国際組織、教育に関して2つのことを調整するようベトナムに勧告
2020年12月02日付 VietnamPlus 紙
教師を前にした際の批判的精神、独立性、自信がベトナム教育の弱み。
教師を前にした際の批判的精神、独立性、自信がベトナム教育の弱み。

 ベトナム教育は高く評価されているが、国際組織がベトナムに勧告することが2点ある。1点目は実学、2点目は批判だ。
 これは12月1日にハノイで開催された、2016年から2020年の全国の代表的な学習モデル表彰大会でヴー・ドゥック・ダム副首相により共有された。

   学校内外の調整協力

 小学校における読む力・書く力・計算力に関して、ベトナム教育の成果が東南アジア6か国(ベトナム、ラオス、カンボジア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン)の中で1番だと世界的に認められたとヴー・ドゥック・ダム副首相が述べた。2018年の中学校PISA評価の結果では、参加した79か国の中でベトナムの学生は読解力で13位、計算力で24位、科学で4位だった。
 副首相によると、ベトナム教育は多くの点で世界的に高評価を得ている。しかし国際機関が勧告し、党中央委員会の第29号決議に基づいて教育訓練省が教育の全面的抜本的刷新プログラムに組み込んだ点が2点ある。
 一点目は実学だ。東アジア諸国の、とりわけベトナムにおける科挙制度の伝統は非常に貴重だが、変化しなければ学歴主義になってしまうだろう。そのため学校内外の教育は、学歴が必要ない将来に向けた基盤を作るため、生活で最も必要なことを学ぶものにレベルアップしなければならない。
 第二に、東アジアの人の大きな長所は向学心があり、我慢強く、幼いころから学習のプレッシャーに耐えているところだが、改善するべきは師を敬い道を尊ぶ[尊師重道]の思想だ。幼少期から一方通行の教育を受けているため、理解していないときに敢えて質問をしたり、敢えて自分の意見を表明することはない。
 この点に関して党中央委員会の第29号決議に基づいた教育の全面的抜本的刷新プログラムの中で、教育訓練省は一方通行の教育から、生徒と教師の意見交換があり生徒の能力を生かす教育へと変えた。
 しかし、上記の修正を行うのに、学校外の教育活動の中に一歩先を進む条件があるだろうとヴー・ドゥック・ダム副首相は考えている。学習奨励運動[勧学勧才運動]は補助的な活動であるだけではなく、実際は、学校内の教育と不可分な関係がある一部分のようである。

   世界に逆行しない

 学外の学習奨励活動の努力を認め表彰したヴー・ドゥック・ダム副首相は以下のコメントをシェアした。「国際組織と会い、ベトナム勧学会のメンバーが2100万人を超え、農村部の隅々にまで広がっていると伝える際、非常に誇らしく思いました。夕方、いくつかの場所では現在も依然として[始業の]鐘の音や太鼓の音が響きます。大人が子供をせき立てて学習机のところに着席させます。これを聞いた国際機関の専門家は皆、それは国の幸福だと言います」。
 親自身、子供の学習を助けるよう求められているので、学生は下校し帰宅すると親を見てすぐに学習について考える。そのような国は他にないとヴー・ドゥック・ダム副首相は述べた。

 [関連記事:小学校教育の結果に関してベトナムが東南アジア6か国の中で首位に立つ]

 「必要な調整を行わなければ、子供に学習の強いストレスをかけ遊びの時間を奪ってしまうので世界[の傾向]には符合しません。しかし、このように片方の一面のみを見るべきではありません。なぜならすべての各国際機関が、学校に行くとき必要なプレッシャーを子どもに与えるのは良いとみているからです。ベトナムの保護者は自らを家の中の先生と捉えており、もし量と方法に関して適切なガイドラインがあれば、これはベトナム教育の利点と言えるでしょう」と副首相は述べた。
 知識教育の傍ら、教育訓練省と共に生徒・児童が一人前の大人になれるようにする教育により力を入れるために、学外教育でも道徳教育、労働教育を重視するべきだと副首相は言う。
 例えば以前、生徒は教室の清掃をしなければならず、労働に参加までしなければならなかったが、その後、この活動は重視されなくなった。特に都市部の生徒は掃除にも労働にも参加していなかったため、多くの教育施設が新しくて広々としているが清潔ではない状況をまねいた。教育の全面的抜本的刷新プログラムに関する第29号決議が施行されてからは、教育部門は教室の掃除、労働、集団生活に力を入れるといった多くの事柄を刷新する努力を行った。しかし保護者の多くは子供を愛する部分があり、まだそれを支持していない。
 それに基づいて副首相は、この問題について教育部門と全国民の支持を望むと述べた。「誰もが暗記しているホーおじさんが教えた5つの事柄の中で、ホーおじさんは労働の喜びを知らなくてはならないと明示していた」と副首相は締めくくった。

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( 翻訳者:伊藤千恵美 )
( 記事ID:5668 )