竹のストローで環境に優しい材料に魅せられて
2019年11月07日付 VietnamPlus 紙
ストロー以外にも、レ・スアン・ハー氏は竹製のペンやスプーン、ナイフ、皿など、 環境に優しい製品を作っている。(写真:キエウ・トゥー)
ストロー以外にも、レ・スアン・ハー氏は竹製のペンやスプーン、ナイフ、皿など、 環境に優しい製品を作っている。(写真:キエウ・トゥー)

 レ・スアン・ハー氏の工場で作られる竹や淡竹のストロー製品は、ハノイやダナンといったベトナム全国、さらにはフランス、ドイツ、日本などハードルの高い市場にもお目見えしている。

 山間部タインホア省トゥオンスアン県タンタイン社の1989年生まれのレ・スアン・ハー氏は、環境に優しい材料に魅せられ、地元のありふれた原材料を活用し竹や淡竹から有益な道具を作り出した。
 現在、竹や淡竹のストローを生産する彼の工場は毎月数千万ドンの収入をもたらし、地元の労働者に仕事を生み出している。
 レ・スアン・ハー氏によると、竹や淡竹のストローを作るというアイデアを思い付いたのは非常に偶然のものだった。それは友人とお茶を飲んでいたある時、その友人の子供が飲み物を飲むためにプラスチックのストローを求めたことだった。
 家にストローがなく、飲み物を飲むのに使う子供の為にハー氏が竹の筒(茎)を折って、両端を削って綺麗に洗ったところ、子供が非常に気に入ったのだった。
 竹と淡竹のストローを試しに作って市場で売り出しどのような感じか見てみるよう友人が言った。なぜなら、竹や淡竹はトゥオンスアン県ではありふれた植物だからだ。
 着想を得てすぐ、レ・スアン・ハー氏は市場調査の仕事に手をつけ始め、友人たちと共に竹や淡竹製のストローを作った。
 1本の竹と淡竹のストローを仕上げるのに、彼は職人グループと共に、7年目くらいの竹と淡竹がある人工林もしくは自然林で、長さ3~5メートルで太さが指くらいのものを選んだ。
 選別の後、原材料は切断、やすり掛け、つや出し磨き、茹で、干し、乾燥、という工程を経る。どの工程も、作り手は慎重に丁寧におこなわなくてはならない。中でもストローを磨き茹でる工程が最も重要なのは、除菌し、かび臭さを取り除き、製品が虫食いになるリスクを減らすためである。
 2017年9月、最初に誕生した竹や淡竹のストローは、ハー氏によって南北の友人たちに贈られ、ビジネスパートナーに紹介された。
 困難をものともせず時間をかけて、レ・スアン・ハー氏はタインホア省のトゥオンスアン県やトスアン県、そしてその他いくつかの省や都市で、カフェや茶屋、オーガニック食品を売るショップを自分で探し、自らの竹・淡竹製ストローを無料で使ってみてくれるよう店のオーナーを説得した。
 努力は裏切られることなく、結果的にハー氏の製品は友人や協力者に好評を博し、片田舎のトゥオンスアンに、注文が矢継ぎ早に入ってきた。
 竹と淡竹のストローが市場で大きな反響を呼んだ後レ・スアン・ハー氏は、工場を作り切断機や研磨機、釜戸といった先進的な設備を購入することで工場に投資して、生産の拡大を決心した。
 生産用の原材料を安定的に供給するため、そして環境に悪影響を与えないために、ハー氏は地元や近隣県の家庭から竹と淡竹を購入する。またそれと同時に、開拓しつつ植林するよう住民に働きかけた。
 現在、ハー氏は竹と淡竹のストローのためのブランド「VIBABO ーグリーン・インスピレーションー」を設立した。
 最初の1種類のストローからこれまでに、ハー氏の工場では、VST1、VST2、VST3、VST4という4種類の竹と淡竹のストローを製造した。これは消費者の多様なニーズに合わせて寸法の異なっているもので、高級ストロー、標準的なスムージー用ストロー、ミルクティー用ストロー、コーヒー用ストロー、子供用ストローなどだ。価格は1本1,000ドンから15,000ドンである。
 ストローは外側が滑らかで自然な薄い黄色であり、使用する人々に自然に親しく優しい感覚を抱かせる。
 タインホア市ズォン・ディン・ゲ通りにあるサイン・トゥアン自然食レストランのオーナーであるグェン・ティ・チャン氏(女性)は以下のように述べている。  
 「ハー氏に試しに使わせてもらった後、私は、竹と淡竹のストローが、熱にも冷たさにも耐久性があり、広がったりヒビが入って割れてしまったりする心配がなく、便利に使えて安全が保証されている点が良いと思いました」。


〔関連記事:ストラップや竹ストローの生産モデルによる起業〕

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:河合摩南 )
( 記事ID:5028 )