軍評議会のクーデターにより、民間人20万人以上が国内避難民に
2021年04月26日付 その他 - イラワジ 紙


軍によるクーデター後の3か月の間に、各州、管区において市民20万人以上が家から逃げ出し避難していることが、国連国際移住機関(International Organization for Migration : IOM))と国連人権理事会 ミャンマーの人権状況に関する特別報告者により発表されたリストのデータからわかった。

ミャンマーの人権状況に関する特別報告者トーマス・アンドリュー氏(Mr. Tom Andrew)は、「ミャンマー軍評議会の攻撃により約25万人が住み慣れた家を後にし、避難を余儀なくされているとわかり、大変な衝撃を受けた。これほど過酷で人道援助が必要な避難民に対し、国際社会は直ちに対応し、解決にのりださなければならない」と述べた。

IOMは4月19日に発表したリストにおいて、ミャンマー国内で家を離れ避難している人は、ヤンゴン管区内で10万人以上、バゴー管区でも10万人以上、カレン州では3万1千人以上、マグェ管区では3000人以上、カチン州では1700人以上、チン州では200人以上いることが明らかになっている。

ヤンゴン、バゴー、マグェ管区とチン州では、家を後にし、避難している人々は軍事独裁制に反対したために、軍と警察に追われ、逮捕される恐れがあり、家族の身の安全が確保できないので避難している。

カレン州とカチン州で住処を離れて避難している人々は、国軍と地元少数民族武装勢力との間の戦闘発生により避難している。

カレン州を拠点とするカレン民族同盟(KNU)は、2015年10月、全土停戦合意(NCA)に署名しているが、国軍が文民政府[の指導者達]を拘束し、全権を掌握したことが受け入れられないため、国軍の前線基地への攻撃を2月から開始している。

カレン州パープン県とバゴー管区内で、KNU軍が国軍を攻撃したので、国軍は戦闘機を用いて民間人の村々を標的に爆撃したため、人々が避難しているものである。

カチン州においても、カチン独立軍(KIA)は、国軍が民衆を殺害している暴挙を受け入れらないとして、3月11日から、インジャンヤン、ワインモー、バンモー、シュエグー、モーマウッ、タナイン、ナンマティ、パーカン郡などで攻撃を開始、国軍も戦闘機で爆撃を行っている。

国軍とKIAの戦闘により、モーマウ郡から逃げ出した避難民は1500人以上になり、インジンヤン郡において、ジャングルに逃げ込んでいる避難民が900人以上いる。

IOMのリストにある24000人余りは、3月14日から4月16日までの間に、家から逃げ避難した人のリストで、そこには含まれていない他の土地の避難民もいる。

ザガイン管区タンセー郡とカレー郡にも、軍事独裁制に反対する人々を、国軍が銃撃して制圧、家宅捜査に来て拘束、虐待を受ける等を恐れ、逃げ出している人々がいるが、IMOは詳細が把握できておらず、リストでは明らかになっていない。

ザガイン管区内の軍事独裁制反対運動をしている青年らに対し、本誌が調査した結果によれば、カレー市とタンセー市で軍政への抗議活動を行った青年とその家族、国軍が地区内に軍を駐屯させているため避難している人の数は合計1000人以上になることが分かった。

カレー市から避難している青年の一人は「4月7日にターハンのバリケードが破壊されたとき、すでに逃げ出した青年は200名以上にのぼる。これは核となってデモをした人を含むが、一部は家族も一緒に避難している数だ」と話した。

本誌が収集したリストによれば、国軍がクーデターを起こした2月中に避難している人の数は1000人余りであった。

それらの人々は、2020年総選挙で勝利している国民民主連盟(NLD)の連邦議会代議員390人余りとその家族、各州と管区のNLD議会代議員250人余りとその家族、州と管区のそれぞれにおいて、軍事独裁反対運動をした政治活動家とNLDの党員、軍事独裁政権のもとで仕事をボイコットするCDM(市民不服従運動)を行っている各部門の公務員、通信社各々のジャーナリスト達であった。

国内の少数民族武装組織の土地や国境へ避難している国民は、それぞれの地元に戻るよう、軍評議会は毎日、新聞とテレビで告知している。

犯罪を犯した者を除くすべての人々は帰還することができると軍評議会は呼びかけている。

しかしながら、軍評議会の支配下にある部隊が、各州と管区内の諸地区に駐留しているままであり、民主主義を要求している人々、軍事独裁制の打倒のために活動している人々を血眼になって探し出し逮捕するということが今なお続いている。

それだけでなく、SNSで軍事独裁反対の文言を書いて拡散している人、軍事独裁制政権下での仕事を拒否するCDMの参加者を、一般国民の利益を損なわせる「刑法505条(a)項」により告訴するということも依然続いている。

2月1日から今日まで、軍が拘束した人の数は3000人以上に上り、銃撃により殺害された人の数は700人を超えている。

Irrawaddy 2021/4/22

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( 翻訳者:ビルマ語メディア翻訳班(HM) )
( 記事ID:5863 )