日本が新型コロナウイルス感染対策でベトナムを支援
2020年02月07日付 VietnamPlus 紙
中央衛生疫学研究所に支援品を渡すJICAの代表者。(写真:記者/ベトナムプラス)
中央衛生疫学研究所に支援品を渡すJICAの代表者。(写真:記者/ベトナムプラス)

 日本の国際協力機構(JICA)がこの新しいウイルスを正確、迅速に発見する検査実施のため、およそ1,400万円相当の各種試薬等をベトナムに支援する。

 2月7日、日本の国際協力機構(JICA)は、中央衛生疫学研究所(NIHE)に支援品を送る決定をした。ベトナムと共に手を携えて新型コロナウイルス(2019-nCoV)による感染対策を行うためである。
 支援するのは、およそ1,400 万円相当の各種試薬などで、その目的は、この新しいウイルスを正確に迅速に発見するための検査を実施することである。
 中央衛生疫学研究所で、その支援の一部にあたる230万円相当分が初めて今日[2月7日]引き渡された。
 これに先立ち、中央衛生疫学研究所は、医療省から、この研究所を北部で新型コロナウイルス感染の疑いがある場合の検体検査実施機関とする、という指示を受けていた。
 2月7日現在、ベトナムでは新型コロナウイルスへの感染例が12件、感染の疑いがあり隔離されている例が77件ある。
 全世界及びベトナムでこの疾病の複雑で予測し難い状況を受け、ベトナム政府は多数の断固とした感染防止対策を緊急に実施している。
 新型コロナウイルスによる感染が起こる前、ベトナムは既に大きな疫病を体験してきた。例えばSARS[重症急性呼吸器症候群](2003年)、H5N1[鳥インフルエンザ](2004年)などである。しかし、その頃まだベトナムは、高危険度病原体に係る試験を実施できるバイオセーフティーレベル3の実験室を設置していなかった。
 その背景の中ベトナムを支援するために、日本政府は、3つの事業を実施した。それらは、無償資金援助事業の「中央衛生疫学研究所へのバイオセーフティレベル3の実験室設置」(2006年)事業と、以下の2件の技術支援事業、「新しい感染症の制御に関する中央衛生疫学研究所の能力向上」(2006年-2010年)事業、「高危険度病原体に係るバイオセーフティ並びに実験室診断能力の向上と連携強化プロジェクト」(2011年-2016年)である。
 現在、「ベトナム・ラオス・カンボジアにおける危険な感染症を引き起こす病原体に係るバイオセーフティと実験[室診断]に関する医療実験室システム(2017年-2022年)の能力向上」事業の第3段階により、2人の専門家が中央衛生疫学研究所に長期派遣され、中央衛生疫学研究所だけでなくホーチミン・パスツール研究所や省レベルの各疾病制御センターなどでの実験[室診断]能力向上が図られている。
 最近では1月23日、チョーライ病院(ホーチミン市)で最初の[新型コロナウイルスの]感染例が確認された。病院で働いていたある1人の日本人医師(JICA専門家)が、病院の感染症対策科に参考資料を提供したほか、病院の各医師にこの疾病への対応を指導・支援した。
 今回の感染状況の中での緊急支援で、JICAは、ベトナム人の健康と安全の確保に貢献したいとの考えだ。


参考記事:ベトナムは新型コロナウイルスの分離・培養に成功
https://www.vietnamplus.vn/viet-nam-nuoi-cay-va-phan-lap-thanh-cong-virus-corona-moi/621984.vnp

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( 翻訳者:メディア翻訳ベトナム語班 )
( 記事ID:5146 )