ズオン・チュン・クオック議員:「信頼は押し付けからは生まれない」
2020年10月22日付 VietnamPlus 紙
10月22日午前の国会の傍らでのズオン・チュン・クオック議員
10月22日午前の国会の傍らでのズオン・チュン・クオック議員

 歌手トゥイ・ティエンが個人として立ち上がり共に手を組み中部の住民を助けるようコミュニティに呼びかけた背後には、1000億ドン以上という数字ではなく、信頼の話が存在していた。

 1000億ドン以上とは、歌手トゥイ・ティエンが中部の人々への支援のために篤志家らに呼びかけて得られた数字である。彼女はハリケーン、台風、洪水の影響を背負わなければならない住民の中で自ら駆け回った。そして他にも非常に多くの人々が途上についた。
 素晴らしい行動は社会の中の個人からもたらされるものであり、誰かに代わってするわけでも、何かのためでもない。ではなぜ一個人が立ち上がり呼びかけたことにコミュニティがすぐさま呼応したのか?
 その背後にあるのは、どれくらいのお金やどれくらいの贈り物が、最も困難なタイミングで適切な場所、適切な住民の手に届けられるかではなく、信頼のストーリーなのである!
 この問題について、ズオン・チュン・クオック議員が 10月22日午前、第14期第10回国会の傍らで意見交換を行った。クオック議員は「住民の信頼が前向きなかたちで生かされるための制度を作らなければならない」と述べた。政府議定第64号(64/2008/NĐ-CP)(自然災害、火災、重大な事故による困難を乗り越える住民を援助するための自発的な寄付を使用した、活動、受け取り、分配について)はトゥイ・ティエン歌手の場合のような個人が、活動したり支援金と救援物資を受け取れるようには規定していない。

 −クオック議員からすると、なぜコミュニティはトゥイ・ティエン歌手一個人に対してそのように呼応して多額のお金を寄付したのでしょうか?
◆ズオン・チュン・クオック議員:国家管理面に関しては、政府議定第64号は公平で正確な分配を保障しているため完全に正しいです。
 しかし残念なことに、助けが必要な人が彼らが必要としている適切なものを得られなかったいくつかのケースがあった後、多くの人々が信頼を低下させました。名士や有名な組織によるものですら、多くの支援便が悪用されています... それこそが根本的な原因です。
 私が考えるに、押し付けはしてはいけません。なぜなら、信頼は押し付けから生まれることはできず、自発的に生まれるものだからです。私はトゥイ・ティエンさんが支援に行った話を取り上げて、これを証明します。彼女は誰もがはっきりと感じるほど熱心であり、多くのリスクに遭う可能性を知っていながら必死に駆け回りました。篤志家や人々は彼女にお金を送り、そして何より彼女は贈り物を住民に手渡してくれるだろうという信頼を彼女に寄せました。そのため、この場合彼女は正しく責任を果たし、誰にも任せることができませんでした。
したがって、私たちは活動、支援の受け取りと分配における信頼を保障し、透明性を保障するための制度、慈善活動に行った人々が彼らの仕事を最大限に発揮できるようサポートする制度を持たなければなりません。

 −個人的な見解では、クオック議員は社会の有名人が、コミュニティの支援を呼びかけ、慈善事業を行うことについてどのように受け止めていますか?
 ズオン・チュン・クオック議員:これは彼らの権利だと私は考えます。問題は国家がどのように監督するかです。もし誰かが悪用したら、私たちには他人の苦しみに乗じて欺く人を処罰する制度がありますが、同時に社会に貢献する能力や条件がある人を奨励する必要もあります。問題は、彼らが援助やボランティアをどのように行うかなのです。
 トゥイ・ティエンさんのような親切な人々について、私は効果的にサポートを行う人々がいることを大変願っていますが、彼女に寄付をした人々のニーズに応えなければなりません。国側もこのことに関心を持つ必要があると思います。

 −議員がおっしゃったように、私たちには各支援活動を取りまとめるための規則があります。議員のお考えでは、多くの個人がそのような支援ボランティアに参加することは、奨励すべきことですか?
◆ズオン・チュン・クオック議員:私は「健全な葉が破れた葉を包む(経済的に余裕のある人が困っている人を助ける)」という考えは民族の良い伝統になっており、特にどんな出来事でも国民の役割があるということは成功だと思います。私たちの戦争も、国民のおかげで勝利したのではないですか?
 それなのに、なぜ私たちは住民が参加する話を良いことだと思わないのでしょうか。問題は、もし巧みに組織化されているならば、その良き心は具体的な効果を伴って応じられるということです。なぜなら私も、故意に欺く者や欲にまみれた者によるだけでなく、良き心が悪用される場合は少なくないと感じるからです。
 そのような人々がいて、彼らがより多くの支援金に近づける環境であればあるほど、すべてを把握するのは難しいのです。それゆえ、地方政府の役割は大変重要ですが、地方政府は住民の信頼を得なくてはならず、積極的に人々を集め組織化しなければなりません。
 私たちには各社会組織と各政治組織の一大システムがありますから、最初からこれを発揮する必要があります。成功への解決策の一つは、すぐに、現場で行う、つまり住民自身が助け合うことなのです。
 したがって、住民の助け合いは私が考えるに最も重要なことです。社会道理に基づいた助け合いはその一つですが、より重要なのは国家の制度が住民にとって最も利便な状況を造り出す必要があるということです。

−お話していただきありがとうございました。


 政府議定第64号の規則によると、支援金・救援物資の受け取りと分配ができる組織・単位グループは3つだけある。すなわち、
1.ベトナム祖国戦線中央委員会;ベトナム赤十字会;中央、地方の新聞、テ
 レビ・ラジオ局;地方の各級のベトナム祖国戦線委員会と赤十字会
2.規則に沿って設立され活動する各社会基金、慈善基金
3.ベトナム祖国戦線中央委員会に認可された中央での組織・単位、省・県レ
 ベルのベトナム祖国戦線委員会によって認可された地方での組織・単位。
 また第5条によって、政府は強調している。:上記で挙げた組織・単位を除いて、どの組織・単位・個人も支援金や救援物資を受け取る権利はない。
 それと共に、財政省の通達第72号/2008も政府議定第64号に比べてより厳格な制限の付け加えを定めている。この通達によると、新聞とテレビ・ラジオ局は国内外の各組織と個人の支援金と救援物資を受け取ることができるだけで、支援金と救援物資の分配はできない(特定の住所の貧困な重症患者のための直接の支援金は除く)。 

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( 翻訳者:向井千景 )
( 記事ID:5564 )