「テヘラン資産家女性連続殺人事件」の主犯格の男、絞首刑に処せられる
2008年01月03日付 Jam-e Jam 紙

【事件部】大学生の女と共謀し、3人の資産家女性を殺害した男が昨日朝、刑務所の敷地内で絞首刑に処せられた。

 ジャーメ・ジャム紙の報告によると、この事件は1384年〔2005/6年〕にテヘラン捜査警察が捜査した事件の中でも、最も複雑な事件の一つであった。

 1384年アーザル月26日〔2005年12月17日〕、ミールダーマードに住むファラフナーズさん(40歳、女性)が殺害されたことを受け、テヘラン殺人特別捜査官ならびに捜査警察第10課の捜査官らは現場に急行、捜査を開始した。その結果、被害者の女性は殺害される二日前、自宅を売却するために広告を掲載、その翌日購入希望者を名乗る若い男女が同宅を訪れていたことが判明した。さらにこの男女は女性宅を訪れた翌日、再度同宅を訪れ、女性を殺害、金や貴金属、パソコンなどを盗んで逃亡したことが分かった。

 二件目の殺人

 この事件に関する大規模な捜査が続けられる中、その10日後二件目の殺人事件が起きた。被害者となったのは50歳の女性で、彼女もまた自宅を売りに出そうとしていたところを、殺害されていた。殺害現場を捜査し、一件目の殺人と比較したところ、現場に残されていた赤い色のロープが二つの事件を結びつける手がかりであることが判明した。捜査のさなか、若い男女が家から出て行くのを目撃した証言者が現れたことで、二つの事件の関連性についての警察の仮説はさらに強まっていった。

 三件目の殺人

 この数ヶ月後、三件目の殺人事件が「造幣局三叉路」〔の周辺にある家〕で発生した。被害者となったのは41歳の女性で、自宅に家族がいない時に、二人の犯人によって殺害されたものだった。

 その後の警察の捜査で、これらの殺人事件はプロの仕業で、現場に何の痕跡も残していないことが分かった。

 最終的に、数回にわたり捜査会議を重ねた結果、三件の殺人事件に関連した手がかりが得られた。捜査警察第10課の捜査官らは、地方の大学生でアアザムという名の若い女の痕跡を事件に見出し、逮捕した。

 若い女の身柄が捜査警察に移されると、女はアリー・レザーという名の若い男とある映画制作事務所で知り合い、交際を続けていく中で、犯罪へと引き込まれていったことを自供した。自供によると、女はアリー・レザーとともに自宅売却の広告を見て同宅を訪問、その翌日、家主の女性以外に誰もいないことを見計らって、再び同宅に行った。女はアリー・レザーが殺人を実行し、自らは殺人には何ら関わっていないと主張した。

 主犯格の男を逮捕

 この自供を受け、直ちに警察の電撃作戦隊が自宅にいたアリー・レザーの身柄を確保した。同容疑者は当初取り調べの中で罪を否認していたが、その後アアザム〔の自供〕に直面し、さらに被害者らから盗まれた物品の一部が発見されことで、ついに自供を始めたのであった。容疑者はテヘランの女性三人を殺害したことを認め、2000万トマーン〔約230万円〕の借金があり、借金の返済のために罪を犯したと供述した。容疑者はまた、三人の殺害時に一定の金を地方大学の女子学生であったアアザムに渡していたと述べた。

 容疑者の男の自供を受け、起訴状がテヘラン刑事検察庁殺人担当の予審判事より発出、本件はテヘラン州刑事裁判所第71法廷に委ねられることとなった。裁判の結果、主犯のアリー・レザーは三件の故意による殺人を犯した罪で3度のキサース刑(同害報復刑)を宣告され、アアザムは殺害現場に居合わせ、窃盗に加わった罪で禁固15年の刑が言い渡された。この判決はその後、最高裁判所により確定された。

 死罪

 本紙記者の報告によると、本件は刑事検察庁判決執行局に移され、昨日朝、テヘラン老女殺人事件の実行犯アリー・レザーは雪の舞う中、利己的な理由のみで重い罪を犯す犯罪者たちにとって教訓となるべく、エヴィーン刑務所の敷地内で、事件の被害者たちの親族らの目の前で絞首台に吊された。

 他の7名に対する死罪

 また昨日朝、重い罪を犯し、刑事検察庁判決執行局に委ねられていた7人の死刑囚の男女が、判決の執行のためにエヴィーン刑務所の敷地に移送された。しかしまさに死罪が執行されようとしていた死刑囚たちのうち3名については、テヘラン刑事検察庁和解・調停局の尽力により、被害者家族に対して刑の執行の延期が要請された。

 この報告によると、最高裁判所によって死刑が確定していたその他4名の死刑囚に対しては、判決通り刑が執行され、彼らの犯罪ファイルは記録として永遠に保管されることになった。

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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:12837 )