警察は不審人物に対して発砲可能~逮捕者を60日間拘束する権限~
2014年07月03日付 The daily Jang 紙
パーキスターン保護法案が国民議会でも可決、2年間有効、パーキスターン人民党と統一国民運動が賛成、ジャマーアテ・イスラーミー(イスラーム党)は反対、パーキスターン正義運動は棄権
グレード15やそれと同等の警官には発砲の許可を取得する必要がある、軍に対し憲法上の保護が必要である──ザーヒド・ハーミド、法案に異存がある──シャー・マフムード、見直しを求める──ターリクッラー、賛成する──フルシード・シャー、シャイフ・ラシード
イスラーマーバード(ジャング紙):―国民議会(=下院)はパーキスターン保護法案を賛成多数で可決した。これは大統領の署名を経て2年間施行される。法案に対する投票では、ジャマーアテ・イスラーミー(以下、イスラーム党)が不信を表明しつつ反対票を投じた一方で、パーキスターン正義運動は棄権した。ナワーズ・シャリーフ首相もこの時議場にいた。法案の可決により警察は不審人物の如何を問わず発砲する権限を手にするところとなった。ただし、グレード15乃至はそれと同等の上役から発砲の許可を取得する必要はある。一方で、警察は逮捕者を60日間拘束する権限も手にする。法案に対する意見表明の中で、正義運動のマフムード・クレーシーは法案に異存があると述べる一方、イスラーム党のサーヒブザーダ・ターリクッラーは法案の見直しを要求した。人民党のフルシード・シャーやシャイフ・ラシードは法案に賛成した。議会ではザーヒド・ハーミド科学技術担当連邦相が次のように動議を提出した。すなわち、パーキスターンに対する戦争からの防御、パーキスターンの安泰を脅かす危険を伴う行為の防止のために条項を制定する法案たるパーキスターン保護法案2014は憲法第70条(2)に基づき上院での修正と可決を経た上で審議されるべし、と。議会は法案提出のための動議を可決し、サルダール・アヤーズ・サーディク国民議会議長は彼に議会では論点を絞って述べるよう求めた。ザーヒド・ハーミド連邦大臣はこう述べた。「対テロリスト軍事作戦は既に火蓋が切って落とされており、この法律が喫緊に必要である。パーキスターンの安泰と国防に刃を向ける相手に太刀打ちできるように治安部隊には憲法に基づく、また法的な保護が必要性である。上院はこの法案を可決した。国民議会もこれを満場一致で可決するべきである。そして国軍にパーキスターン国民はパーキスターンに立ち向かう敵と戦うために国軍を支持しているとのメッセージを送ろうではないか。」と。ザーヒド・ハーミド曰く、「この法案は国民議会が既に4月7日に賛成多数で可決していたが、野党が修正案を提出し、これを大筋で受け入れていた。しかし、首相は法案の上院提出前に当法案は他党とも協議の上満場一致で可決するようにとの指示を出された。」と。曰く、「イスラーム党や正義運動は上院に議席がなかったので我々は他党から提案を受けとり、協議を行い、詳細に交渉を行なった。これを経て上院は法案を満場一致で可決した。これが可決されたのは6月30日のことである。」と。彼は議場に向かってこう述べた。「当初同法の有効期間は3年であったが、これを短縮し2年とした。暴力主義の概念がより単純明快に規定された。この言葉でいわんとするのは国家に対し武器を取る、暴力行為に手を染めた、乃至は国家の防衛や安泰に刃を向ける連中のことである。野党は国軍に発砲の権限を与えることに対し異議を唱えていたので、政府はこれに関連しての5つの留保措置を用意していたものを、これを増やして8つにした。すなわち、グレード15以下の階級の警察官は銃を撃つことができないと修正された。また、容疑者から発見されたところのものは2日以内に特別司法マジストレートの許に提出するものと修正された。また、再拘留の期間は90日から60日に減じた。司法マジストレートには弁護士をも任命可能で、刑は10年から20年に延長した。もし国籍が賦与されていたならば剥奪される。まずは高等裁判所に控訴し、次に最高裁判所に対して上訴するものとなった。パーキスターン正義運動の指導者、シャー・マフムード・クレイシーは法案に異議を唱えて、次のように述べた。「同法においては法の根本哲学が変更されている。世界中どこでも検事が容疑を証明するのが原則であり、パーキスターンでもこれが原則である。しかるに、新法案では被疑者が自らの無罪を証明すると謳われているのである。我々はこれには異存がある。それゆえ正義運動はこの法案の投票を棄権し、無関係を通す。」と。またこう述べた。「軍事作戦により何十万もの人々が避難した。曰く、国内避難民(IDP)はわが国民の恩人である。我々はパーキスターンのためのこの犠牲を評価している。全国民が彼らに同情を寄せている。私たちは国内に軋轢を生みだそうとしている連中に打ち勝とう。しかし、我々の成功するか否かは我々がIDPたちに対しどれだけ思いやりを持てるかの一点に掛かっている。」と。曰く、「パンジャーブやスィンドの同胞はIDPたちに対して期待した程には心を開いていないような印象を受ける。ハイバル・パフトゥーンハーでは、その除去が求められるような誤解がある。議場にはスィンドやパンジャーブの代表もいらっしゃる。この方面に注意を払って頂きたい。」と。人民党の国民議会議員、アヤーズ・スームローやアブドゥッ・サッタールはこの話を聞いて立ち上がり、それは違うと反論した。ムスリム連盟の国民議会議員、アブドゥル・マナーンも立ち上がり、それは違うと反論した。議長は彼らに着席を求め、そこでシャー・マフムード・クレイシーは次のように述べた。もし私の発言があの方々のお気に触ったならば、お許し願いたい。私は印象という言葉を用いたが、それはそうあるべき程には熱意を見せていないという印象であるということである。
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翻訳者:石塚智恵
記事ID:333