Ismet Berkanコラム「イスタンブルに3つめの空港」(Radikal紙)
2005年06月10日付 Radikal 紙

 いつからこの話題が始まったのか把握していないが、突然イスタンブルのヨーロッパ側に3つめの空港が作られるというニュースが各紙に載るようになった。友人に聞いたところ、発端はエルドアン首相の発言らしい。交通省大臣も先日、3つめの空港ができるという「吉報」を伝えた。もちろん各紙は土地投資家のために今から空港ができるという場所を予測し始めた。
 
我々ラディカル紙も報道部会議で何日もこの問題を取り上げている。なぜなら今イスタンブルにある2つの空港でさえ、受容能力いっぱいに使われているわけではないからである。つまり、アタテュルク空港(訳者注:イスタンブルのヨーロッパ側にある。タクスィム広場まで25キロ。年間の受容能力は約2750万人。2004年の利用者は約1560万人で、50%以下の稼動率。)であれ、いまだにきちんと使われていないサビハ・ギョクチェン空港(訳者注:イスタンブルのアジア側にある。タクスィム広場まで50キロ。名前は世界初の女性戦闘機パイロットに由来。年間の受容能力は約350万人。2004年の利用者は約24万6000人。約7%の稼働率。)であれ、キャパシティーにはまだまだ余裕がある。
 
一方ではチョルルにある、軍保有の空港もイスタンブルの予備として、特にロシアや旧東側諸国からの便に使われている。こういった状況の中、3つめの空港を作ろうというのはどういうわけだろうか。誰か私に教えてほしいものだ。
 
私としては、イスタンブルにはアタテュルク、サビハ・ギョクチェン両空港のような空港の3つめは必要ないと思う。そもそも一般的に大きな都市には空港は2つである。3つではない。世界の最も忙しい空港のいくつかは地域の唯一の空港である。イスタンブルは長い間目指されてきたような、中東のハブ空港になれるだろうか?おそらくなれないだろう。そのポジションはドバイのものになってしまった。それでもある種の航路ではイスタンブルはハブ空港である。それは中央アジアへの航路だ。
 
実際のところ、イスタンブルはそれほど空の交通量の多い都市ではない。もちろん1年のある時期、1日のいくつかの時間帯では交通は多くなる。しかし2つの空港しかなく、1年中1日中イスタンブルの倍ほど込み合うロンドンでですら、3つめの空港を作ろうという動きはない。
 
空港を作るというのは都市にとって非常に難しい判断である。空港は都市計画から環境にまで、大きな影響を与えるからだ。イスタンブルに3つめの空港を作ってもこの都市にとって全くプラスにならない。かえって都市の有機的つながりを壊してしまうだろう。
 
はじめにも言ったように、まずはアタテュルク空港を能力いっぱいに使い、サビハ・ギョクチェン空港の利用率を上げるよう努める必要がある。それはどうすれば可能か?トルコの知名度を上げることと、トルコ航空がより積極的に動き海外便の規模を縮小する代わりに拡大すること…。おそらく「グローバルな航空会社」を名乗りながら国際的な宣伝広告をしていない航空会社はトルコ航空くらいだろう。
 
サビハ・ギョクチェン空港はトルコ共和国が始まって以来、最も莫大な費用をかけた空港である。本来、人々や政治家はこの費用に頭を悩ませていなければならないのだが、軍が関わっているため堂々と調査もできないのだ。我々は膨大なお金を使われない空港のために払ってしまった。今同様の金額を全く使われないと予想される3つめの空港に使わないようにしたい。


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( 翻訳者:加賀谷 ゆみ )
( 記事ID:183 )