クルブーシャン、軍法会議に、死刑
2017年04月11日付 The daily Jang 紙
スパイ及び破壊行為の容疑が立証、参謀総長の裁可済──軍のスポークスマン 刑の執行については未定──外交顧問
インドの現役将校がバローチスターンやカラチでの犯行を自供した。弁護のために法的な支援も提供、政界及び宗教界の指導者たちが判決を支持
パキスタン高等弁務官のインド外務省への呼び出し もし刑の執行となれば、これを殺人と呼ぶのは言わずもがななり──インドの悔し涙 デリーはテロリストたちをバックアップしている 破壊行為に手を染めておいて抗議とは!通用はしない──アブドゥル・バースィト
ラーワルピンディー(ジャング特派員、本紙):-インドの諜報機関RAWのスパイ、クルブーシャン・ヤーダーヴは軍法会議に掛けられ、死刑判決が下された。パキスタン軍広報部、ISPR長官、アースィフ・ガフール少将によれば、参謀総長は同判決に裁可を与えているという。クルブーシャン・ヤーダーヴに対するスパイ及び破壊行為の容疑は立証された。クルブーシャン・ヤーダーヴはパキスタンの国家安全保障に害を与えたのである。同インド・スパイは取り調べの中で自身の容疑を全て自供した。クルブーシャン・ヤーダーヴはバローチスターンでの政情不安拡大、カラチでのインドの介入の事実を認めた。クルブーシャン・ヤーダーヴはパキスタンにおいてインドの諜報機関RAWの任務を負っていた事実を認めていた。クルブーシャン・ヤーダーヴの事案は陸軍刑法に基き軍の法廷に係属した。クルブーシャンは司法マジストレートの面前で自身の罪状を認め、これを受けて「戦地高等軍法会議」がクルブーシャン・ヤーダーヴに死刑判決を下した。軍の関係筋によると、クルブーシャン・ヤーダーヴにはその弁護のために弁護士も用意されたとのことである。同インド・スパイは1952年陸軍刑法第59条及び1923年同刑法第3項に基づき裁かれたものである。ちなみに、RAWは常時バローチスターン、カラチ、パンジャーブでテロ活動に加担しており、パキスタンの安定を損ない、その発展を阻害するために配下のスパイを使って手を下しているが、パキスタンの諜報機関や治安部隊はRAWの不届きな所業を未然に防ぐ上で巧みに動いており、クルブーシャンの逮捕も諜報機関の周到な作戦の結果である。同筋によれば、クルブーシャンの逮捕の後、彼を通じてRAWのテロリズム・ネットワークに辿り着く上で極めて有力な情報を入手したという。
同判決の後、インド外務省は月曜の午後、アブドゥル・バースィト駐インド・パキスタン高等弁務官を同外務省に呼び付け、RAWのスパイ、クルブーシャン・ヤーダーヴの死刑判決に対しわめき散らしながら、抗議の書簡を彼に手渡し、「刑が執行されたなら、これを殺人と呼ぶのは言わずもがなである」と告げた。この時点で、インドの抗議に対するパキスタン高等弁務官の反論はこうである。すなわち、インドのスパイへの死刑宣告でパキスタンには如何なる瑕疵もなく、テロリストたちは罰せられて当然であり、デリーはテロリストたちをバックアップしている。パキスタン高等弁務官はインドの抗議や疑念を一蹴しつつ、きっぱりとした口調で「国家の安全保障に勝るものはありません」と述べた。インド政府当局に向かって曰く、「テロを働いておいて、反対に抗議するとは!これは通用しません。我が和平と対話の願いを弱腰とご了解なかるべし。」と。これに先立ち、アブドゥル・バースィト・パキスタン高等弁務官を外務省に呼び付け、彼に手渡した書簡の中では、インド政府当局はこう述べていた。すなわち、クルブーシャン・ヤーダーヴは昨年イランで拉致されたが、それ以降彼がパキスタン国内に存在した事実については何ら実質的な説明は聞かされたことはなかった。更に同書簡曰く、インド政府は2016年3月25日から2017年3月31日までの間イスラマバードにおいて13回に亘りインド高等弁務官を介してクルブーシャン・ヤーダーヴとの領事接見を要望してきたが、パキスタン当局からはこの点で前向きな回答は一切なかった。インド政府はこうも主張している。すなわち、クルブーシャン・ヤーダーヴに死刑判決が下ることとなったこの訴追は、彼に不利となる有力な証拠を一切欠いている以上滑稽という他はない、と。これもインド外務省の弁である。すなわち、駐パキスタン・インド高等弁務官にクルブーシャンの審理開始に関して通告は一切なかった。この訴追の中でクルブーシャンに弁護士をつけたというISPRの主張も全く根拠を欠いている。主張の最後ではこう強調している。すなわち、もしインド国民に対し宣告された刑が法と正義の要件を欠く一方で、死刑が執行されるならば、インドの国民はそれを計画殺人と見做すであろう、と。
イスラマバード(通信各社):-サルタージ・アズィーズ首相付外交顧問は月曜の夕方、上院での初回の発言の中でこう明らかにした。すなわち、インドのスパイ、クルブーシャン・ヤーダーヴに法に従い死刑が言い渡されたが、早期にインドのスパイに下された刑について外務省から詳細な発表の予定であるが、その刑の執行については全く未定である、と。他方、政府はインドのスパイ、クルブーシャン・ヤーダーヴへの死刑判決の関連で上院の賛成を取り付けようとしている雲行きである。この関連でハージャ・ムハンマド・アースィフ国防相とサルタージ・アズィーズ外交顧問を通じての施政方針の発表が予想されている。話変わって、インドのスパイ、クルブーシャン・ヤーダーヴの死刑判決について政界、宗教界の指導者あるいは社会的指導者は一様にこれに同調している。この件でハージャ・アースィフ連邦国防相はパキスタンに対して悪さを働く輩には厳しく処断してくれる。国家防衛のために捧げられた数々の犠牲の手前、彼に対する情けの余地は一切ありません。ハージャ・アースィフ国防相曰く、「インドはパキスタンの味方ではなく、同国は大騒ぎをするでしょう。クルブーシャン・ヤーダーヴはインド政府の庇護の下パキスタンにやって参りました。」と。彼曰く、「パキスタンで起きるテロ事件にインドの庇護が介在していることは疑いありません。パキスタンは国境でもインドの侵略行為に直面しています。」と。スィラージュル・ハック・パキスタン・ジャマーアテ・イスラーミー代表は、「クルブーシャン・ヤーダーヴの死刑判決を全面的に支持します」と述べた。曰く、「この判決によりパキスタンの敵及びパキスタンの国益を害する全ての大国にはっきりしたメッセージが届くでしょう」と。スィラージュル・ハック氏曰く、「全国民がこの判決を支持するべきです」と。サナーウッラー・ハーン・ザヘリー・バローチスターン州首相は、「クルブーシャン・ヤーダーヴの死刑判決は全面的に公正さに基づいている」と述べた。曰く、「判決はRAWが政情不安拡大に直接的に加担している事実を証明しました」と。ラフマーン・マリク前内務相は、「スパイ行為に手を染める者及びこれをバックアップする者に対する罰はまさに死刑です。」と述べた。更に曰く、「我々は如何なる圧力の下にもあってはなりません。クルブーシャン・ヤーダーヴの死刑判決は幸先がよろしい」と。パキスタン正義運動の指導者の1人、アサド・ウマル氏は、「クルブーシャンには至極当然の刑が下りました。インドのスパイの問題は国際的レベルで提起する必要があります。」と。前アーザード・カシュミール首相、スルターン・マフムード法廷弁護士は、「インド諜報機関RAWのスパイ、クルブーシャン・ヤーダーヴの死刑判決を尊敬の眼差しで拝見しております。」と述べた。曰く、「この判決によりパキスタンで起こるテロリズムにインドが加担しているというメッセージが世界中に届くでしょう。」と。
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翻訳者:露口哲也
記事ID:627