海外のベトナム人労働者保護の効果を向上させる
2020年10月24日付 VietnamPlus 紙
従業員と一緒のレ・ティー・ホアさん(2列目左から2番目)
従業員と一緒のレ・ティー・ホアさん(2列目左から2番目)

 ベトナムは、海外派遣労働者に関する法体系の整備や改善などの諸対策を行い、この分野を管理する法制度を作る必要がある。

 国会は現在、契約によるベトナム人労働者海外派遣法(改正)草案の審議をしており、2020年10月中に通過する予定である。これは、契約によるベトナム人労働者海外派遣法施行時における様々な問題、不備を解決する事を目的としている。
 この改正法の審議は国会議員だけでなく、全国の有権者、特に海外に直接もしくは間接的に労働者を派遣している個人や機関、組織の関心を集めており、その中には多くの労働者がいる。
 この法案の精神は、海外におけるベトナム人労働者に関し、とりわけ法施行後13年あまりに亘ってベトナム人労働者を海外へ派遣する中で発生した様々な問題に対処し解決することである。第4次産業革命の影響および移住、国際労働力移動の管理問題を背景に、契約によるベトナム人労働者海外派遣事業実施から生じる新たな問題を調整する。

   海外におけるベトナム人労働者保護において国会が設定した目標を確実
   に達成

 国会の社会問題常任委員会副委員長ブイ・シー・ロイ博士は、国会の社会問題に関する委員会は現在、国会議員や国会の代表団、専門家、関連機関の意見聴取を集中して行っており、国会に議案を提出し第10会期にて通過する前に法案の質を上げようとしていると述べた。
 その一方で、国会は監視機能を強化し、不適切な実施組織を適宜発見し政府に問題提起し、ベトナム人労働者の海外派遣を効果的に行い、掲げた目標を達成できるようにしなければならない。
 ブイ・シー・ロイ氏は、法律は重要であるが、より重要なのは実施展開の組織であり、その展開は政府、各省庁、業界によって行われるとした。
 政府や政府機関の適切な実施を望むのであれば、人々に選ばれた機関である国会の監視役割は極めて重要である。
 国会の社会問題に関する委員会は、ベトナム人労働者がいる各国において監視を設置する方向で考えており、ベトナム人労働者問題の実状や本質を把握し、そこから政策を調整し労働者の合法的な権利や利益を保証する。
 検査監視の効果を高めるためには、選挙で選ばれた機関の機能を国会議員のみに限定せず、省、県そして社レベルの人民評議会の代表も加わる必要がある
 一方で、メディアによる広報もさらに強化して、人々が国家の様々な法政策について充分に理解する必要がある。
 さらに、国会は各ルートを通じて有権者や質疑活動に関わり、海外にいる労働者の保護問題に関連する質問に答え、契約によるベトナム人労働者海外派遣法案(改正)が議会を通過し施行された時の監視業務を強化する。

   市場を拡大し続け、外国人労働者の職種を多様化する

 労働・傷病兵・社会福祉省外国労働管理局長のトン・ハイ・ナム氏は、今後は、ベトナム人労働者に重点を置いて、安定性の維持、シェアや職種の拡大をして伝統市場へのベトナム人労働者の派遣に引き続き注力しながら、並行して新規市場や新たな職種を開拓し、とりわけ専門技術を持つ労働者の求人需要のある職種を展開していくと述べた。

[関連記事:外国で働く―多くのベトナム人労働者にとって人生を変えるチャンス]

 毎年12万~15万人のベトナム人労働者を海外へ派遣し、相応な収入があり、安全で労働条件のよい市場や仕事に集中させて、同時にそれを通して労働者は見識や職業技能レベル、外国語を向上させ帰国後、ふさわしい仕事や相応する収入を得て、国の社会経済の発展に貢献することができるようにする。
 トン・ハイ・ナム氏は上で述べた目標を実現するために、ベトナムは諸対策を講じなければならないと述べた。それは、この分野の管理における法体系を作るために、海外就労者に関する法体系を構築し改善することや、有利な条件を作る政策を公布して企業および海外で就労する労働者を支援するといったことである。
 国際協調を進めながら伝統的な海外労働市場の安定と発展を促し、また労働条件がよく、安全で労働者に高収入をもたらす労働市場の開拓を重視する。労働者に発生する問題を適宜支援し、解決する。
 管轄機関が足並み揃えて海外派遣労働者に関する法律や政策の制定の実施を適切に展開し、中央、地方、企業で連携する。
 通信広報を強化し、海外派遣労働者分野に関する政策や法律、情報を広く普及させ、人々と社会の認識を高めると同時にそれを通してこの分野における詐欺や法律違反を防止、制御する。

   海外のベトナム人労働者は国家の発展において役割を発揮

 日本の松田畜産会社での3年の労働契約が完了したばかりのレー・ティ・ホアさん(30歳、フンイェン出身)は商業大学を卒業したのち、日本市場で働くことを選んだ。
 ホアさんは、日本は労働環境がよく、収入が高いだけでなく、帰国後に日本で学んだこと、特に外国語を仕事に生かすこともでき、そのため帰国後の賃金も国内で働いていた知り合いと比べて高いと話した。
 ホアさんは、契約によるベトム人労働者海外派遣法(改正)が通過したら、彼女のような高い技能を持つ労働者は、外国で働くより多くのチャンスを得られるようになり、同時に、より手厚く保護され、自身や家族のためにお金を稼ぐだけでなく、海外で学んだ知識を持ち帰り国の発展に貢献することができるようになるだろうと述べる。
 ベトナム人労働者を海外へ派遣する機関の役割においては、C.E.Oサービス発展株式会社のドアン・ヴァン・ミン社長は、契約によるベトナム人労働者海外派遣法(改正)が通過され施行されれば、本法実践における問題や不十分な点を解決し、最近新たに公布された関連法と足並みが揃うであろうと期待している。
 特に、企業にとって実施しやすいより詳細な法体系ができれば、企業の競争が健全で透明性のあるものになり、ベトナム人労働者を受け入れる市場を維持および拡大して、ベトナム人労働者の質と地位を向上させることができる。
 契約によるベトナム人労働者海外派遣法(改正)は、新たに発生した労働問題、特に海外におけるベトナム人労働者保護における効果向上に対応し解決すること、特に労働者が安全で高収入な労働市場から受け入れられるだけでなく、帰国後、国の社会経済の発展に寄与することが期待されている。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:乙川巧磨、須藤遼 )
( 記事ID:5576 )