ベネトンがイランに進出?:大富豪のシオニストは我が国で何をしようとしているのか
2007年10月04日付 Iran 紙

 テヘラン市関係者によると、シオニスト企業ベネトンの会長がテヘランに自らのチェーン店を開くために、外務省経済局の招きでイランを訪問した。その中でテヘラン市は同会長と秘密裏に会談を行い、契約を結んだとされるが、なぜそのようなことが行われたのか、理由は明らかにされていない。

 本紙記者の取材によると、このシオニストの資本家は7年前にもベネトンの販売店をイランに設けようとしたが、国内の抵抗により断念した経緯がある。彼は先日テヘラン入りし、テヘラン市の支持を取り付けた上で、現在販売店の開設を準備しているという。イタリアの大富豪で女性服のデザイン・販売を手がける会社を所有しているルチヤーノ・ベネトンがテヘラン入りしたのは、自らのチェーン店をイランで展開することが目的であるとされる。

 ベネトンは7年前にも、チェーン店をテヘランやその他の大都市に開設しようと目論んでいたが、この計画は宗教界や文化関係者らの知るところとなり、彼らの抗議によって実現には至らなかった。

 テヘラン市長の顧問で、市長事務局の総局長を務めるモハンマド・ハーディー・モアッゼン=ジャーミー氏は、ベネトン氏がかつて当時の政府の呼びかけで計画していた衣料品販売店2店舗の開設を目的にイランを訪問したことを認めた上で、次のように語った。「ベネトン氏はわれわれの招きではなく、外務省経済局の招きでイランを訪問した。同氏はテヘラン市役所も訪れたが、それはわれわれがイランの男女用に、海外デザイナーのアイディアや能力を利用することを考えてのことである」。

 モアッゼン氏はさらに次のように説明する。「ベネトン氏の仕事は服である。われわれは彼の思想信条には関わり合いがない。ただ単に、彼の専門能力をイラン人のために利用したいだけだ。われわれはこの人物の思想を利用しようというのではない。われわれが目的としているのは、彼の会社が有する専門能力を利用することなのである。ナイフは人殺しにも使えるが、手術に利用して人の命を救うこともできる。今イランでは、ファッションや服飾の分野で問題があるということを率直に認めなければならない。女性にきちんとした服装をするように言う場合、『きちんとした服装』の例をきちんと示さねばならない。残念ながら、『悪を禁ずる』ことはしていても、『善を提供する』ことをしていない。これでは『善を勧めて悪を禁ずる』を全うすることはできない」。
〔訳注:「善を勧めて悪を禁ずる」(勧善禁悪)は、シーア派イスラーム法学の原理の一つで、ホメイニーはこの考え方を応用して、パフラヴィー体制という悪の根絶を呼びかけた〕

 〔中略〕

 モアッゼン氏は、投資というものに対して病的なほど過敏になることは、民間投資をイランに呼び込む上で障碍にしかならないとした上で、次のように述べる。「もしわれわれが投資を呼び込みたいと考えるならば、投資家のよい面に注目する必要がある。生産者が抱く思想が受け容れられないからといって、当人が有する最新のテクノロジーや手法を利用しないという態度は正しくない。現在の相互依存関係の世界において、投資家とその資本を呼び込む際にあら探しをするべきではない」。

 モアッゼン氏はさらに、次のように論じている。「《強要された戦争》〔=イラン・イラク戦争〕の際にわれわれを苦しめたが、現在われわれと関係をもっている国は少なくない。例えばドイツだ。同国はイラン国民に対して最大限の苦しみを与えた国である。〔ドイツが製造した〕化学薬品の被害を受けた傷痍軍人たちはいまだに、化学兵器の犠牲者として苦しんでいる。しかし、ドイツはイランにとって最大の海外投資国でもある。イギリスもイランを蹂躙した国である。アラブ首長国連邦もその例に漏れない。しかし投資面での同国との相互関係はきわめて大きい。これらの国々との関係を維持している理由は、これらの国からの投資が必要であるということを、われわれが理解しているからに他ならない」。

 ガーリーバーフ・テヘラン市長の顧問を務めるモアッゼン氏は、ベネトン会長の思想を擁護するつもりはないと強調しながら、「イランの老若男女に服を供給する際、外国人など必要としないといえるだけの能力がわれわれにあるのであれば、それに越したことはない。しかし、そのような状況にはないというのが現状である。われわれは〔海外の〕先端的な知識を利用しなければならないのである」と話す。

 〔中略〕

 モアッゼン氏はまた、次のように強調する。「市長は女性が抱える問題に対して、きわめて高い認識をもっている。テヘラン市社会問題局の管轄下に、《都市生活スタイル》社という会社を設立したのはそのためである。このようにしてテヘラン市は、地域の特徴にあったイランにふさわしい服を生産しようしている民間部門の投資家たちを支援しているのである。われわれは世界に対して心を閉ざし、部族主義的な考え方をするべきではないと考えている。部族主義的な生活の時代は終わったのであり、新たな生活にはより高度なものが必要とされるのである」。

 〔中略〕

 ベネトン氏をイランに招聘したのがどの機関かはさておき、明らかなのはテヘラン市が彼と交渉のテーブルに着いたということだ——それがイラン女性用のファッション・デザインについて話し合うためか、チェーン店の展開について話し合うためか、いずれであれ——。情報筋の話では、テヘラン市はこの会談についてきわめて用心深く、シオニストの大富豪がテヘラン市役所を訪問したことについて口外しないよう、市関係者たちに対して幾度となく箝口令を敷いたとのことである。

 しかしこのような箝口令も無駄だったようだ。その数日後には5名の国会議員が監督官庁である内務省の大臣に対して、テヘラン市責任者の行動について答弁を求める要望書を提出したのである。

 シオニスト企業ベネトンの会長がイランを訪問したことに対し、土曜日、アーリヤー、ヤフヤーザーデ、アーリーンマネシュ、ヘダーヤトハーフ、タバータバーイーネジャードの5名の議員は、同氏のイラン訪問に抗議、ベネトンが女性用衣料品のデザインに関わることに反対する姿勢を示した。国会文化委員会のファーテメ・アーリヤー議員は、このことについて「われわれは直接テヘラン市長に対して説明を求める要望書を提出できない以上、監督官庁である内務省の大臣に対して、監督対象機関の責任者の行動について説明を求めることで、抗議の意志を示すことになった」と語っている。

 〔中略〕

 アーリヤー議員はまた、内相が今回提出された要望書に対して、調査の上、国会にきちんと回答するよう期待を表明した上で、「国内のデザイナーが人々の必要に応えることができていないからといって、海外のデザイナーを利用しなければならない、ということにはならない。イランの服飾デザイナーたちは、国際的な見本市や式典でも高い評価を得ている。金銭的なサポートがないために孤立し、活動を続けることができないといった事情のデザイナーもいる」と指摘する。

 〔中略〕

 いずれにせよここで疑問となるのは、世界の服飾産業にはシオニストの影響下にはないデザイナーや資本家はいないのか、ということだ。テヘラン市であれ、その他の機関であれ、なぜ彼らはシオニストとして有名なベネトン氏を、イランに招待したのだろうか。

 もちろん、次のような事実を直視する必要もあろう。イラン服の展示会の開催に関わった複数の関係者が語ったところでは、これらの展示会で展示された服やファッションは、テヘランを初めとするイランの女性たちの必要に応えるものではなかったという。そして〔これらの展示会で展示された〕イラン服のデザイナーたちの多くは、国際的な舞台で活躍する人々であり、彼らはイランの外で活動しているという事実である。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:12100 )