27%の女性記者と31%の女子学生がセクハラを受けている
2018年12月05日付 VietnamPlus 紙
性的暴力行為への対処における法律的空白について意見を述べる専門家たち
性的暴力行為への対処における法律的空白について意見を述べる専門家たち

 各調査の結果は、女性と女児に対する性暴力の問題は珍しいものではないことを示している。ベトナムの女性の3人に1人が性的暴力の被害を受けている。しかしながら、現在もなお、性的暴力の問題に対して、然るべき介入を行うための対策ができていない。
 この情報は、労働傷病兵社会省と国際連合人口基金(UNFPA)が、12月5日にハノイで行なった「女性と女児に対する性的暴力:法律の空白地帯と支援対策」フォーラムでもたらされたものである。
 フォーラム中の講演で、労働傷病兵社会省のグエン・ティ・ハー次官は、ベトナムでは女性や女児に対する暴力(身体的暴力、精神的暴力、性的暴力)についての詳細な研究は未だ一つもないものの、女性や女児の約3分の2が暴力を受けたことがある、もしくは受けていることが、幾つかの機関や組織による小規模な調査によって示されていると述べた。
 ハノイ市、ホーチミン市における国際連合人口基金の最新の調査結果によれば、女子高生の11%、女性ジャーナリストの27%、女子学生の31%がセクハラや性的侵害を受けていることがわかった。特に、これまでに1100件を超える女児に対する性的侵害が報告されている。しかもそれらの多くで、加害者は女児の親族である。
 国際連合人口基金のベトナム事務局長であるドー・ティ・トゥー・ハー氏はさらに、ベトナムの女性の3人に1人が性的暴力の被害に遭っていると述べた。特に、若年層の女性や少女の3分の1が性的関係を強いられている。
 「しかし、立ち上がり告発する被害者は2%しかいません。特に65%もの目撃者が、暴力行為に『見ないふり』をし、告発したり証人になったりすることはないのです」とドー・ティ・トゥー・ハー氏は強調した。
 性に基づく暴力の被害者を支援の質を改善し、危険を減らすために、労働・傷病兵・社会省は次のような活動を展開し、スキームを作成した。信頼できる住所、公の場の一時避難場所、性に基づく暴力の被害者支援組織、男女平等ソーシャルワーカーセンター、暴力がなく思いやりのある安全な学校、女性や女児等に配慮した安全な都市、などだ。
 グエン・ティー・ハー次官は女性・女児への暴力や侵害の防止事業にはいくつかの変化があったと述べた。以前に比べ多くの被害者が勇気を出して告発するようになり、世論やネット社会も強く関わるようになった。
 しかし他の暴力形態に比べ、女性や女児に対する性的暴力事件に適時に介入したり対処することには、まだ一定の困難がある。具体的には、他の身体暴力の問題に比べ、女性たちは、性暴力を受けたことを告発することや、適時な支援や相談にたどり着きにくい。適時でなく、不適切な介入や対処が、社会で不満を引き起こすこともあった。
 性暴力問題を解決するために、被害者にとって探しやすく容易にアクセスできる、健康管理、カウンセリング、安全、法律相談、情報を提供する支援相談所など、質の高いサービスを設置する必要があるという意見がある。特に、市民の暴力やセクシュアルハラスメントに対する考えや態度を変え、女性や女児に対する全ての暴力形態を裁きの場に持ち込むことに注目するよう現在の法律を改正していく必要がある。

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( 翻訳者:佐藤明子、谷津もゑり )
( 記事ID:4673 )