ハーリド・マシュアル氏、イラン訪問
2007年03月07日付 E'temad-e Melli 紙

イスラーム抵抗運動「ハマース」のハーリド・マシュアル政治局長が、イランを訪問中である。彼は、今回の定期訪問で中東地域を回っており、最後にイランの政府関係者と会談する予定である。

前回、同政治局長がテヘランを訪れたのは、昨年のエスファンド月(2006年2月)のことであった。それはハマースが、パレスチナ立法評議会で最多議席を獲得し、政権を手中にしたものの、西側諸国からの政治的、経済的制裁に直面していた頃で、訪問中、パレスチナ政府にとって不可欠な援助をイランから受けていた。ハマース代表団のテヘラン訪問の間、この援助は繰り返されていた。

マシュアル氏は昨年、テヘラン大学工学部を訪れた際、ある学生が「イスラエルがイランを攻撃してきた場合、ハマースは何をするか」と質問したのに対し、「我々はあなたたちのために祈る。恐怖を抱くことはない。イランは、自力で国家を守ることができる。イスラーム共同体は、敵との戦いにおいて一丸となる。」と答えた。

このときマシュアル氏の傍に座っていたテヘラン大学学生イスラーム協会代表は、「イラン人学生の側から言わせて貰えば、イスラエルは、如何なる時もそのような過ちを犯すことはできない。もし、そのような過ちを犯せば、我々はイスラエルの全てを破壊する。」と述べた。

マシュアル氏もまた、笑みを浮かべて、「しかし、もしイスラエルを滅ぼすならば我々に災難が降りかかるであろう。」と答えた。

マシュアル氏は昨日テヘラン入りした。今回の訪問で、イランの政府関係者にメッカ合意の詳細と最近のパレスチナ情勢、特にパレスチナ統一政府発足について伝えることになっている。

ハマースのマシュアル政治局長はまた、この訪問の中で近く発足するパレスチナ統一政府に、さらなるイランの政治的支援を求めるものと見られる。これらの支援は、一方でメッカ合意の強化を促すものとなり、他方で、パレスチナ国家の安定と統一を支持するものである。

同氏は、ハマースの政治局長であるが、選挙にハマースが勝利した後、政府には入らず、ダマスカスに留まっている。現在51歳であり、ラーマッラー生まれである。彼の家族は、1991年の湾岸戦争まで、クウェートにいた。彼はクウェート大学を卒業後、ダマスカスに向かった。そしてパレスチナの外における、ハマースの政治的顔となる。

マシュアル氏は最近、イスマーイール・ハニーヤパレスチナ首相とともにメッカに向かい、パレスチナ自治政府のマフムード・アッバース大統領との会談で、ハマース、ファタハとテクノクラートが参加して連合政権を樹立することで合意した。もちろんハニーヤ氏はそのまま首相の地位に留まる。しかし、ハマースは現在、イスラエルに対する抵抗を推し進めており、イスラエルを公式に国家として認めていない。

マシュアル氏はこれまで、イランやシリアがパレスチナの内政に干渉しているのではないか、またハマース自体イラン政府やシリア政府の影響下にあるのではないかといったことを度々否定している。

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( 翻訳者:藤川淳 )
( 記事ID:10388 )