オーストラリアの学者、ベトナムは長期成長を保証する政策がある
2020年10月08日付 VietnamPlus 紙
クアンナム省ヌイタイン県チューライ開放経済区におけるチュオンハイ自動車株式会社(Thaco)の工場での組立ライン
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 スイワー・レウン准教授は、ベトナムは適切な政策を持っており、この政策は、COVID-19後の長期的な経済成長において重要な役割を果たし続けるであろうと語った。

 オーストラリア国立大学クロフォード公共政策スクール経済学名誉准教授のスイワー・レウン氏によると、他国がマイナス成長を続ける中、ベトナムは重症急性呼吸器症候群COVID-19の流行を抑え、2020年上半期国内総生産(GDP)は1.8%の成長を記録した。
 オーストラリアにおけるベトナム通信社の記者によれば、東アジアフォーラム紙上に最近掲載された記事の中で、スイワー・レウン准教授は、ベトナム人は強靱な精神力で有名であり、この徳性はCOVID-19流行の中、これまで以上に発揮されたとしている。
 世界銀行(WB)の7月の評価報告書によると、最近のベトナムの経済成長は二つの要因に依るところが大きく、輸出需要と国内消費が2020年上半期における成長を交互に支えた。
 今年の1月から4月中旬にかけ、ベトナムの輸出は前月比13%増加した。一方でこの間、社会的隔離と厳格な封鎖措置の適用により国内需要は減少した。
その後4月中旬から6月末にかけて、ベトナム経済は回復モードに入り、商品輸出が減少する一方、生産量は30%増加した。
 世界銀行の予測によると、ベトナムの成長率は、2020年は2.8%~3%となり、来年にはコロナ危機以前のレベルである6.8%に戻る。
 世界銀行の予測は、短期的な成長を支援するための政府の積極的な財政政策の適用と、6月に調印されたEUベトナム自由貿易協定(EVFTA)などの地域自由貿易協定などを通した中期的な貿易と投資の転換による継続的な利益に基づくものである。
 観光業がベトナムのGDP成長の約10%を占めるため、即時的な成長を支援するための対策の一つは往来制限の緩和である。
 ベトナムが採用したさまざまな財政措置は、特に進行中の政府開発援助(ODA)などすでに承認された公共投資のための支出増加や国のデジタルインフラへの投資といった民間部門からの戦略的支援などが含まれる。
 8月中旬、ベトナム情報通信省は、ブロックチェーンプラットフォームakaChainを立ち上げた。これによりKnow Your Customerの電子手続き、クレジットスコアリング、ロイヤリティプログラムなどの時間を大幅に節約できる。
これらのテクノロジーのセキュリティや透明性は将来的に改善されるであろう。人口が比較的若い国であるベトナムでは、遠隔学習・指導や遠隔ヘルスケアが、コロナ危機において加速している。
 フォーマルな民間部門は支援を必要としている唯一の領域である。ベトナムのインフォーマルな民間部門(観光及びその他サービス部門)は非常に大きく、COVID-19の制限緩和後、フォーマルな民間部門よりも早く回復する可能性がある。
 しかしながら、世界銀行の報告では、短期および中期的な戦略に関連するリスクとして、公的債務の増加や金融緩和対策は銀行における融資の質の低下や不良債権増加のリスクがあることを指摘している。
 したがって、世界銀行は、ベトナムが銀行や国有企業の再編や、効果的で説明責任のある公的機関の構築を通じて、改革を推進し続ける必要があると考えている。
 ベトナムのような開放度の高い経済において、また世界経済がCOVID-19の影響を強く受けている時代において、長期的成長を促進する構造改革を継続するためには、短期的回復力と政治的意思の組み合わせが必要となる。
 スイワー・レウン准教授は貿易と短期投資への転換とパンデミックのタイミングは幸運な側面もあったかもしれないが、全体としてベトナムは適切な政策を持っており、この政策はベトナムの長期的な経済成長の上で重要な役割を果たし続けると結論付けた。

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( 翻訳者:森本悠太 )
( 記事ID:5546 )