タヴァッコリー議員、最近の内閣改造を批判
2007年08月14日付 Jam-e Jam 紙

【政治部】アフマド・タヴァッコリー議員は最近の内閣改造について、「われわれが知る限り、しばらく前から〔石油省と鉱工業省の〕二つの省の一部の次官を交代させ、特定の人物を起用するよう要求する働きかけが〔大統領の側から〕あったと聞いている。タフマーソビー氏〔前鉱工業相〕とヴァズィーリー氏〔前石油相〕は、新たな次官として〔大統領から〕推薦された人物には次官としての適性が欠けているとの判断から、このような動きに対して反発を強めていたという。彼らが大臣職から交代させられた主要な原因も、このことにあるのではないか」との見方を示した。

 国会調査センターの所長を務めるタヴァッコリー議員は、ニュースサイト《アレフ》とのインタビューの中で、さらに次のように語った。「氏名を明らかにするつもりはないが、前石油相と前鉱工業相の二人が〔大統領から新たな次官として推薦された〕これらの人物を受け容れようとしなかったことは、正当なことであったと思う。もちろん、私は前大臣二名の仕事をすべて擁護するつもりはない。いずれにせよ、石油相代理〔=次官〕のような重責を石油省とは何の関わりもなかった人物に任せることなど、不可能だ」。

 テヘラン選出のタヴァッコリー議員はまた、《予算法補足第13項政策実行本部》の責任者〔=メフラービヤーン氏〕を鉱工業相代行に任命し、同本部責任者を別の人物に変えるというやり方は好ましくないとの見方を示し、さらに次のように指摘している。「予算法補足第13項の実施をフォローし、古くから残されてきた問題の解決—これはアフマディーネジャード政権と第7期国会の勇敢かつ評価すべき業績の一つである—に向けて動き出しているさなかに、責任者の立場にあったメフラービヤーン氏を引き抜くような行為をするのは、いかがなものか。彼もやっと実行本部の仕事に慣れたところだったのだ。大統領は実行本部のきわめて重大な仕事をフォローすることに対して、真剣に考えるべきだ。学校や大学が始業するメフル月〔9月23日〜〕はすぐ目の前に迫っているのだ」。



訳注:アフマド・タヴァッコリー議員はこれまで2度大統領選に立候補したことのある、保守派の大物議員。《革命原理主義》の思想を最初にイラン政界に持ち込んだ人物の一人とされる。国家安全保障最高評議会書記のラーリージャーニー氏とは従兄弟の関係にあたる。また、同議員は革命初期から政界で活躍、一時労働相を務めた。保守派有力紙『レサーラト』の創刊に携わった後、イギリスに留学し、経済学の博士号を取得している。

ここで述べられている《予算法補足第13項》とは、1386年〔2007/8年〕予算法で、ガソリン消費を抑えるために、低燃費自動車の導入や天然ガス自動車の開発、公共交通機関の拡充などとあわせて、スマートカードによるガソリン配給制の実施を定めた部分を指している。

タフマーソビー前鉱工業相に代わり鉱工業相代行に任命されたメフラービヤーン氏は、それまでガソリン配給制の実施状況とその問題点等を国会の側から監督・協議する本部の責任者であった。9月下旬からイランの学校は新学年が始まることから、この時期から交通量が急増する。このため、ガソリン配給制の実施にも何らかの修正や対策が必要となることも予想され、このことからタヴァッコリー氏はメフラービヤーン氏のアフマディーネジャード大統領による引き抜きを批判しているものと思われる。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:11668 )