汚職の温床となっている身分証明書発行
2022年03月23日付 その他 - イラワジ 紙


 権力を掌握した軍評議会の管理下にある入国管理人口省が、パンギン計画によって住民票、国民登録証(身分証明書)を作成する際に、規定された料金より多い額を徴収することがあるということがわかった。
 部局が規定している正式な書類にかかる料金は数千チャットの単位でしかないが、実際に関連の役所に行って手続きをすると、お金を多く支払って初めて手続きがスムーズに終了すると、マンダレー市に住む、この状況を自ら経験したことのある人々がイラワジに述べた。
 アマラプラ郡に住む人は「この計画で現地まで来てやってくれた時は、これまで全く手続きをしていない新しいものだけを優先していたのだ。住民票や国民登録証が破損し(て交換が必要となっ)たものは扱ってくれない。それについては役所に出向いて手続するようにとだけ言った。入国管理局に出向いて手続をしても、理解できないところを理解できるよう説明してくれず、怒鳴られた。彼らにお金を渡してやってもらえば簡単に終わった。今の状況は、入国管理局にとってうまく稼げるいい機会のようなことになっている」と述べた。
 先に述べたパンギン計画による国民登録証発行は、軍がクーデターを起こした後2021年5月3日から開始し、2022年11月3日まで全国で毎日行っていくことを発表している。
 軍評議会管理下の入国管理人口省の発表によれば、パンギン計画期間中、国民登録証を340万枚以上発行することができるよう準備し行っていることがわかった。
 チャンミャターズィー区の住民は「パンギン計画で国民登録証を発行しているというので、私の紛失した登録証の手続をしに行った。規定の書類をすべてそろえるため自分自身で全部準備したにもかかわらず、彼らがお金を要求したので払わなければならなかった。入国管理局が規定している書類はそろっているので、即日、急ぎでほしい場合4万チャット払わなければならないと要求してきた。お金を払わないと2週間待たなければならないという。だから急ぎでほしかったので支払ってきた」と説明した。
 入国管理局としては以前からもそのような計画(翻訳者注:選挙などの前に登録証発行を集中して実施するための計画)で発行していること、計画であれ通常の場合であれ、規定の金額以外に余分な金額を支払わなくていいこと、ブローカーを通して手続きをした場合は、ブローカーが要求した通り(局の規定以上)支払うことはあり得ること、をチャンミャターズィー区に住む元入国管理局区支部長の一人が述べた。
 金銭の支払い要求に自身が遭遇したという人は「私の娘の出生を住民票に追加してもらいに行ったとき、10歳を過ぎているからといって5人委員会が(金銭を)要求してきた。10歳過ぎてからの住民票追加を可能にすることと急ぎで追加記載をしたければ8万チャット払わなければならないと要求した。私はどのようにしなければならないかわからなかったので、要求されたお金を支払った。私が住んでいるのはピージーダゴン区、手続きに行ったのはウェッレッ地方なので、時間もかけられなくて支払ったのだ」とイラワジに述べた。
 一方で、権力を掌握した軍評議会は、パンギン計画で国民登録証を発行するので、この4月1日から登録証をもたず地区や村落区からの(身元)保証書を利用して旅行に出ること、宿泊することを許可するものではないことを発表している。
 国民としては、旅行、宿泊の際に、公的に発行してある登録証を提示して(必要なら)聴取を受けなければならないこと、また、登録証不所持での旅行、偽造登録証の所持、および登録証の予備の所持(翻訳者注:登録証の再発行手続きが面倒なため、いろいろな理由をつけて自分の登録証を複数回発行してもらったうえで保管している人もいる)が聴取により明らかになった場合は現行の法律により処罰されることも発表に含まれている。
 マンダレー市のある住民は「彼らの発表によれば、地区長や村落区長の(身元)保証書は必要ないということだ。そういうことであれば軍評議会の下にある地区や村落区レベルでの行政機能はマヒしているということを正式に発表したようなものだ。もう一つは、以前から入国管理局(支部)のかなり多くが金銭を要求するという件において有名になっていたのだが、今回は入国管理局が稼げるような機会を提供したようなものだ。今後、登録証なしでは旅行に行けないというなら、登録証は次々と良い値段がつくようになるだろう」と述べた。
 パンギン計画による国民登録証発行においては、マンダレー管区内で380,016枚発行するよう準備し実施してきたところ、現在、389,723枚発行したため予定枚数以上に発行できたことを、3月12日に行われたパンギン計画管区内予定数達成式典で軍評議会任命の入国管理人口省大臣ウー・キンイーが述べていた。

イラワジ 2022年3月23日

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( 翻訳者:ビルマ語メディア翻訳班(SA) )
( 記事ID:6298 )