問題が残っていたからである。
 このように、チュー・ハオ氏は長期間にわたり故意に違反し、彼がトップに立つ出版社の宗旨・目的通りに実行してこなかった。

   党員の資格・基準と党員がしてはいけない事の規定に違反する

 党員で科学者でありかつては党・国家の高級指導者であったにもかかわらず、チュー・ハオ氏は、党の綱領・条例・決議・指示や国家の法律に基づく発言・執筆・行動において党員の任務を実行せず、党の観点・路線に逆行した文章やインタビューを多数ばらまいてきた。
 ベトナム共産党条例の最初の諸規定は、党の革命的理想の目的に対し絶対忠誠で、党の政治綱領・条例・決議・指示や国家の法律を厳正に執行し、託された任務を首尾よく完遂し、党の分担と異動に絶対に服従するという党員の任務を明記している。
 党組織のメンバーとしてチュー・ハオ氏は、党の決議・指示や国家の法律を厳密に実行し、党員と大衆が実行するように組織・運動する責任がある。しかしながら、長期間、彼は党の路線・観点と反する多くの内容をもった意見書・公開状・建議書などに直接に参加して署名したり署名運動をし、悪質分子がそれを利用して悪口を言い、事実を歪曲し、党の威信・指導的役割や国家の管理に悪影響を及ぼさせ、国の安寧秩序状況と党や国家に対する人民の信頼にマイナスの作用を与えた。
 なかでも「1992年憲法改正に関する建議」に言及しなければならない。これは次の3つの核心的問題に集約される7つの建議を挙げていた。①憲法第4条でのベトナム共産党の指導的役割の廃棄を求める、②政治的多元制、多党制の実現を要請する、③武装勢力に対する非政治化を求めるである。この建議にはチュー・ハオ氏も直接署名していた。
 チュー・ハオ氏のこの行為は、党の決議・指示・規定に重大な違反をしており、第12期4中総で明示した「自己演変」「自己転化」の政治思想に関する堕落を明らかに体現している。それは、革命的理想が色褪せ、民族独立と社会主義への信頼が動揺して減退し、マルクス・レーニン主義を懐疑し信頼を欠くようになり、社会主義的民主主義や社会主義的法治国家を否認し、「三権分立」の実現と「市民社会」の発展を求め、党の観点・方針・路線や国家の法律に反して発言・執筆・行動し、革命の成果を貶めて否定し、党・国家の欠点を誇張する表れである。
 さらにチュー・ハオ氏は、党の観点に反する文章やセンシティブな内容をもち社会思想に悪影響を及ぼす建議書を友人に直接送付したり、ばら撒いたりした。
 チュー・ハオ氏のこの行為は、第8期党政治局64号指示の第2点に違反している。これは、すべての幹部・党員に発言規律の厳格な執行を求め、誤った情報を広めることを厳禁し、噂を言いふらして世論に広めたり資料を配るために党建設の意見募集を利用したり、あるいは他人を唆して党・国家の路線・方針・政策に反する観点をもつ世論を広めたり資料を配ったりすることはできないとしている。
 このような誤った観点や行為をもっており、チュー・ハオ氏は党の隊伍のなかに立つ基準・資格が十分ではなく、共産党員の称号に相応しくない。
 2017年末に施行された党政治局規定102号第7条は次のように明確に規定している。事実を歪曲した内容を故意に発言したり執筆し、党と民族の指導的役割と革命的成果を否定し、マルクス・レーニン主義とホーチミン思想に反駁し否定した党員に対し、党除名のかたちで処理する、と。

   知識人蔑視はない

 チュー・ハオ氏は革命的伝統が豊かな家庭で成長した。激しく厳しい戦争の年月、彼は党・国家に優遇され、長年ソ連に留学させてもらって仕事をし、その後、重要な地位・工作を歴任し、科学技術省次官となった。
 本来なら、自分の深い知識と経験をもって、彼は真の知識人の役割を発揮するためにより適切で正しい方法を選んで、国のためにより多く、より実のある貢献をすべきであった。しかし残念なことに、まだ残存し限界がある問題や発展途上での不可避的に発生する問題を前に、チュー・ハオ氏は思惟・行動で誤った方法を選び、党の目標・理想に反し、党員の任務に違反した。
 知識人はエリート階層であり、民族の宝である。誕生から現在までの革命指導過程を通じて、わが党は常に知識人隊伍を重視し、知識人隊伍を構築し彼らの役割を発揮させるために、多くの方針・政策を施行し実行してきた。
 党の隊列のなかに立つ知識人隊伍の優秀な代表として、誰よりも、知識人党員はホー・チ・ミン主席が説いたように「正心」して「堅固な立場、正しい観点、聡明な思想、民主的な作風」をもつ必要があればあるほど、党の路線・観点に反して逆行し、祖国と人民の道に逆行することはできない。
 党の規律は厳しく明確で公平でなければならず、現役か退職した党員か、あるいは普通の労働者か指導部・科学者の党員かを区別しない。違反した人は誰でも厳しく明確に処理されなければならない。もし法律面で過ちを犯したのであれば、法律通りに処理されなければならない。
 原則に違反した知識人党員の規律処分は、知識人隊伍への宣戦でも軽視でもなく、党の規律を厳格に守るためである。これはまた、すべての党員が自分を見直し、正し、党員の責任と義務をより明確にし、社会主義的祖国ベトナムの建設・防衛により効果的に貢献するため必要なことである。

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( 翻訳者:メディア翻訳ベトナム語班 )
( 記事ID:4621 )