交通運輸省、南北高速鉄道整備の2つのシナリオを検討
2023年05月18日付 VietnamPlus 紙
【写真】ラオスの高速鉄道(Vietnam+)
【写真】ラオスの高速鉄道(Vietnam+)

交通運輸省、南北高速鉄道整備の2つのシナリオを検討



南北高速鉄道プロジェクトは、大規模かつ複雑なテクノロジーを用い、投資に多くのリソースが必要とされるプロジェクトであり、また、全国の経済・社会発展への突破口となる重要な原動力となるものである。



交通運輸省は、鉄道プロジェクト管理委員会、諮問組織、および関連機関に対し、世界の経験を確認し参考にするよう要請した。また、南北高速鉄道プロジェクトの実現可能性事前調査レポートのシナリオを完成させるための調査を更新し、修正するよう求めた。

本日(5月18日)交通運輸省官房が発表した各直属機関と南北高速鉄道プロジェクト諮問組織による会議の結論報告によると、グエン・ザイン・フイ交通運輸次官は、南北高速鉄道プロジェクトは大規模かつ複雑なテクノロジーを用い、投資に多くのリソースが必要とされるプロジェクトであり、また全国の経済・社会発展への突破口となる重要な原動力となるものだと指摘し、党政治局から慎重に、全面的に、綿密に調査するよう要請されていると述べた。

よって、フイ次官は、上記関連機関に対し、新たな鉄道路線は、旅客輸送のみ、および、旅客輸送と貨物輸送を兼ねたものの二つの案を中心にすることに留意するよう要請した。その中で、旅客輸送のみの新規鉄道のシナリオは、ベトナムがCOP26でコミットした貨物輸送に関するロードマップに沿って、既存の鉄道の改修、改善、電化を行うもので、二つ目のシナリオは、比較検討の根拠となるよう、旅客輸送および貨物輸送用で、複線規格、軌間1435mm、電化の高速鉄道基準に従い、南北を基軸とした新たな鉄道を建設するものである。

プロジェクトの路線に関して、交通運輸省側は、各地方と既に合意した路線を維持するという基本的な考え方を示した。修正を求める意見があったいくつかの地方に対しては、交通運輸省は鉄道プロジェクト管理委員会、諮問組織に対し、各地方との合意に向けて直ちに見直し作業を行い、同時に、旅客輸送と貨物輸送を兼ねるシナリオについては、増設する貨物駅の範囲や位置で合意するよう要請した。

鉄道プロジェクト管理委員会と諮問組織は、プロジェクトの実現可能性事前調査レポートの完成に向け、見積もり作業を再確認するが、その中で、プロジェクトの実施スケジュールとクオリティーを確実なものにするため、必要に応じて、テクノロジーに深い専門知識を持つ外国人専門家がプロジェクトに参加することを提案する。

交通運輸省は、交通運輸戦略発展研究所に対し、南北高速鉄道の二つの投資案に対する輸送需要見込みのデータや結果の更新、修正を指示した他、計画投資局に対し、投資準備用の資金を確認し、プロジェクトの実現可能性事前調査レポートの完成に向けた考察のための経費を追加調整するよう指示した。

最近、国家審査評議会は交通運輸省に対し、旅客・貨物輸送用に複線規格で軌間1435mm、設計速度は時速約200~250km、運転速度は時速約200㎞の南北高速鉄道の投資案を完成させるよう求める文書を出した。

実施スケジュールに関し、プロジェクトは合理的な投資の段階的実施案をまとめ、実現可能性を担保し、2045年までにプロジェクトを完了させる。




南北高速鉄道プロジェクトの実現可能性事前調査レポート原案によると、交通運輸省は当初、設計速度が時速350km、運転速度が時速320㎞の旅客輸送用のみの南北高速鉄道路線の新規建設への投資案を提示していた。

総投資額は約587億1000万米ドルで、その内、国の資本が80%、民間資本が20%。既存の鉄道は貨物輸送用に改修される。

一方、プロジェクトを審査する諮問組織は、旅客輸送・貨物輸送両用で、南北高速鉄道路線の最高設計速度を時速250㎞とする案を提示した。既存の鉄道は地域間の旅客輸送とコンテナ貨物列車用に改修される。


【写真】ラオスの高速鉄道(Vietnam+)

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( 翻訳者:石塚鈴音 )
( 記事ID:6752 )