国をさらなる貧困に陥れるミンアウンフラインの原子炉の夢
2023年10月21日付 その他-キッティッメディア紙 紙


ヤンゴン、10月21日

軍評議会とロシア国営原子力企業の一つであるロスアトム(Rosatom)は10月、ミャンマーで原子力インフラの建設事業を開始するため調査を行うことで合意した。

ロスアトム社とミャンマー軍事政権の間で、原子力インフラ建設の実現可能性について情報収集を開始することと、原子力発電所建設に関わる段階的計画について、了解覚書を締結したとロスアトム社側は発表した。

ロシア国営企業の発表には、原子力発電所を建設するのに必要な優先分野プログラムを策定することにも合意したと記されている。

上記合意のために、ロスアトム社のアレクセイ・リハチェフ(Alexei Likhachev)社長と軍評議会の科学技術大臣ウー・ミョーテインジョーが署名したとのことだ。

ロスアトムはミャンマー、キルギス、スリランカとの間で原子力発電所建設のための開発計画に調印している。

ロシア政府とミャンマー軍評議会は去る2月、原子力発電所建設のための基本事項に合意しており、事業を開始することに今月合意した。

原子力発電所をどこに建設するかは、軍評議会とロシア側が別途発表した様子はまだない。

数日前、軍の管理下にある3つの工科大学とロシアの原子力技術大学の一つである国家研究原子力大学 モスクワ工科物理研究所(National Research Nuclear University Moscow Engineering Physics Institute-MEPhi)との間で、協力関係を結ぶ了解覚書が交わされたことも分かった。

上記覚書には、軍評議会の下にあるヤンゴン工科大学、情報技術大学と工科大学(チャウセー)が署名した。

原子炉の建設は主に電力確保のためであると軍評議会は理由を示しているが、ミンアウンフラインにさらなる軍事上の目的があることは疑いの余地がない。

ミャンマーでは電力が著しく不足しており、自然環境を傷つけない水力発電プロジェクト、風力発電、ラカイン州沖に豊富にある天然ガスによる発電や再生可能エネルギーの利用などで、電力供給に取り組まなければならないが、軍評議会はそれらを飛び越えて、原子炉による電力の確保を目指している。

国が貧困に陥っている時、原子炉計画は莫大な経費の掛かるプロジェクトであるといえ、300メガワットの電力を発生させることのできる最小の原子炉一つでさえ、価格は10億米ドルであり、原子炉を稼働させ、自然環境を傷つけず、放射線に被爆しないなど維持するためのコストも極めで膨大だ。

軍事目的を含むミンアウンフラインが空想する原子炉計画が、貧困に陥っている国を困窮のどん底に引きずり込むことは間違いない。軍の権力維持と、域内の影響力を構築しようとする、軍の独裁者ミンアウンフラインが思い描く核の夢は、ミャンマーとミャンマー国民に何の利益ももたらさないことは明白だ。

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( 翻訳者:ビルマ語メディア翻訳班(HM) )
( 記事ID:6767 )