日を追って人権を失っているカレンニーの人々の生活
2022年02月16日付 その他 - カンターラワディタイムズ 紙
2月13日ディーモーソー郡パードードゥー村に向け軍評議会の軍が重火器で攻撃したため住宅が崩壊した様子(写真‐CJ)
2月13日ディーモーソー郡パードードゥー村に向け軍評議会の軍が重火器で攻撃したため住宅が崩壊した様子(写真‐CJ)

 テロリスト軍評議会の軍が武器を持たない民間人を狙って攻撃していることについて、人々は継続して一層の苦しみを感じていることを「世界に知らしめるように」というカレンニー人権団体の報告を出した。
 国民の財産、所有物を破壊し、さまざまな圧力を加え、重火器、小型武器で心の赴くままあてずっぽうに銃撃し、強制的に移動させ、逮捕抑圧するということは、軍の権力者が常に使用するやり方であると、先の報告書に書かれている。
 カレンニー人権団体のディレクターであるウー・バニャーは「国民が暮らす地区やキャンプを意図的に軍評議会が重火器あるいは飛行機、ドローンを使って攻撃することが続いている。2月中でさえ6回も続いている。1日おきに重火器で人々がいる地区に向け攻撃する。二つの方面にいる人たちを守らなければならないというのを知っていながら、人がいる村に向けて攻撃するのだ」と述べた。
 2月第一週の間でさえ、最初に攻撃された場所はディーモーソー郡の避難民が暮らすナウンパレー村落区であった。戦闘にはならなかったが、2月4日には軍評議会の軍による重火器での攻撃を受け、地元民4人が負傷した。
 二回目に攻撃された場所はディーモーソー郡の東側にある村々で、軍評議会の軍により2月7日夜6時頃重火器4つで攻撃されたため、人々は夜のうちに再度避難しなければならなかった。
 三番目はディーモーソー郡ミャレー村落区側で、軍評議会の軍が2月10日早朝3時過ぎから重火器を5発発射し、一人負傷し教会1か所が破壊された。
 四回目は2月13日にディーモーソー郡パードードゥー村の住民が葬儀を行っているときに軍評議会の軍がドローンで偵察を行い重火器で攻撃した。負傷者はいなかったが、住宅3軒で物品の損傷を受けた。
 「意図的に攻撃していると私たちは考えている。戦闘が起きたから撃ったというのなら、意図的に撃ったとは言えない。今は戦闘にもなっていないのだから、人々がいるところ、避難民がいるところを意図的に撃っているとだけ私は考える」とある住民が述べた。
 そのほか、軍評議会はこれと同時期に、住宅5軒にもわざと放火して損害を与えた。軍評議会は、2月13日、ディーモーソー郡グエタウン村落区アウンチャンダー村で住宅3軒、2月10日にロイコー郡パダーニェー村で住宅2軒に放火し損害を与えた。
 2月11日には、ロイコー郡モデル村落3マイルのパチェー村の近くで、夕方まで戦闘になり、軍評議会の軍が住宅に放火しさらに罪のない住民2人に火をつけ殺害した。よって、2022年の最初の月の間に、民間人の死者が33人にのぼったと、カレンニー人権団体の統計により知ることができた。
 「殺害においては、逮捕し拷問しての殺害が割合ではより高くなってきている。それは、とても心配すべき人権侵害である。なぜならば、人は理由なしであっても(訳者注:原文ママ)何時であっても、拷問を受けることがあってはならない。これは絶対に免れるべき基本的人権である」とカレンニー人権団体のディレクターであるウー・バニャーが述べた。
 加えて、1月中に地元民による国民防衛部隊と軍評議会の軍の代打で発生した戦闘で、空軍を使った攻撃が35回あり、放火が5回、住宅や農産物倉庫への被害が36軒以上あるとKarenni’s Voiceが2月5日に発表している。
 内戦において、民間人の建物と軍事目標でない建物を空路から攻撃するのは、国際人道法に違反している。そのほか、軍評議会を支援している中国、ロシアなどの国も犯罪に加わり法律に違反しているとカレンニー人権団体が「世界に知らしめるように」という報告書で明らかにしている。
 軍評議会の軍は地元民による国民防衛部隊のみを目標にしているのではない。避難民キャンプまでをも目標にし、攻撃してきている。
 1月中旬ごろ、パルーソー郡イーキーブー避難民キャンプとディーモーソー郡ナンメーコン避難民キャンプを戦闘機で爆撃したので、幼い子供と民間人4人が亡くなった。
 このように民間人に対して目標を定め攻撃してくるため、ディーモーソー郡内88村、パルーソー郡内45村、ロイコー郡内1村、シャートー郡内13村、メーセ郡内2村、パーサウン郡内1村、ペーコン(シャン・カヤー州境一帯)46村の村人たちが避難のため移動しなければならないことが「世界に知らしめるように」という報告書に含まれている。
 現在のように、戦争の被害によりカレンニー(カヤー)州の12万人ほどが山間部に隠れて避難しており、シャン州南部に避難した人が3万人前後、ほかの州や管区に避難した人が2万人前後いるという。
 カレンニー市民社会ネットワークが発表している統計によれば、クーデター後1年間で、カヤー州の民間人死者は212人であり、268人が逮捕されている。そのほか、キリスト教会を含む住宅392棟が被害を受けていることが2022年2月2日に発表されている。
 2021年2月から軍評議会の軍がカレンニー(カヤー)州で行っている人権侵害の状況はほかの州や管区に比べて一層悪い状況にある。
 
カンタラワディ・タイムズ 2022年2月16日

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( 翻訳者:ビルマ語メディア翻訳班(SA) )
( 記事ID:6276 )