イエローカードに救われた日本
2018年06月28日付 Prothom Alo 紙

ヴォルゴグラードで行われた試合でポーランドは日本を1対0で破った59分にポーランドのヤン・ベドナレクがポーランドに勝利をもたらすゴールを決めた。日本はこの試合に敗れるも決勝トーナメントに進んだ。
試合時間の90分が過ぎた後、3分間のアディショナルタイムがあった。アディショナルタイムは、試合が行われているとは思えないものだった。日本の選手たちは互いの間でゆっくりとボールを回し、ただウォーミングアップをしているだけのようだった。ポーランドの選手らにもまた、相手方からボールを奪おうという意欲は見られなかった。あるポーランド人選手はボールを奪う代わりに、座って靴下を直すことに時間を割いていた。時間を無駄にしたことで審判が日本人選手に対しイエローカードを出すこともなかった。
ヴォルゴグラードでは一体何が起きていたのだろうか?試合時間が終わるのを、選手も、審判も、チームの監督やスタッフも、皆が待っていた。ポーランドが1対0とリードしていた。日本チームには点を取り返そうという意志は無かった。日本側はそれまでに、サマーラでセネガルが0対1でコロンビアに敗北しようとしているとの情報を得ていた。アディショナルタイムでその試合の得点状況に劇的な変化がない限り、日本は決勝トーナメントに進むことになるだろう。ポーランド側にとってもまた、決勝トーナメントに行くことはできないにせよ、勝ってワールドカップを終えられるのは良いことだった。
結果は結局そのようになり、日本は決勝トーナメント進出を決めた。青いサムライたちは少し変わった方法でベスト16に駒を進めた。日本とセネガルは勝ち点、得失点差すべて並んでいたが、イエローカードの数が両チームに差をもたらした。もらったイエローカードの数は日本は4枚、セネガルは6枚だった。FIFAのフェアプレーポイントで日本が優位だったことが、セネガルに悲劇をもたらした。
この複雑なポイントのことはさておき、今日の試合に目を向けると、日本に与えられる点数は非常に低いものになるだろう。前半で見せた一つ二つの攻撃を除けば、日本はポーランド陣にうまく入ることができなかった。この日の日本の地に足がつかない試合ぶりを見ると、これがここまでの2試合で素晴らしいプレーを見せたのと同じチームなのかと驚かざるを得なかった。逆にポーランドは必死に勝ちに行っており、その結果スコアが2対0になっていたら日本の決勝トーナメント進出は絶望的になるところだった。後半戦の序盤ポーランドは日本の守備陣を脅かした。59分にラファウ・クルザワのフリーキックを、ゴールポストの前で待ち構えていたベドナレクが素晴らしいボレーでゴールとした。もしチームのエースであるロベルト・レヴァンドフスキが正確に決めていたら、74分にポーランドが2点目をあげていたかもしれない。
その時点でヴォルゴグラードのスタジアムにいた日本人観客たちの不安は頂点に達していた。日本人たちはもう一つの試合状況をスマートフォンで追うのに必死だった。コロンビアがセネガルを破ったと知ると安堵のため息をついた。試合終了の笛が鳴ると美しい景色が展開した。それは試合に敗れた日本も歓喜に沸き、ワールドカップから立ち去るポーランドも、有終の美を飾って嬉しい、というものだった。
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翻訳者:小田里沙子
記事ID:746