鉱工業相・石油相が辞任:重要閣僚更迭劇の背景
2007年08月13日付 Jam-e Jam 紙
右からヴァズィーリー=ハーマーネ前石油相、タフマーソビー前鉱工業相、ノウザリー石油相代行、メフラービヤーン鉱工業相代行
右からヴァズィーリー=ハーマーネ前石油相、タフマーソビー前鉱工業相、ノウザリー石油相代行、メフラービヤーン鉱工業相代行

【政治部】第9政権〔=アフマディーネジャード政権〕の鍵を握る二つの省庁、すなわち鉱工業省及び石油省に重大な人事改造が行われたとの報は、最重要ニュースとして、昨日(8月12日)午後さまざまなニュースサイトを賑わせた。

 タフマーソビー鉱工業相の辞任に関するニュースは、数日前からメディアの間で言及されていた。しかし、石油省トップの入れ替えは時折プレスの話題にはなっていたものの、予想外の出来事であった。

 アフマディーネジャード大統領は昨日、セイエド・カーゼム・ヴァズィーリー=ハーマーネ石油相を解任し、ゴラーム・ホセイン・ノウザリーを石油相代行に任命した。また同様に同大統領は、アリー・アクバル・メフラービヤーンを鉱工業相代行に任命した。

 同大統領はまた、ヴァズィーリー=ハーマーネ前石油相を石油・天然ガス担当大統領顧問に任命した。今回石油相代行に任命されたノウザリー代行は、国営石油公社の前社長であった。

 これより前、イラン国営放送の前運営・財務担当副総裁を務めていたアリー・キャルダーンが、ヴァズィーリー=ハーマーネに代わって石油相に任命されるのではないかとの報道が伝えられていたが、このニュースが政財界に伝えられるや、一部の専門家や国会議員からは否定的な反応が起きていた。

 一部の筋によると、アフマディーネジャード大統領はイラン国営石油公社の収入と支出を透明化し、監査を導入すること、そしてきわめて複雑な手法で石油関連の収益やプロジェクトから利益を得てきた、過去の政権に近い一部の政治グループを、この「大いなる食卓」から締め出すことを意図しているという。言うまでもなく、大統領は石油相を変えることで、この重要課題への取り組みを加速化しようとしているのである。

メフラービヤーン氏が鉱工業相代行に任命

 第9政権で行われたもう一つの内閣改造は、アリー・レザー・タフマーソビー鉱工業相の解任であった。セイエド・モジュタバー・サマレ=ハーシェミー大統領上級顧問は、タフマーソビー辞任の理由として、国の産業部門の強化、同部門と第9政権が掲げる諸々の目標・計画・体制とのよりいっそうの整合性の確保、そして鉱工業分野の改革への意欲を挙げた。

 政府に近い一部の筋によると、タフマーソビーは以前から解任の圧力に晒されており、解任される前に自ら正式に辞任を申し出るよう促されていたという。

 専門家によれば、平均10.5%であった工業部門の成長率は、今期およそ5%と推測されている。政府の経済・産業政策の不透明さ、利率の低下、物品にかかる関税の引き上げ、密輸の増加、そして価格統制によって、産業部門は方向性を失い、同部門の成長は著しく損なわれているのである。

 他方、一部非公式筋は、アフマディーネジャード政権を担ってきた鉱工業相の辞任理由について、次のように伝えている。「バズルパーシュとアーシュティヤーニーの二人は、地方議会選挙での落選後、鉱工業省に入り込み、大統領の意向によって、バズルパーシュはパールス自動車の代表取締役として活動を開始した。ヴァーエズ=アーシュティヤーニーもまた、近々ガルエバーニーの代わりにSAIPA自動車の代表取締役に推薦されることになっている。これに対して、アリー・レザー・タフマーソビー鉱工業相は反対を表明していた。鉱工業省の最重要部門である自動車製造部門に〔大統領から〕役員を押しつけられたことが、タフマーソビー辞任の最も大きな理由のひとつとなっている」。

 バズルパーシュは全自動車メーカーの合併を模索しており、この案に対して大統領も賛同している模様である。

〔訳注:バズルパーシュもアーシュティヤーニーも、ともに前テヘラン市議会議員で、元テヘラン市長であるアフマディーネジャード大統領の側近。バズルパーシュはアフマディーネジャードが大統領になった後、大統領顧問を務めていた〕



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( 翻訳者:柴田愛子 )
( 記事ID:11656 )