シュエボー郡西部の水田を管理し、革命勢力を弾圧している軍評議会とその手下
2022年07月12日付 その他 - バーマアソシエーテッドプレス 紙
現在のシュエボー西部地域の一部の田圃
現在のシュエボー西部地域の一部の田圃

シュエボー郡の地元住民によると、シュエボー郡西部では、ピューソーティー(翻訳者注:軍を支持する暴力団のような組織。記事番号5941参照 )が地元の人々の農耕権に対し、銃で脅して干渉するという違法行為を行っているという。

「軍が駐留する村々では、彼ら(ピューソーティー)が稲作をやるなと言えばできないし、彼らがやれという者はやらなければならない」と、シュエボー郡ティーロン村のかつての村人で現在は村から避難した、コー・アウンミンが述べた。

軍評議会は彼らの村に1年以上駐留しており、現在は、元々村人でもあるピューソーティーが村を支配している。

シュエボー郡西部の村々では、ピューソーティーが革命支持者たちの水田を管理している。水田所有者は軍評議会に抵抗する者であるため、ピューソーティーを恐れて村に留まらずに逃れており、村に再び戻ることができない。

帰れない人々の水田、家財、その他の残された所有物などを、軍評議会支持のピューソーティーが好き勝手に管理している。彼ら(ピューソーティー)は武装しており、逆らう者に対して勝手気ままによく武器を使用するため、村人たちは命令に従うしかないのだ。

「村々でも、逮捕されたり殺されたりするというのだから、帰ることなどできないし、(稲作を)行うこともできない」と、コー・アウンミンは語った。

また彼は、「軍評議会を撃退しようものなら、彼ら(ピューソーティー)は(私たちに対して)適用したい刑法の条項を当てはめ、逮捕状を発行し、村にいられないようにする。逮捕でもなんでもすると言って」と、シュエボー郡西部の村内に留まる村人たちの状況を説明した。

村から逃れて避難している人々は村に帰れないため、彼らの水田を親戚や近所にお願いして耕作してもらい、稲作を遠隔作業のようにやらねばらなかった。その状況の中、村に住むピューソーティーは、所有者が遠方にいる水田を誰も耕すな、と武器で脅して宣言を発した。

「彼ら(避難者)は怖がって自ら戻る勇気はない。軍評議会支持のピューソーティーが近隣一帯を取り囲んでいて、怖くて戻れない。親戚やご近所だけが(稲作を)行っている」とコー・アウンミンは言った。「この水田は誰も耕してはいけないし、入ってはいけない。入れば撃ち殺す、などというのだ」と彼は続けて話した。

さらに、このピューソーティーは、元々村に暮らすピューソーティーなので、水田が誰のものか知っているという。そのため、革命を支持し避難している人たちの水田に所有者の許可を得たうえで他の誰かが入って稲作を行っていることをピューソーティーが知ることとなり、ピューソーティーが水田を管理できる状況にある。

シュエボー郡西部のほとんどの村では、そのような事がしばしば発生している。軍評議会が駐留している村々と近隣の村々において、そのような事態に直面していることを、コー・アウンミンが述べた。調査情報によれば、現在、ティーロン、フナマサーイッ、ズィーピューゴン、ニャウンカイン、レーティードー、パンヤン、パライン、ミンジーを始めとする村々で発生しており、それ以上に発生している可能性もある。

そのほか、地元住民のマ・メーフラの話によれば、ピューソーティーは避難者の水田を他の人が使用することを許可しない一方で、彼らが水田で稲作をしていることがあるという。

彼女は「この期間中に、避難している人たちの水田に田植えをした。その(避難者の)家族が田植えに入るということはできない」と自分の村のピューソーティーの様子を話した。

このように、ピューソーティーが侵入し稲作をしている避難者たちの水田は、フナマサーイッ村に推定約26エーカー、ニャウンカイン村とレーティードー村に推定約50エーカー存在すると、コー・アウンミンは話した。他の村々についてはまだ分からない。

フナマサーイッ村は、今年2月に(翻訳者注:軍とピューソーティーによる放火で)村中ほぼ焼き尽くされたために、約300戸の家屋が破壊された。火災で避難を余儀なくされてから、軍評議会に抵抗してきた者だと名前が出た人々は、村に帰ることができず、避難し続けている。

現在、フナマサーイッ村では、以前の3分の1ほどが再び暮らしていると、コー・アウンミンは語った。緑側(翻訳者注:連邦団結発展党の色で親軍派の意味)を支持する者は、自分の村に安心して戻ることができる。赤側(翻訳者注:NLD国民民主連盟の色でNLD支持派の意味)と緑側のどちらにも属さない人が村に戻るには、ピューソーティーに報告しなければならず、許可を得てはじめて帰ることができる。緑側に立つ者は、許可すら求める必要はない。

この地域の村々には、以前から、赤側を支持する人と緑側を支持する人が存在していた。村人たちは互いに、誰がどちらの側かを知ることができた。そのため、反クーデターを掲げる革命に対する弾圧が激化してきた際には、赤側を支持する人々は軍評議会の手下の標的となっていた。

ゆえに、赤側を支持する人々と軍評議会に反対していると思われる人々は、以前から、様々な形で軍評議会の手下からの弾圧を受けてきた。一方で、どちら側にも属さない少数の人々に対しては、そのように弾圧することはなかった。

村に帰れずにいるマ・メーフラは「彼ら(村人)もびくびくして警戒していなければならない」と、未だ村に留まることができている人々の状況を語った。そのほか、6月からは軍評議会に上納金を支払わなければならない。今月7月には、軍評議会に支払われた上納金の額が不十分であることを理由に、金額が再度上がった。

以前は、水田の所有者が5,000チャット、水田を持たない者が3,000チャット支払うことになっていたが、現在は、5エーカー以上の水田所有者が1万チャット、5エーカー未満なら5,000チャット、水田を持たない者が3,000チャット支払うことになったため、地元の人々はますます生活が苦しくなってきている。

そのほか、ピューソーティーは彼らの水田からだけでなく、革命支持者や避難者たちの水田からも収入を得ている。

「豆(緑豆)を栽培している。売りに行ってもいる。ピューソーティーは自分たち自身で売って、得たお金を食料に変えている」と、シュエボー郡西部地域の地元民による国民防衛部隊のメンバーであるコー・ダンが述べた。「彼ら(ピューソーティー)はまだ商売をして食べていけている。我々は何もできない」と続けて話した。

一部の田植えを終えた水田が収穫時期になると、ピューソーティーが「その水田で誰も稲刈りをするな、稲刈り機も使うな、収穫するなら撃ち殺す」と武器で脅したため、誰もその水田に入って収穫する勇気はなかった。

そして、その水田の稲を収穫したい場合、いくら払えば収穫できると金を巻き上げる事例もあったと、コー・アウンミンは語った。また、その水田は、革命のため逃れた人々が借りて稲作をしていた水田の多くと、どちらの側にも属さない少数の人々の水田であることを、彼は続けて明らかにした。

村々では、地元の人々が家で稲を貯蔵する習慣がある。コー・アウンミンによれば、5,000から6,000バスケット程の稲を貯蔵しているという。その村々では、軍評議会の軍が侵入して暴挙に出たのち駐留したために地元の人々が逃げることを余儀なくなされた際に、村人たちは家財や貯蔵分の稲などの所有物を置いて行かなければならなかった。

コー・アウンミンによれば、ピューソーティーはその残された家財を奪っただけでなく、稲をも持って行ったという。「逃げなくてはならない時には、稲は運べない。豆は貯蔵していない。稲だけ貯蔵する。まだ価格的に売り時ではない稲を貯蔵しておくこともある」と、彼は村人たちの慣習を語った。

ピューソーティーのこのような暴挙に対し、この地域の国民防衛部隊も、未だ効果的に解決できていない。

地域国民防衛部隊としても、軍の支援を受けているピューソーティーを徹底攻撃するためには必要なものがあるという。

地域国民防衛部隊のコー・ダンは「接近戦がしばしばあるが、未だ徹底攻撃はできていない」と述べた。

シュエボー郡西部では、数日前にも、国民防衛部隊の依頼した装備が到着しておらず一時的に動くことができなかった時に、軍評議会の軍が往来していた住民に対し、手当たり次第に銃を約300~400発乱射するというように傲慢な態度になってきたため、(国民防衛部隊側の力を示すために)軍の駐屯地1か所に侵入し攻撃をして(勢力を)見せなければならなかったという。

シュエボー郡西部地域では、地域の国民防衛部隊と軍評議会の勢力闘争が行われている状況にある。コー・ダンは「我々は解放区とはまだ言い難い。できる限りのことをしている」と彼らの戦闘経験に基づき語った。

「解放区と言えるのは、彼らが指定したシュエボー(郡)セイクン村より西には怖くて来ない(という地域だ)」とコー・ダンは説明した。また、「解放区と言えないのは、彼らに対して武力という点で張り合える状況になかったり、彼らの戦線を未だ制止できる状況になかったり、一気に軍勢がやってくれば後退しなければならない(状況にあるからだ)」と彼は続けて説明した。

いずれにしても、軍評議会が軍を駐留させている村々と近隣の村々は、軍評議会とその手下の好き勝手に弾圧・支配され、食糧調達にさえ使われている。地域の国民防衛部隊にとって唯一の収入源は、人々の寄付金だけである。軍評議会は、自分たちの四種遮断戦略(翻訳者注:四種類(食糧、通信、支援およびその他の基本的に必要なもの)を断ち切る作戦のこと)に相当する、革命を支持する人々の収入や情報の流れを遮断するという違法行為を、地元の人々に対する様々な弾圧・支配によって行っている。

国民防衛部隊のコー・ダンは、「軍評議会が駐留している村々に対する徹底攻撃は未だできていないため、問題は終わっていない」という。

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( 翻訳者:NY )
( 記事ID:6445 )