パアン刑務所にいるロヒンギャが困難に直面している
2022年10月12日付 その他-ミャンマーナウ紙 紙
バングラデシュのコックスバザールにあるクトゥパロン難民キャンプで、ラカイン州から避難して5年目の日にデモを行っているロヒンギャに9月25日に会った際の様子 写真‐EPA
バングラデシュのコックスバザールにあるクトゥパロン難民キャンプで、ラカイン州から避難して5年目の日にデモを行っているロヒンギャに9月25日に会った際の様子 写真‐EPA

ご飯を水と混ぜて食べており、皮膚病によって歩くことすらできないロヒンギャの男女150人ほどがラカインから500マイルほど離れたカレン州の刑務所にいる。

サトゥンアウン


ラカイン州にある難民キャンプから他の国へと陸路や水路で密かに出発した時に途中で逮捕され、現在ロヒンギャの男女合計約150人がカレン州パアン市の刑務所に収監されている。

彼らは現在刑務所内で栄養失調と医療の欠如によって多くの困難に直面していると上記の刑務所から釈放された人々が話した。

ロヒンギャは2012年以降にラカイン州で発生した戦闘によって家を失い、当局がその場しのぎで用意した難民キャンプで長年のあいだ社会、教育、経済の機会が断たれており、どこに移動する許可も得られず、難民キャンプからタイ、マレーシアに行こうと試みる際にしばしば逮捕されている。

タウンガレー刑務所(翻訳者注:パアン刑務所を指す)内にいるロヒンギャはラカイン州から500マイルほど離れたカレン州内で逮捕され、家族との連絡も取れず受刑者への差し入れを届けてくれる人もいない苦しみを受けているとわかった。

他の受刑者以上に毎日の飲食、健康の困難に直面しているロヒンギャを刑務所当局も無視していると、パアン刑務所内に一年近く収監されていて最近釈放された2人が話した。

宗教によって飲食物に気を付けなければならないロヒンギャは、パアン刑務所内で週に少なくとも三日はご飯を水と混ぜて(翻訳者注:量を増やして、おかずも味もなくても飲み込みやすくした状態)食べていること、刑務所内でみつけた葉を摘んで茹でて食べていること、着替え用の衣服が乏しく石鹸を届けてくれる人がいないので身体中が皮膚病にかかっているけれども、刑務所当局は治療していないことが判明した。

1962年の軍事独裁政権以降、ロヒンギャに対しミャンマー当局は(ミャンマー国民であるという)根拠がない人たちだと規定して、ラカイン州からの移動(旅行)許可を制限し、移動(旅行)しているのを見つけた場合は入国管理法によって逮捕、処罰している。

パアン市から5マイル以上離れたタウンガレー刑務所のロヒンギャも同じ入国管理法違反の罪で収監されていると考えられるが、彼らが逮捕された経緯の詳細はまだわかっていない。

「彼らを見ると気が晴れない。刑務所内にある何の葉かもわからない、一度も見たことのないその葉をお湯で茹でてご飯と混ぜて食べているのだ」とパアン刑務所で9か月以上過ごした30歳の元受刑者は話した。

「彼らが食事しているのを見ると私はとても悲しくなった。私が50チャット、100チャットのエビの塩辛を手に入れたので渡すと、涙を流している人もいた。刑務所ではおかずといっても塩分が少なく、彼らが欲しいと思う主なものは塩と唐辛子である。しかしそれは手に入らないことが多い」と彼は続けた。

パアン刑務所にいるロヒンギャのうち男性は100人以上おり、18歳から30歳の間の若者であると、上記の情報提供者が述べた。収容棟が5棟あるパアン刑務所内でロヒンギャ男性は2番と5番の棟に収容されており、女性約50人はメーミョウ棟と呼ばれる女性棟に収容されているとわかった。

そのロヒンギャの人々の中に6か月から2年の投獄刑を宣告された後に釈放された人がいること、再度逮捕されたロヒンギャが立て続けにパアン刑務所に到着したこと、今月の初めにさえトラック2台でやって来たことを元受刑者2人が話した。

パアン刑務所内の食糧事情は非常に悪く、朝食は白米と白湯、昼食は白米と豆のおかずのみで固定であること、夕食には週に4日鶏肉あるいは魚が出されるが残りの日には空心菜が少し入ったスープのみであることがわかった。

「肉のカレーといってもカレーのようではない。肉を茹でただけのものだ。塩は入っていない。茹でた後に器に入れ、ゆで汁1杯分と肉1切れだけ、というように渡される。肉のカレーが出ない日はというと、彼ら(ロヒンギャ)は食べ物が無い」と30歳の元受刑者は言う。

カレン州に住んでおりパアン刑務所から今月の初めに釈放された別の男性も、刑務所内でロヒンギャが直面している状況は気分が良いものではないことを話した。

「一部の人はというと皮膚病にかかり足を引きずって歩いている。皮膚病は乾いたものではない。湿ったものになると手や足の指の間は見られたものではない。薬か何かといっても家から送ってくれる人もおらず、かなり困っている」と彼が話した。

パアン刑務所では1年間に刑務所長4人が異動し、現在任務に就いている所長はラカイン州から異動してきた40歳の男性であること、その前に任務に就いていた所長はウー・ゾーミンアウンとウー・フラシュエであったことが上記の2人の情報提供者からわかった。

この件に関しては、まだ個々に詳細を確認できていない。

ミャンマーではロヒンギャは激しい抑圧に長年直面しており、2017年には軍事作戦によって何十万人もがラカイン国境からバングラデシュへの避難を強いられた。

世界はその件をジェノサイドだとしており、ガンビアが国際刑事裁判所(ICJ)にて訴訟を起こしたため、クーデター軍指導者が事件と対峙している。

軍指導者は、ラカイン州でのジェノサイドおよびロヒンギャ弾圧という疑いを一貫して否定している。しかし、一部の式典や会議ではラカイン州内の地域掃討作戦に関して軍の高官が度々喜んで話していた。

文民政府を追放して2021年2月のクーデターから一か月後に行った国軍記念日の式典で、軍指導者ミンアウンフラインは、ラカイン州内を中心に活動している悪党インド人反乱者(翻訳者注:インド人(ビルマ語で「カラー」)は一般的に南アジア出身者を指す用語で、場合によっては差別的なニュアンスを含む。ここではムスリム、特にアラカンロヒンギャ救世軍(ARSA)を指すと思われる)を攻撃、鎮圧したと自身の演説の中に加えて話した。

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( 翻訳者:K.Y. )
( 記事ID:6504 )