ベトナム国防大臣のゴー・スアン・リック大将・党中央軍事委員会副書記・政治局員の招きを受け、中華人民共和国国防部長の魏鳳和上将・国務委員が団長を務める中華人民共和国上級軍事代表団が2019年５月27日から29日にかけてベトナムを公式訪問した。
　５月27日の午後、国防省において、リック大臣は、魏部長率いる中華人民共和国上級軍事代表団の歓迎式典を挙行した。
　歓迎式典の後、両大臣は会談を行った。会談では、世界、地域の情勢、それぞれの情勢、二国間の国防関係に関して意見交換を行った。その中で、2003年の二国間国防協力に関する議定書、2017年に署名された2025年までの両国国防省の国防協力に関する共通ビジョン宣言の実施結果の評価に焦点が当てられた。
　双方は、これまでに、両党、両国間の包括的協力の重要な支柱たる２国間の国防協力関係が発展してきたことは高い政治的信頼の表れであることを確認し、双方が、各協力活動が比較的全面的に展開され、それぞれの側のニーズと対応能力に見合った形で、実質的な内容を持った枠組みが、一歩一歩作られていったことを高く評価した。
　際立つのは、両国軍のハイレベルの交流と指導者による往来の活動が常時維持され、進められたことである。幾つかの協力枠組みが設置され、国防戦略対話、青年士官の交流、トンキン湾上の合同パトロール、国境国防友好交流、党工作・政治工作の協力、国境地域の各軍区間の教育訓練協力のように内容と形式の面で拡大されていった。
　2019年に双方は、2020年の両国外交関係樹立70周年を祝うため、両軍関係における象徴的な年とすることを決定し合意した。
　その中で、双方は、今後、党工作、政治工作の分野において国防協力を引き続き促進し、歴史研究や資料映像製作プロジェクトを完成させ、軍医学の分野における協力を強化し、海軍軍区間、国連平和維持活動の協力を行い、特に、国境国防友好交流プログラムの開催と、ベトナムと中国の南部戦区の各軍区間・国境警備部隊間・海軍間・空軍間の協力に関心を寄せる。
　両国間に存在する問題に関して、双方は、断固として、平和的方策によって問題を解決し、揺るぎない信頼を作り出する必要がある点で意見が一致し、共に南シナ海の平和環境の構築することを決意し、南シナ海の平和環境は、中国もしくはベトナムだけが構築するものではなく、双方が共に発展するため、各パートナーが善意を以て協力することで作られると強調した。
　会談後、両大臣は、両国国防相の関係機関による、両国国防相間の軍事医学協力の覚書、2019年から2010年までの軍人の訓練に関する両国国防相間合意、ベトナム国防学院と中国国防大学間の軍事教育協力に関する覚書の協力文書への署名に立ち会った。また、中国国防部がベトナム国防省へ寄贈した医療用機器・救難救助用設備の引き渡し式典に立ち会った。
　リック大臣は、中国の中央軍事委員会と国防部がベトナム国防省にいくつかの設備、医療用機器、救難救助用設備を寄贈したことに謹んで謝意を述べた。これは、両軍関係が新たな発展の一歩を踏み出したとことを示す重要な意味を持つシンボルとみなされると述べた。
　リック大臣は、ベトナムがASEAN議長国を務める2020年にあたり、魏部長に拡大ASEAN国防大臣会合（ADMM+）へ参加招待し、中国の艦艇を航海の安全演習および国際艦船式への派遣するよう伝えた。

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（ 翻訳者:榎本泰希 ）
（ 記事ID:4850 )