好評、『宮廷女官チャングムの誓い』をめぐって:チャングムが私たちの家にやってきた!
2007年06月12日付 Iran紙

【バフマン・アブドッラヒー】1980年代半ば、イラン国営放送第2チャンネルで放送されていたある連続ドラマが、当時数週にわたって、第2チャンネルで最も視聴率の高い番組となったことがあった。

この連続ドラマは、イランでは『家から遠く離れて』というタイトルになっているが、人々の間では『おしん』の名で知られている。20年前のテレビの視聴者は、この日本のドラマが毎週土曜の夜に放送されていて、その放送中の45分間は国中の混雑した通りが静まり返り、街に人気がなくなったのを良く覚えている。

そして最近、たまたま第2チャンネルで放送されている『宮廷女官チャングムの誓い』が、多くの視聴者に80年代の東洋の連続ドラマの記憶を蘇らせている。これらは『北の国から』、『はね駒』、『パパは独身』など、多くが日本で制作されたもので、『おしん』ヒット後、イランのテレビに次々と流入してきたものであった。

『宮廷女官チャングムの誓い』は、韓国テレビが制作した中で最も重要なものだが、今日の視聴者の状況も80年代とは大きく異なる中、様々なチャンネルで放送される国内外の作品をリードしている。

今日、80年代に比べてチャンネル数が2から7に増え、インターネットやその他の媒体が家庭に普及して、イランや外国の最新映画が非常に利用しやすくなり、さらにテレビ番組の放送時間が大幅に拡大したことなどを思うとき、このドラマが歓迎されていることには、ただ事ではない重大さがある。

こうした中、一つの疑問が残る。この韓国ドラマは、どのようにしてこれほどまでに視聴者たちの注目を集め、彼らの中に浸透したのだろうか?

(中略)

●チャングムの単純な世界

『宮廷女官チャングムの誓い』は韓国で視聴率が最も高いテレビ番組であり、アジア、さらにはヨーロッパ各国でも視聴者の最も多いドラマの一つであるが、イランでも、エスファンド月(西暦2〜3月)に行われたイラン放送協会の世論調査で、第2チャンネルの高視聴率番組番付で1位となった。このドラマは『秘密の鍵』、『わたしはわたしじゃない』など同様のドラマに先立って視聴率86%を獲得しており、また全チャンネルの中でも85%の視聴率で高視聴率番組第2位となっている。

現実世界及びインターネットの仮想世界でこのドラマの写真が幅広く普及し、DVDが売られ、そしてちまたでは、このドラマの終盤の数話が放送されないのではないかとの噂が熱く飛び交っていることが、このドラマの人気をよく物語っている。

結局、ホルダード月初め(西暦5月下旬)、第2チャンネルの番組供給部長が、終盤の数話を省略するとの噂を否定して次のように述べた。「このドラマの全54話の吹き替えは9ヶ月にわたる作業をすでに終了している。放送はバフマン月(西暦1〜2月)に終了する予定だ」。

テレビで連続ドラマを放送することの当然の特質、それも、時に数十話に及ぶこともある連続ドラマならば、自然に視聴者をストーリーと主人公に親しませ、自分が主人公になったような感覚にさせるという当然の特質は別にしても、今回の『宮廷女官チャングムの誓い』シリーズには他の要素も関係しているようだ。

人気を博するこのドラマを通して観たうえで、これにはまっている熱狂的な視聴者の意見を聞いてみると、「チャングム」が魅力的な主人公として視聴者の目に映っていることがわかる。広い心で数々の困難や不幸、障害、苦難を乗り越え、非常な努力で自らの気高い目標に近づいていく様から、チャングムが自分の存在の一部であるかのように映る。これはまさに映画のシナリオライターによるキャラクター作りで生じる自分と主人公の同一視である。もちろん、テレビでは、それに取り組むのに十分な時間がある。

一方、物語に出てくる善人と悪人の対立が一種のコントラストを生み、単純さを好む視聴者に、よりわかりやすく善悪を描写している。こうした理由から、ストーリーと登場人物の人間関係の合間に描かれる愛と憎しみ、争いと抵抗、怒りと穏やかさ、強情と気楽さ、忠実と裏切りといった概念が、視聴者がより的確に内容に接するのを助けている。

このドラマは近年で最も道徳的価値の高いテレビドラマの一つに数えられているが、このように道徳的問題を扱うことも、視聴者を魅了する点で製作者を利している理由の一つである。

また、歴史・文化的問題や、料理、家事、食材といった家庭の日常的な問題など、ドラマの本筋から離れた問題が十分考慮されていることも、視聴者に強い感動を与えている。これらの要因が全て相並んで、東洋の視聴者一般、特にイランの視聴者を感動させ、「チャングム」という女性を熱狂的に擁護する原因となっている。

(後略)

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(翻訳者:白峰侑子)
(記事ID:11153)