チュオンサ諸島[南沙諸島]海域での戦闘:不滅の英雄を讃える歌
2020年03月14日付 VietnamPlus 紙
艦船HQ-505は敵からの砲火を浴びた後、ヴー・フイ・レー艦長がコーリン島へ「座礁」させる決定をしたことにより、沈没しなかった唯一の艦船となり、ベトナムの生きた主権の標となった。
艦船HQ-505は敵からの砲火を浴びた後、ヴー・フイ・レー艦長がコーリン島へ「座礁」させる決定をしたことにより、沈没しなかった唯一の艦船となり、ベトナムの生きた主権の標となった。

 1988年のチュオンサ諸島[中国名:南沙諸島]海域における3月14日の戦闘は民族の歴史に永遠に刻まれ、ベトナム人各人の心の奥で不滅の英雄を讃える歌となっている。

 32年を経ても1988年のチュオンサ諸島海域での戦闘は常に、祖国の主権を守る闘争における断固とした警戒精神を高める教訓を私たちに思い起こさせる。
 その年の3月14日の戦闘は民族の歴史に永遠に刻まれ、ベトナム人各人の心の奥で不滅の英雄を讃える歌となっている。
 その不均衡な海戦で犠牲となった64人の戦士の血は大海に溶け込み、国土のために勇ましく戦い犠牲となった、ベトナム人の気魄となった。
 1988年初め、中国海軍からの日増しに強まる圧力を前に、1988年3月4日、ベトナム人民海軍・党常務委員会は、ガックマー、コーリン、およびレンダオの各岩礁を守る決断を下した。これは、少ない兵力と古びて劣化した船舶という条件のなかで、きわめて緊急に展開しなければならない重い任務であった。
 各部隊は任務を遂行し、艦船HQ-505、HQ-604、HQ-605を使用し、第146旅団の小隊を派遣してガックマー岩礁の守備にあたらせた。そして海軍の第83工兵連隊の戦士たちは島を建設し、連隊所属の4人の同志は測量し海図を作成した。
 第146旅団の副旅団長であるチャン・ドゥック・トン中佐が、この任務を遂行する指揮を託された。
 計画通りに実行するため、わが海軍は、警戒精神を高め、戦闘の準備をし、平静にして賢明に、最後まで島を防衛し祖国の不可侵の主権を確かなものとする決心をした。
 というのは実際上、1988年3月14日のガックマー、コーリン、レンダオの岩礁での祖国の主権を守る戦闘は、不均衡の戦いだったからである。
 波頭と風が立つところで、武器は限られており、身を隠す土手や塹壕もなかったが、愛国の情と祖国の神聖な主権を守る決意をもって、3隻の艦船HQ-505、HQ-604、HQ-605の部隊とガックマー、コーリン、レンダオの守備部隊の幹部・戦士たちは、祖国の海・島の主権を守るため、屈強の意志、勇敢な精神、最後までやり抜く決意を高く掲げた。
 ガックマー島の副島長のチャン・ヴァン・フオン少尉とグエン・ヴァン・ラン伍長は同じ部隊で、勇敢に戦い、祖国の旗を取り戻し、神聖な紅旗を守るために隊伍を引き締めた。
 チャン・ヴァン・フオン少尉は勇ましく犠牲となったが、敵を前にした彼の力強い発言はずっとこだまし続けている。「ここはベトナムの領土であり、君たちは侵犯している。ここから撤退し、無益な血を流さないようにしてくれ」。

 ガックマー島で繰り広げられた祖国の旗の争奪と防衛は日増しに熾烈になった。勇敢なグエン・ヴァン・ライン同志は敵を撃退し、機転をきかして祖国の旗を自分の胸の周りに巻いた。同じ隊の二人がタイミングよく支援し、彼が敵軍の前に堂々と直立し、体に祖国の旗をよりしっかりと維持し続けるのを助けた。
 チャン・ヴァン・フオン少尉とグエン・ヴァン・ライン伍長の断固たる闘争行動と勇ましい犠牲は、島の同志たちが祖国の主権を守るために最後まで戦う決意をするのを促した。
 この不均衡な戦闘のなかで、敵軍の強力な各種火力の前に、ヴー・フィー・チュー艦長、チャン・ドゥック・トン副旅団長と多数のわが幹部・戦士がガックマー海域で艦船HQ-604と共に勇ましく犠牲となった。しかし彼らは、祖国の神聖な海・島の主権をしっかりと守り断固として戦闘する、革命的英雄主義の輝かしい模範となった。
 
 コーリン島にその船身の3分の2が残る艦船HQ―505の姿は、同島の堅固な主権の標となった。
 祖国と人民は、祖国の神聖な領土の主権・独立を守るための彼らの果敢な戦闘精神、偉大な犠牲的貢献を永遠に誇りに思い、恩を感じている。艦船HQ―505とヴー・フィー・チュー、チャン・ドゥック・トン、ヴー・フイ・レー、グエン・ヴァン・ライン、チャン・ヴァン・フオンの各同志は、ベトナム社会主義共和国国家主席が授ける人民武装勢力英雄の高貴な称号にふさわしい。
 チュオンサ諸島に行き、1988年3月14日の海戦で斃れた烈士を偲ぶ献花式に参加された人は、広大な大海の上での儀式の音楽の感動的な音を忘れることはできないであろうし、歴戦の将軍あるいは軍隊に入ったこともない若者でさえ、痛ましくはあったがまたきわめて誇りにも思う戦いのことや、愛する国の主権のために若い兵士たちが犠牲となったことを考えて胸をつまらせずにはおかないであろう。
 この歴史的な3月の日々、高貴な感情、誇り、最も深い恩義を知る心のすべてをもって、ベトナムの地の一人一人は、祖国の優秀な子弟であり国土のために勇ましく自己を犠牲にした彼らへの想いをいっそう強めている。
 チュオンサは遠くにあらず、チュオンサは常にベトナム人の心の中にある。その神聖な島の海域には、南シナ海における祖国の領土の一部を防衛した屈強な人々がいたのである。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:メディア翻訳ベトナム語班 )
( 記事ID:5148 )