イルカ大量死の原因、発表される:原則を無視した漁が原因
2008年01月17日付 Jam-e Jam 紙

【社会部】国際的な専門家らが2ヶ月間にわたり調査を行った結果、ついに様々な憶測を呼んだジャースク港におけるイルカの大量死の原因が判明した。IUCN(国際自然保護連合)の国際的なイルカ専門家らによると、イルカの大量死は漁業とそれに関連した複数の要因によるものだという。

 ジャースク港で2度にわたり計150頭のイルカの大量死が発見されたことは、すべての自然愛好家の注目を集めてきた。この問題〔の原因に関する今回の発表〕は、イラン海域における漁業のあり方に対する、環境庁ならびに漁業組合による監督が極めて貧弱であることを示すものであり、限定的な巡視活動と港湾地域に駐在する監督員の人員不足が、このような自然環境の悲劇を生んだ格好だ。

 病理学者でイルカをはじめとする海洋哺乳生物の疫病の専門家であるアントニオ・フェルナンデス教授は、イラン学生通信とのインタビューの中で、イルカの死亡原因について次のように説明している。「今年のメフル月2日〔2007年9月24日〕にジャースク港から東に100キロ沖合のキャラーティー海域で発生した79頭のイルカの大量死の原因について、調査が行われた。イルカの屍体が13キロメートルにわたって散乱していたこと、多くのイルカの頭蓋骨や顎の部分が折れていたこと、海岸に打ち上げられたイルカ全てが死んでいたこと、これらのイルカがほぼ同時期に死んだこと、その他様々な現象や目撃証言、証拠から判断した結果、イルカの大量死の原因が漁業と、それに関連した複数の要因によるものであったと考えることができる」。

 イルカの大量死に関するこのような証言によって、漁業組合が生態系の保全や自然環境に重要な役割を果たしている生物の保護に注意を払ってこなかったこと、そして環境庁をはじめとする監督官庁も漁業関係者への教育やペルシア湾海域の自然環境の保全に関してきちんとした指導を行ってこなかったことが、再び示された格好だ。

 もちろんこれらの要因に加えて、ホルモズガーン地域での環境保全活動に必要な〔資金や機器類といった〕ファシリティや人員が十分ではないといった要因も同時に考慮しなければならないだろう。

 フェルナンデス教授は、「その一方で、石油による汚染、プランクトンの大量発生、赤潮、病気などといった要因は、最初に起きたイルカの大量死には関わっていない」と強調した。

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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:12915 )