「大学が抱える文化的問題の多くは、学生結婚によって解決される」:全国大学最高指導者代理人事務所長が語る
2007年09月03日付 E'temad-e Melli 紙

【ISNA】全国大学最高指導者代理人事務所長〔※1〕のモハンマディヤーン師は、全国の大学の学長、及びこれらの大学に設置された最高指導者代理人事務所の関係者らによる合同会議の席上で、「革命の原則と亡きイマーム・ホメイニーの路線を強調する政権が国政を担い、さまざまな希望を人々の心に植え付けていることに対し、われわれは神に感謝する」と述べた。この合同会議には、アフマディーネジャード大統領も出席した。

 同師はさらに、〔アフマディーネジャード政権発足以来〕過去2年間、大学は平穏さを享受している〔※2〕と述べた上で、「もちろん、大学という場に緊張を持ち込もうとする者どもがいることは事実だ。しかし、彼らの目論見は実を結んではいない。それは、各大学長と最高指導者代理人事務所責任者が互いに協力・協調した成果である。この二年間、私利私欲を追求する勢力は、大学という場を悪用することに失敗してきたのだ」と語った。

〔中略〕

 同師はまた、各大学が可能な限りその地方に根ざすべきだとし、さらに既婚者用の学生寮の充実を訴えた。

 モハンマディヤーン師はその上で、「われわれが大学で抱えている文化的問題の多くは、結婚によって解決され、その結果大学に平穏さが確保されるはずだ〔※3〕。われわれが政府に期待したいのは、学生らに結婚を奨励するような施策、例えば既婚者用の学生寮の充実に向けて努力していただきたいということである。なぜなら、この問題が解消されるならば、われわれが大学で抱える文化的な問題が一部解決され、大学に平穏さが確保されるからである」と語った。



※1:イスラーム共和国のトップに位置する最高指導者は、「イスラームの道から外れぬよう、有識で公正なイスラーム法学者が社会の後見人として、国のあらゆる分野を監督すべきだ」とする、ホメイニーの「法学者の監督」論を具現化すべく、ほとんどの国の機関や半官半民組織に、自らの「代理人」を派遣している。大学も例外ではなく、イランの各大学には、最高指導者の代理人が派遣され、大学の活動を監督している。大学は前体制では「世俗主義」の象徴となってきた歴史的経緯から、「大学と神学校の協調」を合い言葉として、イスラーム法学者による大学への監督が特に重視されている。このようにして全国の各大学に監督者として配置された最高指導者の代理人の統括組織が、「全国大学最高指導者代理人事務所」である。

※2:ハータミー大統領が政権を担っていた8年間、イランの大学では学生運動が盛り上がりを見せ、体制に批判的なデモや集会が頻発した。

※3:性の放縦が社会の根幹である家族制度を揺るがし、ひいては社会に混乱と不穏を生む原因となる、この問題を解決するためには、若者が早期に結婚できるよう社会整備を進めるべきだとする意見が、しばしば聞かれる(そのためには、一時婚も必要であるとする意見もある)。アフマディーネジャード大統領はこの問題への取り組みとして、「レザー友愛基金」という名の結婚のための融資制度を発足させている。ただし、イランでも他の諸国と同様、特に都市部の中間層では晩婚化が進んでいる。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:11816 )