アフマディーネジャード大統領、湾岸協力会議に12の提案
2007年12月04日付 Jam-e Jam 紙
ペルシア湾岸協力会議首脳会合の会場に並んで入場するアフマディーネジャード大統領とアブドゥッラー・サウジ国王:AFP
ペルシア湾岸協力会議首脳会合の会場に並んで入場するアフマディーネジャード大統領とアブドゥッラー・サウジ国王:AFP

【政治部】ペルシア湾岸協力会議の第28回首脳会合がドーハで開かれた。この会合には、イランのアフマディーネジャード大統領が招かれ、カタール首長の歓待を受けた。

 メフル通信がアルジャズィーラ放送を引用する形で報じたところによると、カタールのシャイフ・ハマド・ビン・ハリーファ・アール・サーニー首長は湾岸協力会議首脳会合の開会式の中で、「来賓の皆さん、会合に駆けつけてくれたイラン・イスラーム共和国大統領を歓迎しましょう」と述べた。

 メフル通信の報道では、アフマディーネジャード大統領はその後演説を行い、その中で地域諸国の宗教的、歴史的、地理的、文化的共通性に触れた上で、同胞関係の強化と協力の拡大を目的とした12の実践的提案を提唱した。

 「イランはつねに地域近隣諸国との連帯と協力を提唱してきた。この路線を今後も変えることなく続けるつもりだ」。このように述べた上で、アフマディーネジャード大統領はさらに「イランは、外国の干渉を排し正義と友情に基づいた、永続的な平和と安全を求めている」と強調した。

 アフマディーネジャード大統領は湾岸協力会議の加盟各国に対して、・経済協力機構の設立、・7カ国の市民の往来を簡素化するためのビザの廃止、・不動産の所有の許可、・二国間、多国間での石油・天然ガス産業への共同投資、・多国間自由貿易の確立へ向けた計画の策定、・水やガスの供給、・地域北部から南部に至る回廊の活性化、・観光の拡大、・治安協力機構の設立、・教育、科学、技術、研究の分野における交流、・ペルシア湾ならびにオマーン海の自然環境の保護、などを提案した。

 大統領はその上で、「地域の強力な諸国家・諸国民の連携につながる政策は、いかなるものであれ、地域と世界の平和と安全、友好関係の維持・強化に寄与するだろう」と続けた。

 大統領はまたペルシア湾岸諸国に対して、あらゆる協力分野について議論と相互理解を深めるために、テヘランで合同会議を開くことを提唱した。

 イランと湾岸協力会議、関係の強化へ

 「イランとペルシア湾岸協力会議の各国は、良好で強固な関係を有している」。ドーハ会合とは別個に行われたアフマディーネジャード大統領との個別会談の中で、カタール首長はこのように強調した。

 イラン国営通信の報道によると、カタール首長はペルシア湾岸協力会議第28回首脳会合の開会式後、アフマディーネジャード大統領と個別会談を行い、同会合への参加に関して大統領に感謝の意を表明した。カタール首長はその上で、きわめて価値が高く明瞭な内容であったとして、アフマディーネジャード大統領の演説を評価、「首脳会合の中で大統領の提案を詳しく検討する」と約束した。

 シャイフ・ハマド・ビン・ハリーファ・アール・サーニー首長はまた、ペルシア湾地域の安定を望んでいない国もあると指摘した上で、「ペルシア湾岸諸国は今日、協調と連帯を確実にすることで、各国の国益を確保する方向へと歩み出す必要がある」と強調した。

 同首長は続けて、地域諸国の政治関係者らの中には、イラン核問題に関して西洋諸国に追随するものもいると指摘した上で、「イラン・イスラーム共和国の核問題は、イランと国際原子力機関の間で検討・解決されるべきものであり、西洋諸国はこの問題に干渉するべきではない」と述べた。

 アフマディーネジャード大統領もまたこの会談の中で、イランとペルシア湾岸諸国の間の関係発展を阻害するような要因はまったく存在しないとした上で、「ペルシア湾岸諸国は大きな能力を有しており、諸外国の支援などなくとも独力で進歩を遂げることができるはずだ」と力説した。

 アフマディーネジャード大統領はまた、イラン・イスラーム共和国がさまざまな科学・技術・産業の分野で遂げてきた進歩と成功に触れた上で、「イランはさまざまな領域における自らの経験と成果を、ペルシア湾岸諸国に惜しみなく移転する用意がある」とも指摘した。

 カタール首長は会談の最後に、アフマディーネジャード大統領からのイラン訪問の招請に対して、「必ずイランを訪問するつもりだ」と語った。

 〔後略〕

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:12629 )