パブナの小学校で幽霊騒ぎ

2015年05月31日付 Prothom Alo 紙
(5月18日付)パブナ県のチャトモホル郡チャイコラ区ボロダノゴル村のボロダノゴル公立小学校で幽霊騒ぎが起こっている。しかし専門家たちは集団心理によるものと考えている。
村民によれば、この2月、同小学校の生徒のひとりが突然、幽霊を見たと同級生たちに訴え始めた。その後他の生徒たちの中で、自分も幽霊を見たと言う子どもが出始めた。5月の12日には7人の生徒が体調不良となり、そのうち1人が先週木曜日に亡くなった。
昨日(日曜日)、現地を訪れてみた。チャトモホル郡を流れるグマニ川を渡り、未舗装の道をしばらく歩いたところにボロダノゴル公立小学校はある。校舎はコンクリート製の2階建てで、その横にはトタン葺きの細長い建物が建っている。学校の前には広い空き地が広がり、稲と稻わらが日に干してある。祝日のため学校は休みとなっていた。だが記者が訪れたのを見ようと、近所からたくさんの人が集まって来ていた。

学校のすぐそばに、体調をくずした生徒のたちのひとりの家がある。フェルドウシ・アクタルという女生徒だ。その自宅を訪れてみると、子どもは布団の上で落ち着かない様子だった。しきりに髪を引っ張ったり、体を掻いたりしている。何が起きたのか聞いてみると、「今まで学校で男の子2人と遊んでいたの。ひとりがぶつかってきたので、喉のところが痛くなった」と言い、後は全く口をつぐんで寝床に横たわったままだった。
体調を崩している他の6人の生徒の家にも行き、生徒および親たちの話を聞いた。皆が口をそろえたのは、学校で生きた人形を見た、ということだった。そのあとで体が痛くなったり、落ち着かない気分に襲われるようになった。
ボロダノゴル公立小学校のロフィクル・イスラム校長は、「5年生のルミ・アクタルという名の女生徒が、学校のトイレで生きた人形を見たと同級生たちに話した。それ以降他の生徒たちも、さまざまなおりに人形を見たと言いだした。5月12日には、5年生の生徒7人がその人形を見たと言って一斉に不調を訴えた」と述べた。
それから村中に騒ぎが広がった。5月14日になってルミが死亡したことで、騒ぎはさらに大きくなった。郡保健所のポピー・ラニ・クンドゥ医師は、「ルミは腹痛と吐き気を訴えて入院したが、本格的な治療が始まる前に死亡した。おそらく食中毒か何かが原因だったのではないか」と語っている。
パブナ医科大学病院精神科のジュバエル・ミヤ准教授は、幽霊などは存在するはずもなく、これは集団心理による症状だと説明する。家庭内の、あるいは社会的な不安からこうした症状が見られることがある。同年代の女子たちのうち、誰かが何か言ったことで、あるいは気分が悪くなったりすると、他の子たちも同じような気分になる現象がある。「校内で生きた人形を見たなどというのは、女の子たちの妄想にすぎない。すでにある話が彼女たちの心の中で、そんな形になったと考えるべきだろう。カウンセリングを受けることで、こうした状態から脱却することは可能になる」とミヤ准教授は語った。
郡初等教育委員会のアブル・バシャル・シャムスッザマン委員はプロトム・アロ紙の問いに対し、「そのようなことが起こっていると聞いて、初等教育委員会としては不調を訴えた生徒たちの家を訪ねて事情を聴いた。ボロダノゴル村では学校教育を受けていない人の割合が高く、そのために幽霊話を信じてしまった人が多かった。本当のところは、厳しい暑さのために子どもたちが体調を崩したと考えている。保護者たちにはそういったことを説明して理解してもらうよう努めている」と述べた。


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翻訳者:加藤梢
記事ID:418