スパイ網、摘発される:情報省関係者、詳細を公表
2007年05月30日付 Iran 紙

 情報省スパイ対策総責任者は、複数のスパイ網が発見されたことについて詳細を明らかにし、「西アゼルバイジャン州、コルデスターン州、イーラーム州、ケルマーンシャー州、ハメダーン州、及びテヘラン州の各州で活動をしていたスパイ網が特定・摘発された」と述べた。

 イラン国営通信(IRNA)の報道によると、この治安関係者は昨日、記者らとのインタビューの中で、「これらのネットワークの構成員らは、国内各所に分かれて活動を行っていた。大規模な工作に成功する前に、彼らを特定し逮捕した」と述べた。

 同氏はまた、これらのスパイ網は破壊活動やテロ、拉致、重要施設の撮影などを自らの工作活動の一部としていたとし、さらに「これらの活動は、イラク占領軍の諜報機関の監督下で行われていた」と述べた。同氏はまた、「これらのスパイ網は、国外で開かれる多くの学術会議を標的として〔研究者らとの接触・情報収集を行って〕いた。これらの学術会議には、我が国の一部の著名な研究者も参加している」とも語った。

 情報省スパイ対策総責任者はさらに、これらの外国の機関は〔研究者その他との間に〕最初簡単な関係を作った上で、その関係を諜報関係へと変えるべく画策していると指摘、「この件に関し警告したいのは、すべての外国人が信用できるわけではないということだ」と注意を促した。

 同総責任者はスパイ網の摘発に関し、「これらのネットワークは、自らの目的を達成するために、さまざまな方法を用い、国境地帯がもつ可能性を活かしながら、工作活動を続けていた」と指摘、さらに「イラク占領軍の諜報機関はこれらの人々〔情報提供者としてスパイ行為に協力した人々〕に対し、特定の国に居住する〔権利を与える〕、査証を付与する、奨学金などの金銭的な援助を行うなどといった偽りの約束をして〔スパイ行為への協力をさせて〕いた」と続けた。

 同総責任者はまた、「これらの機関は、特定の工作活動を実行するために〔協力してくれる〕人々を選ぶ際、脅迫行為を行ったり、エサを仕掛けるなどしていた」とも述べた。

 同氏はその上で、「彼らの破壊活動を特定し、無力化し、阻止する計画が組まれた。そして司法手続きを経た上で、短期間のうちに彼らにたどり着き、スパイ網の特定・摘発へと至った。このような諜報活動は、現在も続けられている」と語った。

 この治安関係者はまた、このようなスパイ網には決定的な打撃が加えられたと指摘した上で、「もしこのネットワークの下で、限られた一部の者たちが活動を続けるとしても、彼らはわれわれのコントロール下にあり、早晩特定され摘発されるだろう」とも述べた。

 同氏はまた、イラクでテロ活動が拡大しており、占領軍は同国の治安を確立することができていないとした上で、「彼らは自らの問題をイラク国外、特にイラン方面へと持ち込もうとしている」とも指摘した。

 同氏はまた別の箇所で、「これらのスパイの多くがイラン国籍の者たちであったことは、実に残念である。我が国の国民や国境地域の人々が、外国の諜報機関の罠にかかり、悪しき目的のために利用されるようなことがないよう、われわれとしても注意しなければならない」と述べた。

 情報省スパイ対策総責任者は続けて、国内メディアに対して同省への協力を要請した上で、「我が国に対する情報侵略活動は、広範囲に及んでおり、多くの場合、すべての市民・体制関係者がともに警戒すべき領域にも浸透している」と指摘、さらに電話による接触はスパイ機関にとって〔格好の〕諜報手段となっているとして、「市民、特に体制関係者は、偽善者によって情報が漏洩するようなことがないよう、注意すべきだ」と述べた。

 同総責任者は、アメリカやイギリス、シオニスト体制の諜報機関は国境地域に住む同胞らを利用しようと画策していると指摘し、次のように述べた。「われわれは国境地域の社会状況について熟知している。もし国境地域に住んでいる人々が密輸行為に走ったとしても、国は彼らの行為を見逃し、容赦することもありうるだろう。しかし、もし彼らが危険な諜報分子となって、書類の偽造や人々の国外脱出の手助け、特定の機器を用いた情報の受け渡し、その他同種の行為に手を染めるならば、われわれとしても見過ごすことはできない。このような行為は裏切り行為であるとみなされ、政府・体制がそのような人物を容赦することはない」。

 同氏はこの種の行為が国境地域で続けられていることについて、「市民には迷惑をかけるが、国境地域に何らかの制限を加えざるを得なくなるかもしれない」と述べ、警告を発した。

 情報省スパイ対策総責任者は、スパイ行為は我らが勇敢なる国境地域の住民にふさわしい行為ではないと述べた上で、「アメリカやイギリス、イスラエルの諜報機関は、国境の向こう側で電話を盗聴して、家族に関する情報を入手している。彼らはこのようにして〔得られたプライベートな情報を通じて〕、若い男女に圧力を加えては協力を求め、あるいは国外へ出るよう要求している」と指摘、さらに「国外へ出た者たちの多くは、外国人たち、特に外国人兵士らの非倫理的な行為や諜報活動に利用されている」と語った。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:11054 )