アメリカの裁判所はベトナムの枯葉剤被害者に対し義にかなった行動をする必要がある
2019年04月18日付 VietnamPlus 紙
枯葉剤の影響を被った被害者の世話をする
枯葉剤の影響を被った被害者の世話をする

 中央ベトナム枯葉剤被害者の会の副会長でホーチミン市枯葉剤被害者の会の会長のチャン・ゴック・トー少将は、ベトナムの枯葉剤被害者の生活のためアメリカの裁判所に義にかなった行動を呼びかける手紙を送った。
 手紙の中でチャン・ゴック・トー少将は、2019年3月19日の米国サンフランシスコ連邦裁判所の陪審団が、モンサント社の除草剤ラウンドアップが人体に直接的に害があり、カリフォルニア州在住のエドウィン・ハードマン氏70歳のガンを引き起こした重要な要素であったとしてモンサント社に810万米ドル近くの賠償金を求める結論を出したことを引用した。
 サンフランシスコ連邦裁判所は2018年8月、モンサント社はドウェイン・ジョンソン氏が長期間この化学品メーカーが生産したラウンドアップとレンジャープロという除草剤を使い続けたことによりガンになったとして、2,890万米ドルの賠償をするべきだという判決を出している。
 アメリカの枯葉剤被害者たちは賠償金を受け取っているというのに、「日々化学毒物によって最後の一人まで絶滅しつつあるベトナムの枯葉剤被害者に対し、どのような正義があるのでしょうか。証拠が不足しているからとアメリカ側が訴えを棄却したことで、枯葉剤被害者は傷ついているのではありませんか。
 そして科学的な証拠・証人とは生きた人間であり、アメリカの枯葉剤が1961年から1971年までの正義に反する戦争の間に散布されたベトナムの環境は、なぜ証拠として説得するのに不十分なのでしょうか?」チャン・ゴック・トー少将はこのように疑問を提示している。
 ベトナムは戦争の悪影響を重く受けてきた国家であり、その影響の中には枯葉剤も含まれる。モンサント社こそ枯葉剤を製造した化学品メーカー37社の筆頭であり、戦時中アメリカ軍のためベトナムに撒かれた枯葉剤、またの名をエージェント・オレンジをもたらしたのである。
 エージェント・オレンジの中のダイオキシンは、ガンや奇形などの多くの重篤な病を引き起こす原因である。
 ベトナムには現在480万人の枯葉剤被害者がいるが、ガンや各種の困難な病により、彼らは徐々に亡くなりつつある。
 死者のうちの多くの人がガンの病根を持っていたので、彼らが産んだ子供、生まれてきた次の世代もこの本当に悲惨な後遺症の影響を受けている。
 ダイオキシンは人々の生きる権利を略奪した。彼らの子供たちは、もし生きていたとしても身体は障害、奇形や植物状態であり、家族や社会にとっての痛みと重荷になっている。
 ダイオキシンは人間に恐ろしい悪影響をもたらしただけでなく、この化学物質が撒かれた地域の環境を破壊した。
 世界の科学者たちのそれぞれの現地調査のうち、アメリカの研究派遣団は次々にベトナムを訪れ、それを証明している。彼らはフィールドを訪れ、証人に直接接触し、環境の除染を支援するためビエンホア、フーカット、チューライ、ダナンの各空港の現場を確認した。
 2004年、ベトナムの枯葉剤被害者たちはアメリカの化学品メーカー37社を訴えた。その中でモンサント社とダウケミカル社を筆頭とする戦争中アメリカ軍のために除草剤を供与した各会社に対し、ベトナムの人々と環境にダイオキシンがもたらした悪影響を克服するため、助力し支援する責任を求めた。しかし、アメリカの連邦裁判所はこの訴えを十分な根拠がないという理由で棄却した。
 ベトナムのダイオキシン被害者の自尊心や自負心は、アメリカ側、具体的には37の化学品メーカーを代表するモンサント社とダウケミカル社が責任から逃れられることで、日増しに高まっている。
 チャン・ゴック・トー少将はアメリカの裁判所に、アメリカ国民に対してだけでなくベトナムの枯葉剤被害者に対しても真に公平であることを求めると公言している。「みなさんどうか、2004年から今までのモンサント社とダウケミカル社に対するベトナム枯葉剤被害者が原告となっている訴状について考え直してください。テミスの天秤がいつでも公正でありますよう」。

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( 翻訳者:松永直子 )
( 記事ID:4776 )