軍事的な緊張の高まりで国内観光旅行の一部が中止に
2023年11月27日付 その他 - エーヤワディー 紙

11月21日に行われたタウンジーのダザウンダイン灯明祭(熱気球祭り)開会式(写真-MOI)
2023年11月27日

ミャンマー各地で戦争が激化しているため、今回のダザウンダイン(翻訳者注:ビルマ暦8月、10月中旬から11月中旬ごろの満月のお祭り)と年末年始の移動に向け事前に準備していたガパリー、グエサウンをはじめとする海岸とバガン、カローの旅行が取りやめになっていることを旅行者と旅行事業主が述べた。
ガパリー、グエサウンをはじめとする海岸とバガン、チャイティーヨー、カローのホテルの予約者はいるものの、このところの戦闘激化と軍事的緊張の高まりによって旅行計画の中止が次々に起きていることがわかった。
ヤンゴンに拠点を置くある国内旅行事業主は「今回の満月の前後、ダザウンダインの祝日にもともと準備していたガパリーへの旅行計画のほとんどが取りやめになったのが分かった。バガンやマンダレーでも、もともと予想していた旅行者よりも来訪が少なかった。以前はそのような日には、ホテルが満室になるほど旅行者の予約があった。今はもうそれほど来ることはない。少なくなってしまったことがわかった」と現状をエーヤワディーに語った。
そのように旅行を中止することは国内の情勢不安に起因しており、ラカイン州でも戦闘が発生して、軍評議会が管区につながる道を閉鎖してしまったせいでガパリーへの旅行計画のすべてが中止になったことを同氏が述べた。
続いて、同氏は「先日のダディンジュ(翻訳者注:ビルマ暦7月、9月中旬から10月中旬ごろの満月)の祝日の時は、今回のダザウンダインにはたくさんの旅行者が来るだろうと期待していた。今は祝日前に情勢不安のせいで旅行者が減ったため、期待していたほど国内旅行者がいない」と言った。
ラカイン州北部において国軍とアラカン軍(AA)の間で、11月13日から戦闘が勃発し、その日に軍評議会がラカイン州に入ることができる入り口すべてを閉鎖したため、ガパリー海岸に休暇を過ごしにきていた旅行者5000人以上が帰ることができず、いまだにガパリーに取り残されたままである。

同様にバガンへの旅行予定者が、旅行切符を旅行ガイドのフェイスブックページに掲載して、転売することも見られる。

バガン・ニャウンウー、マンダレー、ザガイン方面へ行く道においても検問が厳しく行われ、主に国民登録証の取り調べが行われており、一部の地域では地区の証明書を要請する検問所もあることが旅行者からわかった。

11月21日に行われたタウンジーのダザウンダイン灯明祭(熱気球祭り)開会式(写真−MOI)

現在は旅行のシーズンであるが、軍事状況や情勢不安のため、国内旅行事業は当初期待されていた旅行者の規模よりも縮小する可能性が推定されていることが旅行会社事業主からわかった。

カロー市のある地元住民は、「私たちのところの地域は、穏やかです。タウンジーの祭りは今日が最終日だ。カローは明日(11月28日)から始まる。旅行者はシャン南北を分けて考えないのだろうか。(戦闘が)起こっているのは北側で、南側は穏やかだ。治安もPNO(パオ民族機構)が保証している。しかし旅行計画の取りやめもある。ホテルのキャンセルも多くある。」と本紙へ語った。
カローのダザウンダイン祭りは11月28日から12月1日まで開催予定で、現時点で旅行計画の取りやめがあるということを同氏は言った。
軍評議会は、国内は平和であると思わせるため、ダザウンダイン祭りを、圧力をかけて開催させていたが、タウンジーのダザウンダイン祭りでは地元住民が出歩かなかったため、パオ地域にある村落では1世帯につき1人出歩くように連れて行かれることもあると地元住民らが言った。
軍評議会は、ピンウールウィンのダザウンダイン熱気球祭りを安全のために取りやめとした。

国内旅行者の他、海外からの観光客も旅行計画を取りやめているということが分かっており、インドでは11月22日、国民に対し、ミャンマーでは戦闘が発生しているため不要不急の場合は旅行しないよう警告を発した。
現時点で、旅行代理店が外国人観光客に対し、旅行の際の費用を引き下げ、販売していることが、事業主らからわかった。
今年の9月19日にも、イギリス政府が国民に対してミャンマー各地への旅行に行かないよう発令した。
イギリス政府の外務・英連邦・開発省(FCDO)が、モン州、カチン州、チン州、カヤー州、カレン州、ラカイン州北部とザガイン管区、マグウェ管区、タニンダーイー管区チュンズ(群島)郡とタニンダーイー管区南部へ旅行しないよう、避けられない場合を除き旅行へ行くべきではない地域してシャン州、マンダレー管区、タニンダーイー南部、ラカイン州中部を示した。
ミャンマーの治安状況は予測ができず、警告なしに容易に変更されると発表には示されている。
軍事クーデター以前、国民民主連盟(NLD)政権下のホテル・観光省の発表によると、2018年、2019年にミャンマーを訪れた外国人観光客は480万人を超えており、戦闘が激化する前の2023年にミャンマーを訪れた外国人観光客数は20万人以上であることが、9月の軍評議会の発表によりわかった。
現在シャン州北部、ラカイン州、カレンニー(カヤー)州、ザガイン管区などでは、市街地で戦闘が起きており、マグウェー管区、カレン州、カチン州、モン州においても連日戦闘が起きており、ヤンゴンを含む大都市でも、銃撃事件、爆破事件が頻繁に起きている。
加えて、クーデター軍に対して抵抗を行っている現在、国民として旅行を控えるよう革命勢力が注意喚起をしており、国民のなかにも革命期には旅行をしないよう奨励する発言がみられる。

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( 翻訳者:Y.A H.M H.M )
( 記事ID:6798 )