イラクのマーリキー首相、ダーヴーディー副大統領と会談:イラン・イラク関係拡大について協議
2007年08月09日付 Iran 紙


【政治部】イランのパルヴィーズ・ダーヴーディー第一副大統領は、イランを訪問したイラクのヌーリー・アル=マーリキー首相を正式に出迎えた。その後、イラン・イラク両国の高官らによる合同協議が、昨日の正午行われた。

 大統領府広報局の発表によると、パルヴィーズ・ダーヴーディー氏とヌーリー・アル=マーリキー氏はこの協議の中で、二国間関係の発展に対するイラン・イラク両政府の関心と決意に触れ、様々な分野での協力や関係の拡大に向けて、あらゆる可能性を活用する必要があることを強調した。

 イラン第一副大統領とイラク首相はまた、イラン・イラク両国とその国民には深い文化的・歴史的紐帯があることに言及した上で、「イラン・イラク間で締結された合意は、いくつかの障害を排除することで、早急に実行に移されなければならない」と表明した。

 また、ダーヴーディー氏は協議の中で、イラク情勢の安定はイランにとっても地域にとっても利益となると述べ、さらに「イラン・イスラーム共和国は常に、イラクにおける治安の確立と強化を支援するために特別な配慮をしている」と付け加えた。

 ダーヴーディー第一副大統領はイラク復興のために、イラン政府は同国政府・国民に協力・支援を行う用意があるとした上で、「前〔フセイン〕体制や〔アメリカによる〕占領によって生じたさまざまな破壊からの復興を加速させることは、国の将来や治安確立への希望・努力に対するイラク国民の士気を高めることにつながるだろう」と強調した。

 ダーヴーディー氏は、サッカーのイラク代表がアジア・カップで勝利を収め、優勝を果たしたことは、この国の若者たちの信仰の強さと活気の表れであり、全てのイスラーム諸国もこれを喜んでいるとした上で、次のように語った。「イラクの人民と若者たちは、高邁な努力と溢れんばかりのエネルギーを保ち、希望とやる気を失わないならば、占領者の撤退と治安の確立に道を開くことができるだろう」。

 副大統領はまた、イランが様々な国で行っている投資や種々のプロジェクトに言及し、次のように述べた。「石油精製施設や発電所、石油化学工業、病院、上・下水道網、電力供給、通信、ビル建設、工業団地建設、博覧会の開催、学術・教育面での協力などを初めとする豊富な分野で、イランの専門家・投資家らはイラクに参加・協力することができる」。

 他方イラン・イラク両国の高官らによる合同協議において、イラク首相は同国の治安確保と発展に対するイラン当局の支援に感謝の意を示し、さらに「イラクは、国土の復興と国民の窮状の解決の為に、イランとの関係を発展させ、さまざまな分野で同国の経験を利用したいと考えている」と述べた。

ヌーリー・アル=マーリキー氏とアリー・ラーリージャーニー氏の会談

 イラクのヌーリー・アル=マーリキー首相とアリー・ラーリージャーニー国家安全保障最高評議会書記は会談を行い、イラクの政治・治安情勢について検討するとともに、地域情勢や二国間関係をめぐる諸問題について話し合った。

 中央報道センターが伝えたところによると、この会談でラーリージャーニー氏は、イラクの治安問題の解決に関して、イラン政府が同国を支援する用意があることを表明したという。この会談ではまた、様々な分野における両国の協力関係の強化が強調された。

イラク首相、誘拐されたイラン人外交官の家族と面会

 ヌーリー・アル=マーリキー首相は、アメリカ軍に拘束中の在アルビール・イラン領事館職員〔5名〕、及びそれ以前に拘束されていたイラン人2名の家族と面会した。

 イラク首相はこの面会において、拘束中のこれらの人々の解放に向けたイラク政府の様々な措置について家族に説明し、「イラク政府はこれら7人の解放の為に最善を尽くすつもりだ」と表明した。

 ヌーリー・アル=マーリキー氏はアメリカ軍に捕らわれている人々の解放に関して、楽観視しているとの立場を示すと同時に、在アルビール・イラン領事館職員の拘束というアメリカの行動に対して、遺憾の意を表明した。

 今回の面会で、イラン人外交官の家族らは本件に関するヌーリー・アル=マーリキー氏の努力に感謝の意を示した。

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( 翻訳者:中谷登紀子 )
( 記事ID:11683 )