ならず者たちは今どうしているか:「ならず者特別拘置所」をリポート
2007年09月06日付 Jam-e Jam 紙

【事件部】テヘランでならず者たちの最初の一斉検挙が行われてから、数ヶ月が経つ。この間、さまざまな情報が首都警察や司法当局、その他の当局筋からマス・メディアを通じて流された。しかしこれまで報じられたリポートやニュースのいずれも、多くの人々が関心を寄せる基本的な疑問に答えるものではなかった。すなわち、逮捕されたならず者たちはどうなったのか?、彼らはどこに収容されているのか?、これまで何人のならず者が処刑されたのか?、そして収容されているその他のならず者にはいかなる結末が待っているのか?、という疑問である。

 これらの疑問やそれに類した疑問は、しばらく前から、他の市民と同様に、われわれの脳裏から離れることがなかった。そこでわれわれは、これらの疑問に対する答えを得て、われわれやその他市民の脳裏にくすぶり続けてきた模糊とした感覚を取り除くことを決意した。

 このような目的から、われわれは首都警察や司法当局に対して、資料の提供を求めた。当局は当初、われわれの要請に対して前向きな回答を寄せたが、その後われわれが逮捕されたならず者たちとのインタビューを望んでいることを知るや、われわれの要請に対する応答を「後日」に委ねてしまった。

 しかしついに、その「後日」がやってきた。テヘラン治安警察はわれわれをある場所に連れて行ってくれたのである。そこは、「ならず者特別拘置所」としか名付けようのない場所だった。

 ならず者拘置所

 テヘランから「ならず者拘置所」までの道すがら、われわれはある特別な感覚に襲われた。それは恐怖と好奇心が入り交じった感覚だった。拘置所で看守が目を離した隙に、ナイフを振りかざしたごつい体型の無法者の襲撃を受けたら、という恐怖と、かつて市民の平穏を奪ってきたあの傍若無人の暴れ者たちに何が起きているのか、という好奇心。

 しかし、拘置所に入って拘留中の者たちを見た瞬間、恐怖と好奇心は驚愕と困惑に取って代わられた。拘置所の至る所で、弱り切った人間を見たのだ。彼らが昨日まで、写真の中で見たり話として聞いたりした、あの傍若無人なならず者であったとは、どうしても信じられなかった。しかし今や彼らは‥‥。

 社会的安全向上計画のすべての段階で、つねに積極的に関わってきたキャリーミー大佐は、われわれに「彼らは、かつて考えることといったら市民に恐怖を与えることだけだった、まさにあのならず者たちですよ」と請け合った。

 われわれはキャリーミー大佐に、どうしてこんなに変わってしまったのか、聞いてみた。大佐はラーダーン長官の言を引用して、次のように答えてくれた。「彼らは、今後決して他人に迷惑をかけることができぬよう、変わらねばならなかったのです」。

 ならず者たちの行動、性格、性質はどのようにして、そしてどのくらい変わったのか、大佐に訊いてみた。大佐は、その種の質問はテヘラン警察長官のラーダーン司令官に訊くよう勧めてくれた。もっともだと思い、テヘランに帰ったら長官に質問することにした。

 ゴリラは死んだ!

 われわれは多くのならず者たちに、インタビューを試みるつもりだった。しかし彼らの多くは、もはや話す気力すら失っていた。われわれはならず者たちのうち2人から、話を聞くことに成功した。最初の人物は、バフラーム・A(通称ゴリラ)であった。かつてのゴリラを思わせるような面影など失せてしまった彼に、訊いてみた。

 Q:昔君は威張り散らしていたって、本当かい!
 A:昔のことだよ!ゴリラは死んだのさ!頭のてっぺんから足のつま先まで、暴力に明け暮れていたゴリラは、もういないんだよ。彼はすでに死んだのさ。

 Q:じゃあ、君は誰なんだい?
 A:俺は母さんが望んでいたバフラームになったのさ。

 Q:君の母親は何を望んでいたんだい?
 A:人間であってほしいって、思ってたんだよ。普通の人間のように振る舞ってほしいって。でも、俺は母さんの話には、一度も耳を傾けなかった。

 Q:なんで母親の忠言に耳を傾けなかったんだい?どうしてゴリラになってしまったんだい?
 A:俺は自分を卑しめていたんだよ。自分をいじめていたんだ。自分を大切にしなかったんだ。間違えていたよ。もう終わったことだ。俺はもうゴリラじゃない。そんな名前、うんざりだ。大嫌いだ。お願いだから、もう俺を一人にしてくれないか。

 ゴリラ、いやバフラームは泣き叫びそうな勢いだった。しかし泣き叫ぶ力もなかった。彼を一人にして、スィヤーヴォシュ・J(通称ドロ)のところに行った。

 ドロ・スィヤーヴォシュはドロよりも汚い!

 スィヤーヴォシュは逮捕前、醜悪で恐ろしい姿をした男だった。スィヤーヴォシュに何故「ドロ」と呼ばれるようになったのか、訊いてみた。彼は、「そういう名前に相応しかったのさ」と答えた。彼は、人々を苦しめ、悪事を働くことしか考えない男だったのだ。

 Q:どんな刑を予想しているか?
 A:死刑になればいいと思っている。そうすれば、犯した罪の重荷がちょっとでも減るだろう。俺は人々に謝りたい。人々にひどいことをしてしまった。赦してほしい。赦しを請う資格もないことくらい分かってるけど。悪の最後は悲惨だってこと、書いておいてほしい。

 スィヤーヴォシュと別れて、その他のならず者たちのところに行ってみた。法と権力によって捉えられたならず者たち一人一人の顔には、後悔の跡がありありと見受けられた。

 拘置所から出ようとしたとき、あるならず者の口から、こんな言葉が漏れた。「俺たちは自分たちの行いを後悔している、もう決してどんな過ちも犯さないと約束する。ラーダーン司令官にこう伝えてくれないか」。別のならず者も、やっと聞き取ることのできるような声で、「もうたくさんだ。俺たちには誇示する力など、もうないんだ。一生曲がった道には行かないと誓うよ‥‥」とつぶやく。

 〔中略〕

 ならず者は社会の汚らわしい腫れ物

 首都テヘラン警察長官本部。ラーダーン司令官が今年のファルヴァルディーン月19日〔2007年4月8日〕に、初めて社会的安全計画を発表したあの大広間で、私たちは同長官とのインタビューに臨んだ。

 Q:ならず者の取り締まりは、いつから考え始めたのか?
 A:テヘランでの任務を始める前、テヘランが抱えている病理や問題について、多くの情報を聞いていた。その中にはならず者に関するものもあった。テヘランでの任務を始めてから、私は専門家チームを結成し、この問題について情報の収集を始めた。得られた情報から、私はテヘラン市民の安全意識を向上させるためには、ならず者どもによる醜悪で汚らわしい現象を根元から一掃することが必要であるとの確信を得るに至った。

 Q:実際に一掃されると思うか?
 A:それについては、まったく心配には及ばない。

 Q:ならず者に対してそれ程きつく取り締まる必要はないと言う者もいるが、長官の意見は?
 A:ならず者は汚らわしい腫れ物のような存在だった。彼らを治療するためには、外科手術が必要だった。外科手術こそが、腫れ物を摘出し、社会の健康を増進させたのだ。もちろんご存じのように、この方法は司法当局との事前の打ち合わせを経た上で、特定の法的規定の枠内で選択され、毅然と実行に移されたものである。

 Q:拘置所に収容されているならず者たちの性格や性質に、大きな変化があったように見えるが、このような変化はいかなる措置によってもたらされたと考えるか?
 A:われわれはならず者の検挙を実施した当初から、心理学者や精神科医、社会病理学者に対して、ならず者のパーソナリティを徹底的に研究するよう依頼してきた。それに基づいて、次の行動を策定するためだ。われわれは研究によって得られた成果に基づき、特別な戦略や方法を計画し、実行に移した。かつてならず者だった者たちに生じた甚大かつ持続的な変化は、これらの努力の結果である。

 Q:どのような方法を用いたのか?
 A:医療的・警察的・司法的な方法の組み合わせだ。〔※「警察的な方法」「司法的な方法」というのが何を具体的に指すのかは不明〕

 Q:ならず者たちは抵抗を見せなかったのか?
 A:当初は多少の抵抗はあった。しかし彼らの抵抗はすぐに弱まった。

 Q:拘置所にいるならずものたちが、現在いかなる状態にいるのかご存じか?
 A:知っている。何度か拘置所を視察した。彼らは後悔しており、衰弱している。彼らがもう一度悪事を起こそうなどと考えているとは思われない。警察は毅然とした態度で、彼らを自らの監視下においているからだ。

 Q:彼らには今後、どのような運命が待っているのか?
 A:彼らにはそれぞれ、別々の法的命令が下されており、それらに関する司法手続きも現在行われているところだ。

 ならず者の収容所の光景を思い描きながら、私は首都警察長官事務所を後にした。私は自らにこう問いかけた。「ゴリラ、カニ、サイ、ネズミ‥‥などのニックネームを敢えて選ぶような者は、これから先いるのだろうか?」

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:11852 )