ベトナムの都市が持続的に発展するための解決法
2019年11月08日付 VietnamPlus 紙


 都市化の過程における現代的な問題は、ベトナムにおける将来的な課題と同様、国の特性に合った解決法を求めている。
11年前の2008年より、毎年11月8日をベトナム都市の日とすることが決定された。そのねらいは、都市化のプロセスを積極的に進めるとともに、文明的で現代的な都市を築くにあたり、コミュニティの認知を高めることである。

   戦争の傷跡から時代の息づく都市へ
 
 1954年のジュネーブ協定後、我が国は南と北の2つの地域に分けられた。9年の抗戦で北部は激しく破壊された。速やかに経済復興し、戦争の傷跡をいやし、民族民主革命で残された任務を果たすことは喫緊の課題であった。1956年に現在の都市農村計画研究所の前身である建築庁都市室が設立された。その後、ハイフォンやナムディン、ヴィエトチ、タイグエンのような産業都市はある程度回復し、現代ベトナム都市の新たな特徴を生み出した。南部ではサイゴンが依然として主要都市であり、他の大都市や軍事目標のある地域とともに開発投資を受けた。
 我が人民が懸命に経済地域の建て直しを図っているとき、米国の帝国主義者たちは戦争を遂行して北部を破壊し、南部の人々を狂わんばかりに弾圧した。「北部を石器時代に戻す」という野心のもと、20年に及ぶ戦争は北部と南部双方のインフラを壊滅的なものにし、我々の経済復興の努力に幾重もの困難を与えた。
 国が統一し、ベトナム人民は直ちに国の復興と再建に着手した。最初の10年は、戦争の被害や不適切な経済政策により、都市化のスピードは遅かった。
 1986年のドイモイ政策は、ベトナムの社会の様相や経済成長に強い影響を及ぼし、国の各地域における多くの新しい都市の形成や発展の原動力となった。
 1990年代はじめ、ベトナムには約500の都市があり、都市化率は約18%であった。これは、次の段階において我々が真の成長に進むための重要な前提である。1999年から現在まで、ベトナムの都市システムには質的かつ量的に多くのポジティブな変化があった。1999年には全国で629の都市があったが、2019年には、ハノイ とホーチミン市の特別な2つの都市を含め、833の都市がある。その他は、一級から五級までの都市である。
 大都市がある地域で都市化は急に加速し、全国に広がり、以前よりも均質に分布している。多くの都市は造成、改良、発展拡大され、技術・社会インフラの建設投資が行われ、各地域や全国の経済成長・発展の原動力としての役割を確実にしている。
 戦争や自然災害の被害を受け、農業生産人口割合が8割以上を占め発展途上の産業を抱える国から、現在までに国内の都市システムは大きく発展し、また発展し続けている。街並みは、ますます美しくなり、現代的になっている。多くの質の高い新都市地区や住宅街が、地域・国際的に卓越したプロジェクトとともに生まれた。ベトナムの都市は、人々の生活スタイルを変えただけでなく、経済成長にも影響 を与えている。 毎年、都市地域は国のGDPの約70%に貢献しており、工業価値生産、輸出入のみならず、科学技術の進歩や国の工業化・現代化を着実に成功に導くけん引役である。

 ベトナムの都市はまた、長い歴史を伴う特徴的な文化を持った伝統的な都市空間を維持し、普及するのに最適な場所でもある。首都のハノイや古都のホイアンを訪れれば、誰しも都市空間においてそのままの形で何百年に亘って繁栄してきた由緒ある建築物や文化・生活、料理を愛せずにはいられないだろう。伝統と革新、古代と現代の調和を確実にすることは、ベトナム都市の魅力をさらに高めるが、同時に都市計画者たちに難しい課題を突きつける。
 現在、ベトナムの都市システムは、量・規模と質のバランスの取れた発展をしていない。多くの計画設計図は不適切なビジョンや解決法を有している。管理能力が実際の発展のペースに追いついていない。都市のインフラは、人々のニーズを満たしていない。多くの大都市、とりわけハノイとホーチミン市では、恒常的に交通渋滞や洪水、環境汚染が起こっている。

   都市の発展―経済成長のための原動力

 ドイモイ、工業化、現代化の過程は常にベトナムの都市化と密接に結びついていた。ドイモイから30年以上が経ち、都市化の過程は、国の社会経済の発展段階を通して認識することができる。
 1986-1997年の間、ベトナムの都市化のスピードは遅く、1997年では都市化率はたった23%であった。2000-2010年の間、ベトナムの都市化のスピードはより加速した。1999年にはベトナムは629の都市を有していた。2010年までには772の都市を有し、その中には特別な2つの都市、15の一級都市、14の二級都市、47の三級都市、64の四級都市と630の五級都市を含む。多くの都市が拡大し、街はより密集するようになっている。2011-2020年の間、ベトナム経済は成長を続け、都市化のための強力な基盤をつくった。2018年12月の時点で、全国の総都市数は833であり、都市化率は38%に達し、2017年と比較して0.9%伸び、第12回党大会の議決に基づいた指標にほぼ近づいた。2019年には都市化率は40%に達する見込みである。
 2018年の都市化の増加は、不動産と建設資材市場が見るべき成長速度に達するのを助けた。住宅の全国平均面積は一人当たり24平米であり、2017年と比較して0.6平米増加した。セメント総消費量は9500万トンと、2017年と比較して17%増加し、年間計画の117%に達した。
 それと同様、都市インフラは段階的に投資されている。都市景観は日増しに美しく現代的になっている。多くの新都市地区や住宅街の質は高く、多くの建設プロジェクトは地域、国際的に卓越している。
 こうした結果から、都市は経済・社会の発展の原動力となることがわかる。都市経済は経済全体の70-80%を占めている。ホーチミン市とハノイのみで2018年のGRDPは240京、国全体のGDPの40%を占める。

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( 翻訳者:新里フランコ )
( 記事ID:5031 )