北イラク危機解決に向け、イランが積極性アピール
2007年10月29日付 Iran 紙

 アフマディーネジャード大統領がイラン外交の新ラウンドの幕開けを記者たちに語った僅か数日後、テヘランは早くも北イラク危機の解決に関する協議で中心的役割を担うことになった。

 『イラン』紙政府担当記者が伝えたところでは、アフマディーネジャード大統領は27日夜、トルコ大統領およびイラク大統領、同首相との個別の電話会談で、トルコ=イラク国境地域の情勢について事情を聞き、目下の問題の解決のための協議の継続を強調した。

 28日にはトルコのアリ・ババジャン外相がテヘランを訪問し、イラン大統領およびモッタキ外相との会見で、地域情勢について協議を行なった。有識者の一部は、イラク北部における危機の解決に向けたイランの参加を精力的であると評価した。しかし、トルコは南部の国境に軍を配備し、イラク北部のPKK(クルド労働者党)支配地域に対する攻撃に備えている。トルコは、PKKをテロ組織と呼び、イランもまた、PKKの分派テロ集団PEJAK(PJAKとも。クルド自由生活党)イラン北西部国境地帯で展開する分離独立運動を非難してきた。これまで、このテロ集団によってイラン国民の多くが犠牲となっている。

 こうした中、イラン・トルコ両国首脳は電話会談において、イラクの占領者こそがイラク国民の不和の背景を作り、二重基準の下でテロリストたちを支援していると非難した。イラン大統領府広報部によると、両大統領はこの電話会談で、イラクの統一性・一体性を守る必要性を強調し、「イラク国民はクルド人、スンナ派、シーア派、その他全ての部族を含め、皆兄弟であり、肩を寄せ合って暮らしてきた」としつつ、問題を克服するためにイラク政府と協調・共同する必要性を述べた。トルコのギュル大統領は、トルコ政府によるイラクのクルディスタン住民への援助およびテロとの戦いにおける多くの努力に言及しつつ、来週イスタンブルで行われるイラク安定化会議が、イランの出席によって問題解決に向けたプラスの成果をもたらすことを期待すると述べた。

●イラン大統領とイラク大統領、同首相の会談
 アフマディーネジャード大統領は、イラクのターラバーニー大統領およびマーリキー首相とも個別に電話会談を行ない、トルコ=イラク国境地帯の情勢について聴取した。この会談で、アフマディーネジャード大統領、ターラバーニー大統領、マーリキー首相は、問題解決に向けた協議の継続を強調した。また両国首脳陣は、テロリストたちはイラン、トルコ、イラクは勿論、地域のどの国の友人でもないと強調した。

●トルコ外相とアフマディーネジャード大統領の会見
 アフマディーネジャード大統領はトルコ外相との会見において、イラン、トルコ、イラクの国民はお互いの友人であり、兄弟であるとしつつ、我々全ての運命はお互いに結びついている。お互いの利益を守らなければならないと述べた。また同大統領は、近隣地域の危険と脅威について触れ、敵たちは長期的な視点で全てを支配しようとしており、同地域の国々、中でもイラン、トルコ、イラクが力を持ち、平和と安定を実現することを嫌がっているのだと付け加えた。

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( 翻訳者:徳原靖浩 )
( 記事ID:12291 )