アンテプ名物、バクラヴァ作りの名家めぐり「男子継承」の伝統退ける判決(Milliyet紙)
2006年01月14日付 Milliyet 紙

ギュッリュオール一族の家業であるガズィアンテプ名物の甘いお菓子、バクラヴァ作りを受け継ぐ唯一の女性であるネシェ・ギュッリュさんは、同じ一族の男性と争った民事裁判で勝利した。
 
ネシェ・ギュッリュさんは、バクラヴァ作りで有名なギュッリュオール一族の「家業は父親から息子へ継承される」という登録証の文言に基づく伝統を覆し、家業を受け継ぐ唯一の女性となった。つい先日、女性の継承を許すかどうかで話題となったガズィアンテプのギュッリュオール一族の男性は、ネシェさんと裁判で争っていた。「私はこの一族の子息ではないんですか」と語るネシェさんは、周囲の反発をものともせず、争った民事裁判で勝利して一番新しい支店を先月イスタンブル郊外のゼイティンブルヌに開いた。

■父親は賛成
ネシェさんは、4人の子どもを持つジェリレ、ハリト・ギュッリュ夫妻の一人娘である。子ども時代をガズィアンテプで過ごした。小学校は卒業したが、父親は彼女が中学校に進むことを望まなかった。なんとか芸術学校への進学を果たしたネシェさんは、1976年に結婚しイスタンブルへ移住した。子どもたちが大学へ行き始めたのを機に仕事を始めたネシェさんは、仕事に家業のバクラヴァ作りを選んだ。登録証には「女子はバクラヴァ屋になれない」と記載されていたが、父親のハリト氏はネシェさんの決断を後押しした。

■一族男性に反旗
父親と共同で最初の店をカドゥキョイに開いたネシェさんは、続いてボスタンジュ、アタシェヒル、ドゥドゥッルに支店を開いた。ところが父親の他界後、一族の男性たちはネシェさんに店を閉めるよう求めたという。ネシェさんは、「店は父が私に残してくれた遺産。裁判で決着をつけても結構です」と反発し、起こした裁判に勝利、登録証の持ち主にもなったという。

■全ての材料はアンテプから
バクラヴァの味が店ごとに違ってはならないと話すネシェさんは、「バクラヴァの材料であるでん粉、小麦粉、ピスタチオはガズィアンテプから取り寄せ、職人も現地から迎えている。生地を焼く釜にも石釜を使っている。バクラヴァの生地は35層になっている」と語った。一日に100キログラムのバクラヴァを販売すると話すネシェさんは、「週末や祝祭日は特に多く売れます」と話した。

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( 翻訳者:清水 葉月 )
( 記事ID:1709 )