Ismet Berkanコラム:EUの求める小数派保護政策-best practice in Member States(Radikal紙)
2005年11月11日付 Radikal 紙

欧州委員会がトルコに関して発表した加盟パートナーシップ文書(KOB)は次期の欧州評議会で承認され公式なものとなる。このKOBに規定されたある文句に私は大きな関心を持った。まずはその文句の英語版をお伝えしよう。"Ensure culturel diversity and promote respect for and protections of minorities in accordance with the European Convention on Human Rights and the principles laid down in the Council of Europe's Framework Convention for the Protection of National Minorities and in line with best practice in Member States."

この文は昨日のラディカル紙でこのように訳された。『文化の多様性を保持し、欧州人権条約と、欧州評議会国内少数民族保護枠組み条約と、加盟国の最も優れた慣行に沿った形で少数民族への配慮と保護を促進すること』。この文章は非常に複雑で、専門家でない読み手には何の説明にもならないが、特にひどいのは「加盟国の最も優れた慣行に沿った形で」という部分である。つまりEUは、加盟国の間でさえ統一された対処方法が成立していない国内少数派という分野で、我々に、最も優れた方法を持つ加盟国と同じような方法を実現させるよう求めているのだ。よろしければEU加盟国の国内少数派への様々な対処方法を見ていただきたい…

例えばスペインでの国内少数派といえば国内のある地域を連想させる。自分たちの土地で自分たちの議会と地方政府を持ち、決められた自治の範囲で行動している。自分たちの言語を第2公用語として使っている。英国では、そもそも国内少数派は自分たちの「国」を持っている。議会も「文化省」といった省庁も持っている。スコットランドには中央銀行や独自のお金の単位まである。ウェールズとスコットランドではケルト語が第2公用語であり、全ての学校で教えられている等…

フランスでは国内少数派は1つの集団としては認められていない。ブルターニュ語は禁止ではないが公式には奨励されておらず公用語ではない。ギリシャは国内にアルバニア人少数派がいることを認めていない。トルコ語はもちろん公用語ではないがローザンヌ条約のおかげでトルコ人学校ではトルコ語で教育がなされている。ハンガリーはジプシーという少数派の存在を認めているがジプシー語は公用語としては一切使われていない。ポーランドではかなりの数のロシア人少数派が暮らしている。ポーランドはこの少数派の存在をしぶしぶ認めたが、彼らをロシアに送り返すためにあらゆる努力をしている。ロシア語は公用語ではない。EU加盟国の状況をまだまだ書き連ねていくこともできるが、おそらく私の言いたいことは伝わっただろう…

わが国にも国内少数派がいる。欧州の友邦たちが考えているようなクルド人だけではない。チェルケズ、ボシュナック、アラブ、ラズ、ポマック、ジプシーもこの国にはいるのだ。(ここに挙げたのはまず頭に浮かんだものである)
EUはこれらの少数派に対し我々が正しく接するよう求めている。彼らを否定しないこと、彼らの文化を抹消しようとしないことを求めている。そしてまたそれ以上のことも求めているのだろう。

では具体的にはEUは何を要求しているのか?ここに曖昧さがあるのだ。EU内でこの問題に関して統一された対処方法がないことはすでに書いた。EUは我々に「最も優れた」対処方法に沿うよう求めているが、では何による、誰にとっての最も優れた方法なのか?
例えばデヴレト・バフチェリはギリシャの採っている方法がトルコにも合うと考えるかもしれない。レイラ・ザナならスペインや英国のような方法を選ぶかもしれない。誰もが自分にとっての最も優れた方法を選ぶだろう。同じような分裂が欧州の仲間たちにはないと言えるだろうか?私は言えないと思う。明日に続く…


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( 翻訳者:加賀谷 ゆみ )
( 記事ID:1275 )