メコンデルタ:5月の塩害は依然として高いレベル
2020年05月06日付 VietnamPlus 紙
2020年5月6日~10日の最高塩分濃度の分布予想地図
2020年5月6日~10日の最高塩分濃度の分布予想地図

 メコンデルタ(ベトナム一の米作地帯)のフロー予測と2020年5月の干満予測に基づくと、塩害は減少する傾向にあるが、その水準は依然として高い。
 
 水文気象各機関の予測によると、5月6日から10日にメコンデルタの塩害は徐々に増加し、週末に最も高いレベルに到達する。塩害による自然災害の危険性はレベル11~2となっている。
 そのため、塩害の次の波がくる5月8日から15日には、各地方は生産被害を最小化するために水の量を制限し(最低限の水やり)、経済的価値は高いが、塩耐性の低い果物の木を植えている土地に対しては水をやる前に塩分濃度を検査する必要がある。

   大雨の可能性があるが、塩分は高いまま

 国家水文気象予報センターの代表は5月1日から5日のメコンデルタの塩害は徐々に減少する傾向にあるとしている。ソックチャン省、ベンチェ省、カマウ省のみ、いくつかのポイントで塩分濃度水準が4月26日から30日よりも高い。
 5月6日から10日の今後数日間で、メコンデルタでは午後や夜の短い時間に各地で大雨となる可能性がある。その大雨では、竜巻や雷、強風のおそれがある。
 しかし、雨の分布は均等ではなく、総雨量は20mmから40mmで、所によって70mm以上である。温度は平均して33度から37度であり、その後下がる傾向となる。
 メコン川主流沿いの各ポイントの水位はゆっくりと変化し、例年の平均よりも0.2mから1m高くなる。
 それに従うと、ティエン川とハウ川の水位は潮の干満に従って上がる。タンチャウで一週間で最も高い水位は1.3m、チャウドックでは1.45mで、2016年の同時期よりもおよそ0.15mから0.2m高い。
 ベトナム一の米作地帯の塩害は徐々に増加する傾向にあり、週末には最も高い水準に到達する。各ポイントにおける今回の最高塩分濃度は、4月21日から30日の時期よりも高くなる。カマウ省でのみ低くなる。
 この時期の1リットル当たり1グラムの塩分になる境界(訳注:海岸から奥にどのくらい入っているか)は、ヴァムコードン川、ヴァムコータイ川で90kmから135km、クアティウ川、クアダイ川で55kmから70km、ハムルオン川で65kmから85km、ハウ川とコーチエン川で45kmから50km、カイロン川で55kmから60kmの範囲である。
 同様に、この時期の1リットル当たり4グラムの塩分になる境界は、バムコードン川、バムコータイ川においては80kmから125km、クアティウ川、クアダイ川は50kmから55km、ハムルオン川は60kmから75km、ハウ川とコーチエン川は35kmから40km、カイロン川は45kmから55kmである。

   総流量はおよそ84%になると予想される

 関係する変化として、ベトナムメコン川常任委員会事務所は、メコン川の流域上の降雨予報に基づき、水の使用状況と潮の干満予想を組み合わせてみると、タンチャウとチャウドックの2つの水量ポイントを通過するメコンデルタの総流量は例年平均の約84%となり、2016年5月の総流量に近いとしている。
 メコンデルタのフロー予測と5月の潮の干満予測に基づくと、2020年5月の塩害は減少する傾向にあるが、その水準は依然として高い。
 これによる、1リットル当たり4グラムの塩分になる境界ラインがもっとも奥まっているのはハウ川(支流のコーチェン川)、ティエン川(支流のハムルオン川)、ヴァムコータイ川で、例年の平均に比べ15kmから19km奥まり、2016年の同時期の塩害に比べて3kmから9km奥まると予測される。
 同様に、上記3支流の1リットル当たり1グラムの塩分になる境界ラインは、例年の平均に比べ20kmから23km奥で、2016年5月と比べて約8km奥まる。
 ベトナムメコン川常任委員会事務所によると、主な支流の塩害水準予測の結果に基づき、ハブとなる水利施設での5月の淡水(1リットル当たり1グラム以下の塩分濃度)採取のために水門を開く時間は、2020年4月よりも大幅に改善される。
 バムコー川水系のザックチャインとバックドンの水門だけは、まだ取水できない。


[関連記事:専門家はベトナム一の米作地帯を発展させるため塩害を「避ける」という解決策を提案した]

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:渡辺大智 )
( 記事ID:5256 )