過去100年間で最悪の世界経済の危機

2020年06月25日付 The daily Jang 紙
今年度のパキスタンの成長率はマイナス0.4%、2021年度はプラス1%となる見込み──IMF、パキスタンに世界銀行とアジア開発銀行より10億ドルの資金が届く

新型コロナ・ウィルスにより経済活動停滞、何十万何百万もの雇用が消失、2年間で世界の資産総額から12兆ドルが消失──IMF

全世界で4.9%、米8%、独7%、日本5.8%の経済成長率の落ち込み、ヨーロッパ経済では二桁、中国経済のみ成長

世界銀行とアジア開発銀行(ADB)はそれぞれ5億ドルずつ融資、外貨準備高は177億7千万ドル。5月の経常収支は1,300万ドルの黒字──国立銀行スポークスマン

ワシントン(AFP通信、本紙):-新型コロナ・ウイルスにより世界経済は過去100年間で最悪の危機に直面。国際通貨基金(IMF)は、新型コロナ・ウイルスにより引き起こされた経済危機は前例がないものであると述べた。IMFは、新型コロナ・ウイルスによる未曾有の経済的打撃を説明しつつ、世界的に拡大する感染症が原因で世界のGDPは今年度4.9%まで収縮し、コロナ・ウイルスにより2年間で世界の総資産額から12兆ドルが消失する見込みであると述べた。IMFは、今年度のパキスタンの成長率はマイナス0.4%、2021年度はプラス1%となる見込みであるという。[ただ]これ以前にIMFは今年度のパキスタンの成長率は1.5%、来年度は2%止まりである可能性があると予測していたのであり、今やこれを半分に減らした[格好である]。IMFの報告によると、世界は空前絶後の経済危機に直面しており、COVID-19が原因で世界中で経済活動が停滞、その結果、数千万人が失業者となり、改善という点でも目下状況は芳しくなく、経済回復の可能性も危機に瀕しているという。IMFによると、多数の国々は不況に直面せざるを得ない状況で、この不況は2008年から2009年の世界金融危機に較べても倍となる見込みであるという。IMFによれば、唯一成長するのが、中国経済であるが、それもわずか1%といい、アメリカ経済は8%、ドイツ経済はそれより僅かにマシで7%、日本経済は5.8%、それぞれ収縮すると予想され、更にフランス、イタリア、スペイン、イギリスといったヨーロッパ経済に至れば、落ち込みは二桁となる見込みであるという。IMFによれば、今回の経済危機によって、低所得国家とその市民により大きな影響が及ぶこととなり、貧困撲滅の試みにも多大な損失が生じるだろうという。
カラチ(スタッフレポーター、通信各社):-世界銀行及びアジア開発銀行(ADB)より10億ドルの資金がパキスタンに届いた。これは新型コロナ・ウイルス感染症拡大が続く中、経済を改善させる上で一助となるであろう。一方、輸入の大幅な減少のために、パキスタンの経常収支が赤字から黒字に転換し、5月の経常収支は1,300万ドルの黒字となった。パキスタン国立銀行によると、アジア開発銀行、国際銀行がそれぞれ5億ドルを融資し、これを受けて、パキスタンの外貨準備高は177億7,500万ドルのレベルに到達したという。アジア開発銀行からの5億ドルの資金は新型コロナ・ウイルス対策のための医療制度改革に投じられ、同様に、世界銀行から届く5億ドルは、医療制度改革に加え、教育分野の発展に投じられるという。パキスタン国立銀行のスポークスマンによれば、パキスタンの経常収支は黒字に転換し、5月の経常収支は赤字から脱却し、2020年5月のそれは1,300万ドルの黒字となったという。ちなみに、2020年度4月の経常収支は5億3,000万ドルの赤字であり、2019年5月の経常収支は10億ドルの赤字に直面していたという。更にスポークスマン曰く、本会計年度の当初11ヶ月の赤字は前年度より73%少なく、本年度は7月から5月までの赤字が33億ドルであるのに対し、前年度同時期の赤字は125億ドルであったと。


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翻訳者:那須亮太
記事ID:889