シャハバーズ・シャリーフ氏新首相、国民への支援の発表、小麦粉の価格引き下げ、最低賃金2万5千ルピー、給与及び年金の1割増額、ベーナジール所得支援プログラムの復活、レターゲート事件の調査は実施
2022年04月12日付 The daily Jang 紙
イスラマバード(通信各社・本紙・TVリポート):−新たに選出されたシャハバーズ・シャリーフ首相は、首相職への就任宣誓を行った。大統領官邸で行われた式典で、サーディク・サンジャラーニー大統領代行を前に新たに選出されたシャハバーズ・シャリーフ首相は宣誓を行った。式典には、統合参謀本部議長ナディーム・ラザー将軍、パキスタン海空軍の長が臨席したが、陸軍参謀総長カマル・ジャーヴェード・バージュワ将軍の顔はなかった。これに先立ち、国民議会でパキスタン・ムスリム連盟ナワーズ派の党首且つ野党連合統一候補ムハンマド・シャハバーズ・シャリーフ氏が、議会の長(=首相)に選出された。こうして同氏は174票を獲得して、我が国の第23代首相に選ばれた。パキスタン正義運動の首相候補シャー・マフムード・クレーシー氏による首相指名投票ボイコット宣言を受けて新首相就任が確定した。月曜日、国民議会の新首相の選出の席で、議長職を果たしたのは議長団のメンバーの1人、サルダール・アヤーズ・サーディク氏であった。首相選出後、ミヤーン・シャハバーズ・シャリーフ首相は、自身初の演説で次のように述べた。
「レターゲート事件の調査は実施します。国家安全保障委員会において、国軍の長たちと軍統合情情報局の長官の臨席の下、書簡の問題で非公開のブリーフィングが行われる予定です。もし、この件で我々が関与したという証拠の疑いでさえもあるなら、出席者全員を証人にして私は首相職を辞すると申し上げます。我々はインドと良好な関係を築きたいと存じていますが、カシュミール問題の解決まで、地域の恒久的な平和などあり得ません。モーディー首相よ、ご理解あれ。双方に貧困、失業、疾病の問題があります。インド首相よ、カシュミール問題を住民の意思に従って解決しましょう。パキスタンとインド双方の貧困にケリをつけ、発展と繁栄をもたらしましょう。中国との友好関係を安定化し、CPEC(中パ経済回廊計画)の事業に拍車をかけ、経済を立て直しましょう。民主主義と経済の更なる前進のために、行き詰まりに代えて対話を、敵意に代えて相互理解が必要です。国賊は今もいませんし、過去にもいません。年金受給者の即時救済のために、元軍及び元公務員年金受給者の年金を4月1日から10%引き上げましょう。民間部門も給与10万ルピー以下の従業員に対する10%賃上げに応じて戴きたい。ラマザーン・パッケージ(=支援計画)の下、国民は安価に小麦粉を入手できます。ベーナジール所得支援プログラムを復活しましょう。パキスタンの下僕として、4州を分け隔てなく公平に扱い、全土を偏りのない均一な発展の軌道に乗せましょう。学生たちには更に多くのノート型パソコンを支給しましょう。」と。
シャハバーズ・シャリーフ氏曰く、「不信任決議案の可決は史上初のことです。真実が勝利し、偽りが敗北しました。今日のこの日、議会はまがいものの産物たる首相に憲法と法律により退場を願いました。憲法違反を無効とし、「必要性の論理」を葬り去ったことで最高裁判所に感謝します。最高裁判所が判決を下した日は、「パキスタン憲法の栄誉の日」として祝われるべきです。」と。曰く、「過去1週間猿芝居に加え図々しくも嘘に嘘が重ねられておりましたが、見当もつかないのですが、どういった手紙が出てきたというのでしょう。月曜日にも副議長が手紙をちらつかせて見せ、国民議会事務次官に、『この手紙を野党リーダーに見せなさい。』と言ったが、私は今までその手紙を見ていません。これに関しては、物事の筋をはっきりさせなければなりません。」と。
曰く、「この点で、アースィフ・アリー・ザルダーリー氏とビラーワル・ブットー・ザルダーリー両氏との会見は3月8日よりずっと以前に行われています。3月3日に、ムスリム連盟(ナワーズ派)は中央幹部会議の会合で決定し、パキスタン人民党も自らの会議で決定し、PDM(=パキスタン民主運動)に我々はこの問題を持ちだし、この決議を提出しようという決定が下されたのです。我々の決定は、かなり前に行われていたのです。」と。彼曰く、「繰り返し申し上げてきましたが、借金漬けの人生など人生ではありません。もし我々が生きるなら、それ相応の自立した国民として生きるのです。それなくして、我々は失った立場など取り戻すことはできません。どういうわけか何らかの変化の風が吹き、経済と社会が破綻してしまいました。社会にはあまりにも毒が回ってしまっており、毒の混ざった水をかき出すのには何年もかかる見通しです。我々が状況を正しく捉えなければ、歴史が我々を許しません。経済状況は極めて深刻になっています。」と。
彼は、ビラーワル・ブットー・ザルダーリー、ハーリド・マグシー、アミール・ハイダル・ホーティー、モフシン・ダーワル、アフタル・メーンガル、シャー・ザイン・ブグティー、モウラーナー・アスアド・マフムードの各氏に向けて言った、「もしも我々が、この国という泥船を対岸につけたいならば、団結以外には効果的な処方箋はないでしょう。もしも神が望み賜うなら、状況は弛まぬ努力により改善に向かうでしょう。今パキスタンは史上最大の財政赤字に直面しています。経常収支は赤字、2千万人が失業者、何千万というパキスタン国民はインフレの犠牲です。おびただしい数の子どもたちは空腹のまま、食べ物もなく眠りについています。彼らにどうやって眠りが訪れるのか知る由もありません。3年9ヶ月の間に何兆何千億という融資を受けました。前政権が貢献したことは何一つありません。イムラーン・ハーン氏の政権は3年9ヶ月で20兆ルピーに膨らせたのです。」と。曰く、「我々はこの国に発展の新時代を開始しようとしています。」と。
1940年のチャーチルの演説を引用しつつ、曰く、「前政権は今日ここにまでに至らせましたが、私たちには悲しみと涙があるだけです。しかし、勤勉に誠実に努力するならば、必ずや成功を収めるでしょう。これがその唯一の方法です。『物貰いには好みは言えない。』とのたまった御仁(=イムラーン・ハーン)は、過去を振り返りなさい。」と。首相はインド首相を「我が地域の貧困と失業問題の解消及び繁栄のためにも、カシミール問題をカシミールの住民の希望に沿って解決するべきです。」と招き、曰く、「私たちはパキスタンの分裂の上に分裂を生む悪循環を終わらせるべきです。我々は亀裂をなくし、一致団結して諸問題を解決すべきです。我々は対等なレベルで、アメリカとの関係を強固にする必要があります。」ところで、パキスタン人民党党首ビラーワル・ブットー・ザルダーリー氏は、「シャハバーズ・シャリーフ氏の首相選出に、祝意を表します。首相とその政権の前途には、難問が山積しています。」と述べた。
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翻訳者:有元百花
記事ID:1042