新型コロナウイルスの影響でベトナム航空は9か月で10兆7500億ドンの赤字
2020年10月13日付 VietnamPlus 紙
ベトナム航空は国内旅客輸送の51.7%のシェアーを占めている。
ベトナム航空は国内旅客輸送の51.7%のシェアーを占めている。

 2020年の9か月間、新型コロナウイルス(COVID-19)の流行で経済や市場には多くの変化があったが、ベトナム航空は国内航空業界のトップの座を維持している。
 COVID-19の発生後すぐに、その影響に対応するため、ベトナム航空は多くの強力な対策を行なった。市場規模の縮小に見合った形で生産ラインの再編成、節約の徹底、経費削減、従業員の配置転換、支払いの延期、不急の投資の停止により経営状況を維持し、貨物機の運航や帰国者や専門家のためのチャーター便の運航、古い航空機の売却などを通じて増益の機会を模索しこれを活用した。
 これらの対策によって、今年の9か月間のベトナム航空の総収益は、23兆9480億ドン(訳注:約1千億円相当)と推定されている。しかし損失は10兆7500億ドン(訳注:約480億円相当)で、このうち親会社の損失は8兆7000億ドン(訳注:約380億円相当)に上る。
 ベトナムでの2つの流行の波を受けながらも、ベトナム航空グループ(ベトナム航空、パシフィック航空、ベトナムエアサービス(VASCO)含む)は、市場の51.7%を占め、国内航空業界のトップの座にいる。
 具体的には、ベトナム航空グループは、9か月間で1190万人近くの乗客と14万6,000トンの貨物を運ぶ4万6,700本の安全なフライトを実施した。
 2020年の第2四半期と比べ、第3四半期はフライト本数の積極的な増加が確認された。しかし、旅行促進のための政府の奨励プログラムを実施する各国内航空会社が大幅に増加していること、また国際線がまだ回復していないため、ベトナム航空グループへの直接的な効果は非常に限られている。
 貨物便の増加のほか、COVID-19のコントロールが良好に行われている間に、ベトナム航空は新たに22の国内線を開通し、第2四半期の全国旅行奨励計画に対応した。
 現在、一日60以上の路線で平均300本の国内線が飛んでいる。国内線乗客は同期比で12%を超えており、回復が目立った。
 ベトナム航空グループは、帰国者の運搬や貨物便の運行などの活動を通して、国のウイルス対策事業にも積極的に足並みを揃えて行動している。ベトナム航空とパシフィック空港は8か月以上にわたり、100を超える帰国便で30以上の国から約30,800人を安全に帰国させ、2,600を超える貨物便を飛ばした。
 2020年第4四半期に入ると、政府の迅速で効果的なウイルス対策のおかげで、ベトナム航空の運行活動には前向きな変化があった。国内市場は回復の方向、国際便のいくつかは緊密なウイルス対策のもと再開される。
 同グループは、ウイルス対策と乗客のフライトのニーズを満たすことを最優先事項として、適切なフライトネットワーク回復計画を講じるべく、引き続きCOVID-19の状況をしっかりとフォローし、市場の動向を把握する。
 厳しい財政状態にあって活動を維持するため、同社は従業員の配置転換、節約の徹底、経費削減、負債の値下げや延期の交渉、短期ローンの利用、国へ支援策の提案を通してコスト管理に取り組む。

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( 翻訳者:伊藤千恵美 )
( 記事ID:5554 )