3500人近くのベトナム人が人身売買の被害者
2019年11月29日付 VietnamPlus 紙
人身売買の被害防止対策メッセージを掲示したバス
人身売買の被害防止対策メッセージを掲示したバス

 社会悪防止局によると、ベトナムを含むメコン川流域は人身売買、不法移住のホットスポットと考えられている。

 2013年から2019年まででベトナムでは3476人が人身売買事件の被害者となった。被害者の中のほとんどは女性と子供であり(90%以上)、彼らの多くは少数民族であった。
 これは、労働傷病兵社会省の社会悪防止局局長のグエン・スアン・ラップ氏が、11月29日にホーチミン市で開かれた人身売買防止対策に関する法律のいくつかの条項の施行細則を規定した政府の2013年11月1日公布の政府議定2013年第9号の実施結果を評価するための会議で、伝えた内容である
 グエン・スアン・ラップ氏によれば、世界における人身売買状況が複雑化している背景の中で、ベトナムを含んだメコン川流域は人身売買、不法移住のホットスポットと考えられているという。
 国連薬物犯罪事務所の統計によると世界中で244億人が移住しており、テロ、軍事衝突、暴力の影響によりその数は増え続けている。
 その移住者の多くが世界中の約510の人身売買ルートの被害者になっている。
 ベトナムにおいて1232件の人身売買事件の捜査から、公安省は、人身売買の被害は通常、農村部、特に辺地の、経済的に困難で、人々は稲作のみを行うか無職かであり、家族に不幸な状況があり、人情もあまり深くなく、学歴もあまり高くないところに集中していると確認した。
 人身売買の容疑者の行為・手口を分析し、(公安省)刑事警察局人身売買犯罪防止対策室副室長レ・ヴァン・ニャン上佐は、「これら容疑者は普通、経済的困難や人を信じやすいことを利用して警戒心を失わせたり、もしくは少数民族の親密になるための婚姻の習慣を利用して恋人や結婚の仲介者を装い、被害者をだまして外国に売り飛ばしている」と伝えた。
 特に子供の売買、何より全寮制の少数民族学校の生徒の状況は複雑化してきている。
 このほか、多くの外国人容疑者がベトナムに入国し、詐欺の手先とグルになりベトナム人を外国での違法な労働に送り出すための仲介をしている。外国に出国すると、彼らは携行する書類を奪われ、労働を強制され、給料は支払われないかもしくは関係機関に通報され国外追放で帰国させられる。

 人身売買の被害者を支援するために、これまでベトナムは人身売買の被害者を支援する活動を数多く行ってきた。
 全国に425の社会支援を行う施設があり、その中の195施設は公立、230施設はそれ以外のものだ。2013年から2019年6月まで労働傷病兵社会省は2961人の被害者を支援した。そのうち2891人が女性、528人が18才未満であった。
 人身売買被害者に対する国と社会組織の支援政策では、生活必需品の支給、医療面、心理面、法律面での支援、文化を学び職業訓練を受けるための支援、そして、生産活動のための融資の支援が行われている。


関連記事:【過去4年間で2600人のベトナム人が人身売買の被害者に】
https://www.vietnamplus.vn/2600-nguoi-viet-nam-la-nan-nhan-cua-te-buon-ban-nguoi-trong-4-nam-qua/586125.vnp

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:山下萌佳 )
( 記事ID:5068 )