戦闘が発生しているディモソーにおいてオミクロン感染が増加
2022年03月17日付 その他 - ミャンマーナウ 紙
ディモソー郡のある村落においてスプリンググループのCovidセンターの責任者が今月、医療サービスを提供しているところ(写真:スプリンググループのフェイスブックページ)
ディモソー郡のある村落においてスプリンググループのCovidセンターの責任者が今月、医療サービスを提供しているところ(写真:スプリンググループのフェイスブックページ)

避難民キャンプを含む村落においてオミクロン感染の兆候がみつかってから1か月以上になることを一部地元組織が述べた。
*************

軍評議会が激しく攻撃しているカヤー州内の避難民キャンプと村落において、新型コロナウィルス感染症の変異株のひとつであるオミクロン株の感染が増加している。
 攻撃が続いているディモソー郡内の避難民キャンプと村落において、オミクロン株の感染の兆候が初めて見られたのは1か月以上前であったことを、一部の地元組織が述べた。
 感染力の強いオミクロンは南アフリカではじめて発見され、5株目の新型コロナウィルス変異株として世界保健機関(WHO)が昨年11月に発表した。
 ミャンマーにおいてオミクロン株が初めて見つかったことを軍評議会保健省が12月28日に発表した。
 新型コロナウィルス感染症第4波において、2月初旬から毎日の感染率(オミクロン含む)が高くなっていったが3月初めには下がってきたことを、軍評議会保健省が今月9日の事業協議会合で述べた。
 クーデター後に保健省大臣となったドクター・テッカインウィン教授は国民民主連盟(NLD)政権時に保健省の局長の一人であった。
 保健省の発表によれば、感染が明らかになっている者は毎日500人ほどである。
 軍の権力掌握による悪影響と全国で発生している武力闘争のため、医薬品と医療提供が困難なカヤー州のような地域において、新型コロナウィルス感染拡大は通常より多くなっている可能性がある。
 現在、村落のほか、戦闘のために避難している人々がいるキャンプにおいても、人数の約半分がオミクロンに感染していると、ディモソー郡内で医療提供をしているスプリンググループのCovidセンター責任者が述べた。
 「困難なのは、私たちは検査キットで検査しないので、どのくらい検査を実施し、どのくらいが陽性と判明したかということを話すことができないのだ」とこの責任者はミャンマーナウに述べた。
 季節性インフルエンザが通常発生しない時期なので、約3日の高熱、咳、のどの痛み、などの症状によってオミクロンと認定しているとも同責任者が述べた。
 「検査キットは高額だ。現状では輸送も困難だ。交通網が止まってしまった。それから今述べたお金、基金、予算がないのでそれほどたくさん私たちは検査できない」と昨年開設されたCovidセンターの責任者が述べた。
 カヤー州の州境、シャン州南部のモービエ市では2月中旬に初めて戦闘が開始されたとき以降、交通網が遮断され、新型コロナウィルス検査キットを含む医薬品を全く購入できなくなったことを、カレンニー地域戦争避難民支援ネットワークのある責任者が述べた。
 「モービエで戦闘が始まる前には購入することができた。モービエで戦闘となった後、何も買うことができないのだ。今は咳止めとバイオジェシック(翻訳者注:解熱鎮痛剤の商品名)、パラ(翻訳者注:パラセタモール、解熱鎮痛剤)、そのくらいしかない」と同氏が述べた。
 軍評議会がカヤー州を再度攻撃してきたところ、2月から現在まで上空からの爆撃のほか民間人に対するものを含めて、さまざまな重火器を使って攻撃している。
 9万人近くの人口がいるディモソー郡において約7万人が戦闘のために安全な場所に避難しなければならなかったとカレンニー州民間団体ネットワークが先月発表している。
 ディモソー郡において避難民キャンプは15か所あり、各キャンプに500人から600人暮らしていること、ほかの地元住民は山岳地帯にとりあえずの状態で逃げており、カヤー州に接しているシャン州ペーコン郡西部カヤン地区に避難している人もいるとネットワークの責任者が述べた。
 軍評議会の攻撃により、再度避難しなければならなくなった人がおり、避難する場所があまりなくなってきていると、クーデター後にカレンニー州と多くが呼ぶようになってきている(翻訳者注:カヤー州を指す。カレンニー州は時によってシャン州との州境地域をも含めた呼称として使われる)ミャンマーの最小の州の地元民が述べた。
 ディモソー郡のほぼ全域で戦闘被害を受けているので、通行がより困難な郡西部にある一部の村と東部の少数の村ではそこにとどまっていなければならない。ディモソー郡には約150の村落があるとわかった。
 今月初旬に、ディモソー郡にあるドーポークー避難民キャンプからパルーソー郡へ移動した女性は、そのキャンプで鼻水や咳の症状がある人が多かったが新型コロナウィルス感染症とは思わないと述べた。
 「私たちのほうでは(感染症を)検査することはない。時々、関係者と連携が取れれば彼らが見に来てくれる。今、私たちが到着して2週間だ。医療面では1回だけ関係者が来た。その時にはパラ(解熱鎮痛剤)やらそういったものだけを持ってきていた」とその女性が述べた。
 はるか遠くにいる寄付者のところから食糧が到着しないことも述べた。「かなり遠いのだ。気持ちもわかる。寄付者も医療関係者も時に来ることが難しい。」
 ドーポークー避難民キャンプの近くでは今月初旬に重火器での攻撃があったので、2000人以上の避難民が散り散りになった。軍評議会は、宗教的建築物と避難民キャンプを含めて重火器で攻撃し、爆弾を落とすということをしばしば行っている。
 カヤー州では、軍評議会の行為で民間人221人が死亡し、住宅649戸、宗教的建築物10軒が破壊されたことをProgressive Karenni People Force (PKPF)が今月初旬に発表した。
 オミクロン感染者が多いが、病気がそれほど強くなく死者もいないので、発熱した人たちを自宅に置き薬を飲むようにとだけ指示してあるとスプリンググループのCovidセンターの責任者が述べた。
 「戦争避難民は今、全員が移動して来なければならなかったため、感染率はより高い。ある場所から別の場所へと常に移動しなければならなかったので私たちが管理することはできない」と同氏が述べた。
 郡のメインの市であるロイコーでは、戦闘が落ち着いた2月初旬から新型コロナウィルス感染者が20人以上いたところから約7人となっていることを、安全のため匿名希望のある地元ボランティア団体から知ることができた。
 「治安の関係で検査しにいくことができない場所もある。統計は詳細を知ることができない。大体のところ、ロイコー市内の統計(上の数値)程度だけ私たちは知ることができる」と同ボランティア団体の責任者が述べた。
 郡保健局が調査したところでも、入院患者と一部の手術患者のみがコロナの検査をしており、陽性の患者をロイコー市にある家政学校に5日間隔離しているとのことである。
 「医者や看護師の数も十分ではない。新型コロナウィルスに関連して緊急で何か発生したら電話でのみ指示してやっている。どうしなければいけないかということを。夜間も安全上出向くことができない。夜が明けてから病院に送っていくしかない。」

エスタージェー/2022年3月17日 ミャンマーナウ

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:ビルマ語メディア翻訳班(SA) )
( 記事ID:6286 )