栄養不良、少数民族の子どもに特に多く
2019年12月10日付 VietnamPlus 紙
少数民族の子どもにお土産を配る
少数民族の子どもにお土産を配る

 6か月から23か月の月齢層の少数民族の子どものうち、栄養が充分な子どもは39%だけである。15歳から49歳の少数民族の女性のうち、32.7%が妊婦健診に行きビタミンの補給を受けている。

 ベトナムでは栄養不良の状況が特に少数民族の子どもたちに一般的で、その割合は世界で最も高い。
 上記の情報は、12月10日の午後、ハノイで公表された世界銀行と国家栄養研究所の最新の報告『ベトナムの少数民族に根強く残る栄養不良―課題と介入解決策』で挙げられている。
 統計報告は、3人の少数民族の子どものうち1人が発育不良で、5人のうち1人が低体重であると報告している。この状況を解決するために、報告には世界銀行の専門家の提言を載せている。それによると、少数民族のコミュニティの地理や特殊な文化に関する諸要素に適するよう個別に設計された新しいアプローチが必要である。
 オスマーン・ディオーン在ベトナム世界銀行代表は、次のように述べた。「20年間が過ぎたが、少数民族の子どもたちは依然として後方に置き去りにされたままであり、キン族[訳注:ベトナムの主要民族]の子どもたちとの格差は日増しに大きくなっている。今後は根本的な変革を起こすため最も高い割合の省に優先的に集中して栄養不良を改善する取り組みが必要である」。
 レ・ザイン・トゥイェン国家栄養研究所長は、以下のように述べた。母親が妊娠してから子どもが2歳になるまでを含む1000日間の段階は、もし栄養が充分であれば、子どもの体や知能の最適な発達を決定する黄金期である。もし子どもがこの段階において、栄養を充分に摂取できなければ、体と知能の発達に取り返しのつかない深刻な損失につながるだろう。
 報告では栄養状態を改善するために介入させるそれぞれの解決方法をこの段階の子どもたちと出産年齢にある女性に集中する必要があると強調している。6か月から23か月の月齢層の少数民族の子どものうち、栄養が充分な子どもは39%だけである。15歳から49歳の少数民族の女性のうち、32.7%が妊婦健診に行き、ビタミンと必須ミネラルの補給を受け、栄養のカウンセリングを受けている。
 報告によると、社会の文化の要素もまたこの状況を導き出している。早婚や未成年の妊娠が少数民族の女性にはいまだに一般的だ。23.9%の女性が15歳から19歳の間に初産をしている。他の原因としては、少数民族の人々が予防医療や診察のサービスにアクセスしたり利用することを躊躇するという心理がある。
 各専門家は次のように分析する。子どもの栄養不良の主要な原因は、貧困が根源にある。2016年の統計によると、ベトナムの少数民族グループは全人口のうち14%しか占めていないにも関わらず、少数民族グループが貧困世帯の73%を占めている。
 報告では、少数民族の子どもたちの栄養指数を改善するために、ベトナム自体が実施可能な解決策を複数提案している。その解決策とは、政府の指導と関連各機関の効果的な調整体制によって、この栄養に関する問題においてより効果的に連携した体制を確立することである。
 特に、ベトナムは栄養事業の財源を保証する必要があり、有効性について検証された諸政策に充分な予算を保証する必要がある。最も深刻な栄養不良の状況がある省は、栄養状況改善の諸政策を実施するために、国の予算を優先的に割り当てられ受け取ることができる必要がある。
 専門家も、栄養不良の原因を払拭し、栄養不良状況の解決目標を国家目標プログラムに組み入れることを優先事項とし適切な予算の割り当てを得るために、また未成年や妊娠中の女性、子どものための全面的な健康管理サービスに少数民族グループがアプローチする可能性を増加させるために、ベトナムは多分野にわたった解決策が必要だと提言している。
 各地方は少数民族の女子が高校教育課程に参加しこれを完了するための優遇政策を奨励、適用する必要がある。それに加えて、妊娠中の女性や、生後1000日の発達段階にある新生児や幼児がいる最貧困の少数民族世帯に集中した補助金制度を拡張する必要がある。
 日本政府はこの研究に対し栄養への取り組み拡充に対する日本信託基金を通じて財政支援を行った。


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( 翻訳者:中富春奈 )
( 記事ID:5091 )