「チャングム」との別れ間近 韓国ドラマ「王宮の宝石」の魅力再読
2007年10月25日付 Jam-e Jam 紙

 【メディア部】54話にのぼる韓国の長編テレビドラマ「王宮の宝石」(「大長今」、日本タイトルは「宮廷女官チャングムの誓い」)が最終回を迎えようとしている。このドラマのファンたちがお別れをしなければならない時が来る。

 このドラマの放映がイランで始まった当初は、これほどまでに多くの視聴者層を惹きつけることになるとは思われなかった。というのも、そこには視聴者を驚かすようなストーリー展開があるわけでもなければ、物語を解き明かす奇抜な仕掛けが用いられているわけでもないからだ。
 
 だが、このドラマには、巧みな語りがある。それにより、視聴者は登場人物たちの運命から目を離せなくなり、次回を見逃すまいとする。イランの演出家たちにとっての教訓的なモデルともいえるこのドラマの主な魅力は、各回で取り入れられたシンプルな逸話にこそあった。ツボを押えたナレーション、適当な登場人物設定、ドラマ制作の手段に対する制作者側の深い知識、それらの全てが絶妙に絡み合って「チャングム」という出来事を形作っていく。だから視聴者は次の話が見られるのを指折り数えて待つのだ。

 「王宮の宝石」は歴史ドラマ作品を制作する全ての人々に、巨額な費用をかけずとも、一つの国の文化や歴史を魅力的に、自然な形で描写し、人々を物語の中へ引き込むような作品を作ることが出来るということを思い起こさせてくれた。

 放送開始からおよそ一年たった今、「ヤンゴム」(チャングムのペルシア語風の発音)の名は人々の口に上るようになり、バーザールで売られるDVDによって、ドラマの放送終了前に全内容を見て、その後の話のあらすじをウェブサイト上に掲載する者さえいる。しかし、これらの現象は、「王宮の宝石」放送開始後にイランで生じた韓流ブームのほんの一部にすぎない。(後略)

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( 翻訳者:島崎紗帆 )
( 記事ID:12269 )