メコンデルタの水位は10年で最低に
2020年10月08日付 VietnamPlus 紙
洪水シーズンの漁業(ビンロン省タンビン県)(写真:ズイ・クオン/ベトナム通信社)
洪水シーズンの漁業(ビンロン省タンビン県)(写真:ズイ・クオン/ベトナム通信社)

 ベトナムメコン川委員会常任事務所の代表によると、メコン川からメコン川デルタ地域に流れ込む水の水位と総水量は、2020年9月後半の段階で、依然として過去10年間で最低水準である。

 ベトナムメコン川委員会常任事務所の代表は、ここ10年間、毎年9月後半の段階のメコンデルタの水量レベルを観察しているが、2020年の水位と総水量は最低水準であると発表した。
 2020年10月初旬のタンチャウとチャウドック(アンザン省)の2つの[水文]観測所を経由するメコン川からメコン川デルタへ流れ込む水の流量は毎秒約1万6,000 立方メートルを維持すると予測されている。これら2つの観測所を通過する水の総水量は、平年平均の約68パーセントにしか達さないと予想されており、2019年の同時期と同程度である。
 この時期のタンチャウ観測所の最高水位は約2.3メートルに達し、平年の同時期の平均値より1.1メートル低く、これはレベル1の警報水準[訳者注:洪水氾濫の危険があるレベル]より約1.2メートル低い。
 2020年9月後半の水位・流量の変化について、ベトナムメコン川委員会常任事務所は、台風11号[訳者注:ベトナムでは「台風5号」と呼ばれる]の吹き返しにより、同地域の降雨量が増加したと発表した。また、それにより今年初めてメコン川下流域の総降雨量が平年の平均値に達したと伝えた。
 しかし、雨は主にタイ北東部とメコンデルタ地域に集中しており、残りの地域[の降雨量]は平年平均よりも低いままだ。

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 [タイの]チエンセーン観測所(中国から下流への流れを観察することを目的とした、国際メコン川委員会の水文観測システムの最も上流側の観測所)で観測されたデータは、水位がほとんど上昇しておらず、2019年の同時期の水位より約1メートル高いが、平年の平均より約1メートル低く、レベル1の洪水警報水位よりも約8メートル低いことを示した。
 それによると、チエンセーン観測所を通過する総水量は約29億立方メートルであり、これは平年の平均値の76パーセントに相当する。
 クラティエ観測所(カンボジア)で観測されたデータは、9月18日からの台風11号の影響により小さな洪水が発生したことで水位が急速な速さで約16 メートルの高さに達したが、その後徐々に低下し、依然としてレベル1の洪水警報より約7.5メートル低い数値を示した。 流量の増加により、2020年9月末の総水量は225億立方メートルに達したが、それでも長年の平均と比較して約53パーセントにしか達していない。
 一方、タンチャウとチャウドック(アンザン省)の2つの観測所に関しては、2020年9月末のタンチャウにおける最高水位は、依然として平年の平均より約1.2メートル低く、レベル1の洪水警報の水位よりも約1.25メートル低い。
 同じように、2020年9月後半のタンチャウとチャウドックを通過する水の総水量は減少傾向にある。平年の平均の59パーセントにしか達さず、2019年の同時期より37パーセント減少した。

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( 翻訳者:天野友亜 )
( 記事ID:5483 )