今度はクリグラムで同一手口により改宗者殺害
2016年03月23日付 Prothom Alo 紙

今度はクリグラムで、イスラム教からキリスト教への改宗者が(暴漢たちにより)殺害された。犠牲となったのはホセン・アリさん(68)。アリさんはかつての解放戦士で、退職前は家族計画局に勤務していた。息子のラフル・アミンさんによれば、アリさんは1998年、キリスト教徒に改宗した。
ホセン・アリさんは、昨日(火曜日)午前7時ごろ、クリグラム市のガリヤル地区にある自宅前を通る道路で、何者かに刃物で刺され死亡した。目撃者によれば、オートバイに乗ってやってきた3人の暴漢は、アリさんを襲った後火炎瓶を投げつけ周囲を威嚇して逃走した。
クリグラム警察のトバロク・ウッラ警視はプロトム・アロ紙の取材に「この事件に過激派が関与しているかどうか慎重に調査を行なっている。すでに嫌疑のかかった3人を拘束して事情を聞いているところだ」と語った。
これまでにダカでイタリア人のセサレ・タベッラさん、ロングプルで日本人の星邦男さん、ポンチョゴルのデビゴンジョ郡でヒンドゥー寺院のジョゲッショル僧院長が同様にオートバイに乗った男に殺害され、またディナジプルではキリスト教宣教師が襲われて殺人未遂事件となっている。いずれも事件にもオートバイに乗った3人の男が関わっていた。
昨日の事件の目撃者と被害者の家族の話によると、ホセン・アリさんはいつものように朝、徒歩で自宅を出た。自宅からおよそ250ゴジ 離れたクリグラムとモゴルバシャを結ぶ道沿いにあるアシュラフィア公立小学校の付近で1台のオートバイが近づいてきた。乗っていた3人のうち、オートバイを運転していた人物は頭にヘルメットをかぶっていた。他の2人が鋭い刃物でホセン・アリさんの首や背中を刺した。
目撃者のひとり、アブダル・ホセンさんは「被害者の悲鳴を聞いて近くの学習塾から生徒たちが外に出てきたところ、犯人たちはそちらをめがけて火炎瓶を投げつけた。それからアシュラフィア小学校の横を通って、コレッジパラとタルトラ経由で逃走しようとした」という。そこに出くわしたアブダル・ホセンさんを犯人はナイフを持って追いかけて来、火炎瓶を破裂させた。そうするうちに近所の人たちが駆けつけて、犯人たちの行く手をふさごうとしたところ、3人はさらにもう1本火炎瓶を投げつけた。
(治療にあたった)クリグラム市民病院の内勤医 ・ノズルル・イスラム医師によれば、ホセン・アリさんの背中2箇所に刺し傷があり、また首の中程が刺されてこれが致命傷となった。頸動脈2本が切れたことによる出血多量が死因とされている。
クリグラム在住の宣教師、フォルカン・アル・モシハさんは、18年ほど前ホセン・アリさんの自宅に下宿していたとプロトム・アロ紙に語った。アリさんは1998年にキリスト教に改宗し、最近は宣教師補として活動していたと言う。
ホセン・アリさんの息子のラフル・アミンさんは「父は必要がない限り家から出る事はなかった。いつも家にいて宗教活動を行なっていた。改宗については母、私自身それに妹のナシマ・ベゴムは賛成していたが、姉のハシナ・ベゴムは反対だった」と語っている。ラフル・アミンさんはさらに「今月の初めの週に、家にひとりの青年が来て下宿するようになった。アブル・バシルと名乗ったその青年はロングプルのモヒゴンジョに実家があると言っていた。先週の土曜日になって、この火曜日に家族を連れてくるからと言って出て行った」という。昨日の犯行にこの青年が関わっていた疑いが持たれている。部屋を借りる際に提出した身分証の番号と携帯電話の番号は偽装だったことがわかっている。
昨日午後5時に、ガリヤル地区で元解放戦士としてホセン・アリさんに対して栄誉礼が行われ、遺体は国家礼をもって埋葬された。
クリグラム市・郡解放軍のアブドゥル・バテン司令官は、「独立戦争時、ホセン・アリさんは海軍の特殊部隊に所属し、海軍司令部のラジシャヒ区の組織委員を務めていた」と語る。
一方、事件のあとカン・モハンモド・ヌルル・アミン県知事のオフィスで、知事が議長とつとめて行われた治安維持委員会の会合で、今後クリグラムの中心部在住の下宿人の写真と身分証明書のコピーを含む履歴書を警察に提出することが定められた。さらにクルグラム県全域でオートバイの捜査が進められることになった。
クリグラム中央警察のジョシムッディン署長代理によれば、殺害現場近くで不発の火炎瓶2本が見つかったという。現在クリグラム中央署に、正式の被害届を提出する手続きが行われている。
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翻訳者:伊藤巧作
記事ID:493